第17回問21〜問25の解き方

第17回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問21.労働市場の知識

 労働関連の統計調査の種類の内容を問う横断的な問題は第6回や第14回で出題されています。

本問は非常に正誤判断が難しく、選択肢2を不適切、選択肢4を適切と判断するに足りる根拠が、見つかっていない状況ですが、これまでに確認できていることをお伝えいたします。

1.○:「労働力調査」は、我が国における就業及び不就業の状態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的としており、15歳以上人口や、就業者数、失業者数などの統計を作成している。【総務省統計局

2.×※:「労働経済動向調査」は、景気の変動、労働力需給の変化等が、雇用、労働時間等に及ぼしている影響や、それらに関する今後の見通し、対応策等について調査し、労働経済の変化の方向、当面の問題点等を迅速に把握することを目的としている。【厚生労働省

※結果の概要には、産業別の雇用の状況、労働者の過不足、未充足求人や欠員、採用等の状況が調査、公表されている。【労働経済動向調査 結果の概要:PDF

そのため、選択肢の文章にある「主要産業における雇用労働力の実態」は十分に読み取れるのではないかと私には感じられるものの、正答では不適切な選択肢とされている。

3.○:「毎月勤労統計調査」は、雇用、給与及び労働時間について、全国調査にあってはその全国的の変動を毎月明らかにすることを、地方調査にあってはその都道府県別の変動を毎月明らかにすることを目的とした調査であり、日本標準産業分類に基づく16産業が調査の対象である。【厚生労働省

4.○※:「賃金構造基本統計調査」は、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。【厚生労働省】 

※ただし、勤続年数は「役職別」のデータで(平均)勤続年数はわかるものの、属性別(勤続年数別)の賃金の相場については、厚生労働省のホームページで公表されている資料からは、うかがい知ることができないことを付記しておきます。【厚生労働省

ヨコ解きリンク:[第6回問23 第14回問24

問22.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

 労働基準法の母性保護規定に関する問題です。生理休暇と深夜業の規定は初めての出題でしたが「でなければならない」や「一切〜をさせてはならない」という表現には他の問題でも、言いすぎていないかどうかを確認しましょう。

なお、母性保護規定については、次の厚生労働省の資料にコンパクト(2ページ)にまとめられており、おすすめです。

 労働基準法における母性保護規定

1.×:産前産後の休業については、労働基準法第六十五条に規定されている。本選択肢は次の②の規定に反しており、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えないとしている。

【労働基準法第六十五条】

①使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
 
②使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
 
③使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

2.○:上記の①の規定である。①使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

3.×:労働基準法において給与の支払いが義務付けられている休暇は、年次有給休暇のみである【労働基準法第三十九条】。法律上は生理休暇について、有給、無給いずれの定めもないが、労働契約や就業規則により、会社によっては有給扱いする場合もある。

4.×:使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。【労働基準法第六十六条③

ヨコ解きリンク:[第7回問26 第10回問26] 

問23.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

 就業規則については、選択肢では度々出題されていますが、大問(選択肢4つ分の問題)として出題されたのは第5回に続いて2度めです。どちらの問題も重要な内容ですので解いておきましょう。

1.×:合意ではなく、意見を聴くことが求められる。

労働基準監督署長への届出については、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者の意見を記し、その者の署名又は記名押印のある書面(意見書)を添付しなければならない。【労働基準法第九十条

2.○:就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされている。【労働基準法第八十九条

3.○:就業規則は、常時、各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。【労働基準法第百六条

4.○:退職に関する事項(解雇の事由を含む)は、就業規則の絶対的必要記載事項にあたる。【労働基準法第八十九条】なお、退職に関する事項には、任意退職、解雇、契約期間の満了による退職等、労働者が身分を失う全ての場合に関する事項をいう。

ヨコ解きリンク:[第5回問19

問24.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

 社会保障制度に関する横断的な問題で、初めて出題される内容ばかりであり、業務等で知識や経験のある人を除いては、初見で正答が導くことが出来なくてもやむを得ない難問でした。今後の出題に備えて、確認しておきましょう。

1.×:介護保険の被保険者は、65 歳以上の人(第1号被保険者)と、40 歳から 64 歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられる。【厚生労働省:PDF

2.×:生活困窮者自立支援法の主な対象者は、生活保護受給者ではなく、現在は生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者である【厚生労働省:PDF】。なお、生活困窮者自立支援制度については、第6回問15において、就労訓練事業の出題がある。[第6回問15

3.×:生活保護制度は、生活に困窮する人に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としている。【厚生労働省

4.○:障害者総合支援法の対象者は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を持つ人に加え、平成25年からは難病患者も含まれるようになった【厚生労働省:PDF】。

なお、障害者総合支援法については、第15回問32の選択肢2で出題されている。[第15回問32

問25.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

 「懲戒」に関する大問は2回めですが、第12回問27と全く同じ問題でした。初見では難しい内容なのですが、同じ問題ですので必ず獲得したい☆マークの問題としています。

1.○:使用者は労働者の企業秩序違反行為に対して、制裁罰として懲戒を課すことができるとされている。【労働政策研究・研修機構

2.×:減給については労働基準法による制限がある。「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」【労働基準法第91条

3.○:労働契約法第15条の規定。「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」【労働契約法第15条

4.○:企業が定める懲戒の事由としては、「①経歴詐称、②職務怠慢、③業務命令違反、④職場規律違反・職務上の非違行為、⑤兼業・二重就職、⑥私生活上の非行、⑦会社批判・内部告発等がある。【労働政策研究・研修機構

参考文献・資料

総務省統計局

厚生労働省

労働経済動向調査 結果の概要(PDF)

労働基準法における母性保護規定(PDF)

 労働基準法

労働政策研究・研修機構

労働契約法

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