第19回問31~問35の解き方

第18回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問31.中高年期を展望するライフステージ及び発達課題の知識

 発達段階に関する理論家横断型の問題です。消去法でアプローチをしましょう。

発達理論の理解に悩む受験生は多いのですが、自らやご家族、周囲の人などを想像しながら、どのような段階なのか、どんな課題に直面するのかを考えてみましょう。

1.×:キャリア中期の危機段階における発達課題には、「自分のキャリア・アンカーを知り、評価する」や「現在の受け入れるか、別の未来を選ぶか明確な選択を行う」などがある。選択肢問題文の内容は、キャリア初期の正社員資格の課題である。【木村先生P64】

2.○:レヴィンソンは成人前期から中年期への移行期を「人生半ばの過渡期」と呼び、「若さと老い」、「破壊と創造」、「男らしさと女らしさ」、「愛着と分離」の4つの両極性の解決が、個性化の主要課題であるとした。【岡田先生P78】

3.○:問30に続いてのスーパーの発達段階に関する出題で、維持段階(45歳~)の課題として適切である。この段階の課題には他に、「働き続ける上での新たな問題を明らかにする」や「獲得した地位や利益を保持する」がある。【渡辺先生P47】

4.○:エリクソンの個体発達分化の図式(漸成的発達理論)において、中年期にあたる「成人期」の発達課題は「世代性」対「停滞性」である。【岡田先生P80】

問32.人生の転機の知識

 これまでにも幾度となく出題されていますが、ブリッジズの転機のプロセスは「終わりから始まる」と覚えておきましょう。

1.×:選択肢の文章自体は、これまでにも第9回問13や第15回問31で出題があるが、人名だけでなく、内容も異なる。

バンデューラは、「偶然は予期されずに起こるが、いったん起こると予定されていたことと同じように、通常の連鎖の中に組み込まれて、人間の選択行動に影響を与える」としている。【木村先生P33】

2.×:暦年齢に「強く」関連した、ではなく、「ゆるく」関連した移行期があるとした。【渡辺先生P45】

3.×:シュロスバーグの4Sは、Situation(状況)、Self(自己)、Supports(支援)、Strategies(戦略)である。【渡辺先生P193】

4.○:ブリッジズは、転機のプロセスについて、「終焉」「中立圏」「開始」の3つの様相があるとした。【岡田先生P86】

問33.個人の多様な特性の知識

 性的マイノリティに関する出題は、「第19回対策気になるトピックのまとめ予想問題」としてあげていましたので、内容を確認して備えていた方は、選択肢1、3、4は積極的に判断することができたでしょう。

 職場におけるダイバーシティ推進事業報告書

1.○:性的指向とは、恋愛又は性愛がいずれの性別を対象とするかをいう。

人によって、性的指向のあり方は様々である。自身と異なる性別の人を好きになる人、自分と同じ性別の人を好きになる人、相手の性別を意識せずにその人を好きになる人などがいる。また、誰にも恋愛感情や性的な感情をもたない人もいる。【P5】

2.○:性自認とは、自己の性別についての認識のことをいう。

生物学的・身体的な性、出生時の戸籍上の性と、性自認が一致しない人をトランスジェンダーという。生物学的な性が男性で性自認が女性、生物学的な性が女性で性自認が男性といった場合がある。また、身体的な性に違和感を持つ人もいる。【P5】

3.×:日本では、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律により、性同一性障害者であって一定の条件を満たす者については、性別の取扱いの変更の審判を受けることができるようになっている。【P5】

4.○:相談窓口や機関が存在していても、担当者の無理解やアウティングされることを恐れて、相談に赴くことの心理的な障壁があることも、性的マイノリティの当事者が抱える困難といえる。

なお、アウティングとは、本人の同意なく、その人の性的指向や性自認に関する情報を第三者に暴露することである。【P8】

問34.個人の多様な特性の知識

 治療と仕事の両立に関する問題は、前回、前々回に続く出題です。これは実務での支援はもちろんのこと、自らや家族、友人など周囲に起こりうる身近なトピックと言えます。自分ごととしても捉えて理解を深めましょう。

 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン

1.○:治療と仕事の両立支援は、私傷病である疾病に関わるものであることから、労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことが基本となる。【P3】

2.×:休業開始前の対応・休業中のフォローアップは、主治医ではなく事業者が行う。【P6】

なお、両立支援プラン、就業上の措置及び治療に対する配慮の内容の見直しの検討に当たっては、人事労務管理担当部門や産業保健スタッフ等が組織的な支援を行うことが望ましい。【P8】

3.○:両立支援の検討に必要な情報には、「症状、治療の状況」のほか、「退院後又は通院治療中の就業継続の可否に関する意見」、「望ましい就業上の措置に関する意見」などがある。【P6】

4.○:主治医から提供された情報が両立支援の観点から十分でない場合には、労働者本人の同意を得た上で、産業医等や産業保健スタッフが主治医からさらに必要な情報を収集することもできる。また、これらの者がいない場合には、労働者本人の同意を得た上で、人事労務担当者等が主治医からさらに必要な情報を収集することもできる。【P7】

ヨコ解きリンク

治療と仕事の両立に関しては、最近よく出題されています。

第15回問33 第17回問34 第18回問34 2級第25回問31 

問35.カウンセリングの技能

 ロジャーズのクライエント(来談者)中心療法に関する出題ですが、第12回問32と一語一句、全く同じ内容でした。クライエント(来談者)中心療法が、指示的なのか、非指示的なのかを理解しておけば正答を導くことは難しくはないでしょう。

1.○:クライエント中心療法では、自己概念と体験の不一致によって、各自がそもそも持っている実現傾向が妨げられていると捉える。

2.○:共感的理解のことである。

3.×:クライエント中心療法では、「指示的」ではなく、「非指示的」なリードが行われる。【木村先生P43】

4.○:ロジャーズはカウンセリングの最終的な目標、理想像として「十分に機能する人間」を提示した。つまり、人がそもそも持っている「実現傾向」により、人は、その人らしく「十分に機能する人間」になろうとしていると捉えている。

参考文献・資料

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年) 

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

職場におけるダイバーシティ推進事業報告書(PDF)

事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(PDF)

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