第18回問26~問30の解き方
第18回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問26.学校教育制度及びキャリア教育の知識
キャリア・パスポートに関しては、第17回に続き、連続での出題となりました。この問題は、「誰が、何を」に注目して解いていくと、自ずと正答を導くことができるでしょう。
キャリア・パスポートの目的は、小学校から高等学校を通じ、児童生徒の自らの学習状況やキャリア形成を見通したり、特別活動などのキャリア探求の活動について記録し、定期的に振り返り、自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現に繋げるものである。
そして、その内容は、子どもたちが、小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる活動について、児童生徒自らが記入し、記録を保管するポートフォリオ(キャリア・ノート)を作成する。
1.○:適切である。(誰が)児童生徒が、(何を)キャリア教育に関わる諸活動についてである。
2.×:各教科での学びではなく、キャリア教育に関わる諸活動についてである。
3.×:教師が、ではなく、児童生徒である。
4.×:教師が、児童生徒の成績や将来の進路を見通したり振り返ったりするものでもない。
問27.学校教育制度及びキャリア教育の知識
学校基本調査に関する出題はこれまでにも2級技能検定でありましたが、判断の難しい内容も出題されています。大学院等への進学率の最近の傾向をおさえておきましょう。
1.○:特別支援学校の在学者数は15万5千人で過去最多であった。【P1】なお、義務教育学校(9年間の義務教育を一貫して行う学校)も過去最多であった。
2.○:大学学部の女子学生は119万3千人で過去最多であった。また、学生全体に占める女子の割合は45.5%で過去最高となった。【P2】
3.○:大学(学部)・短期大学(本科)進学率は58.6%で過去最高であった。
4.×:大学院等への進学率は、平成22年度(平成22年3月)をピーク に、10年連続低下しており、11.3%であった。低下傾向であることをおさえておく。【P6】
なお、大学(学部)卒業者に占める就職者の割合は77.7%である。
問28.メンタルヘルスの知識
本資料からの出題は初めてですが、メンタルヘルスケア、ストレス解消の視点から常識的にアプローチしましょう。
1.○:自然を親しむ機会を多く持つ。森の木には心身をリフレッシュさせる成分(フィトンチッド)が発散されており、ストレス解消に有効である。【P10】
2.×:適度な運動が必要だが、勝ち負けにこだわるのではなく、ストレス解消のためにはあくまでも「楽しむ」という気持ちが大切である。【P10】
3.○:仕事を離れた趣味を持つことは気分転換になり、ストレス解消につながる。【P10】
4.○:笑いによって自律神経のバランスを整えたり、ガン細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化し、免疫力を正常化させる効果もある。【P9】
問29.メンタルヘルスの知識
ゲートキーパーに関する出題は、2級技能検定ではありましたが、国家試験では初めての出題です。2級での出題の際と正答のポイントはよく似ています。
ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人である。
ゲートキーパーの役割には、気づき、傾聴、つなぎ、見守りの4つがある。
1.×:自殺の危険を抱えている人の支援にあたり、気持ちが奮い立つように元気づけることは、必ずしも適切とはいえない。
なお、ゲートキーパーの役割には「励まし」ではなく、「見守り」がある。
2.○:「気づき」。ゲートキーパーの役割として適切である。【P6】
3.○:「傾聴」。ゲートキーパーの役割として適切である。【P6】
4.○:「つなぎ」。ゲートキーパーの役割として適切である。【P6】
問30.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
スーパーの発達段階のうち、「維持段階」における発達課題が問われました。維持段階は、目安としては、45歳から65歳の年代にあたります。
1.×:これは、探索段階のうちの試行期(22~24歳)における発達課題としている。試行期とは、職業的好みを実行に移す段階である。【渡辺先生P46】
2.○:維持段階の発達課題として適切である。【渡辺先生P47】
3.○:維持段階の発達課題として適切である。【渡辺先生P47】
4.○:維持段階の発達課題として適切である。【渡辺先生P47】
なお、維持段階の発達課題には、他に「獲得した地位や利益を保持する」がある。【渡辺先生P47】
参考文献・資料
令和2年度学校基本調査(PDF)
心の健康 気づきのヒント集(PDF)
新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)