第20回問41~問45の解き方
第20回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問41.仕事の理解の支援
ボランティア活動に関する出題は、選択肢単位では何度か出題されています。選択肢1の内容は違和感がありましたが、選択肢4は即答しづらい内容でした。また、ボランティア活動については、出題範囲表のP5にも明記されています。
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
ボランティア活動は、職業ではないが、キャリア形成においては「仕事」に位置づけられるものであり、働く意味や意義の理解に役立つ「啓発的経験」にもなります。
1.×:ボランティア活動は、個人の自発的な意思に基づくものだが、就職への準備活動を主目的としたものではない。
2.○:ボランティア活動で得られるものとして違和感はなく適切である。
3.○:ボランティア活動で得られるものとして違和感はなく適切である。
4.○:全国の社会福祉協議会などに、ボランティアセンターが設置されている。【全国社会福祉協議会】
問42.意思決定の支援

「どのような場合であっても」は要注意ワードです。全く同じ文章ではないものの、目標設定のプロセスは木村先生の著書に詳しいです。
1.○:目標設定のプロセスとして適切である。
目標は、明確に宣言され、かつ到達可能であるとき人を最も動機づける。また、人は目標達成に近づけば近づくほど努力する【木村先生⑤P288、⑥P380】
2.○:目標設定のプロセスとして適切である。
目標を、具体的なターゲット(target)として表現してみる。【木村先生⑤P288、⑥P381】
3.○:目標設定は、カウンセリングの進展を客観的に測定、評価するのに役立つ。カウンセラーとクライエントが共同して目標に向かってどこまで進んだか、進み具合をチェックすることができる。【木村先生⑤P288、⑥P380】
4.×:相談者が立てた目標について、家族など相談者の周囲の人の合意や支援が必要となる場合もあるが、「どのような場合であっても」ということはない。
問43.方策の実行の支援

直接の出典は不明なものの、出題範囲表の記載内容を正誤判断の根拠としています。
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
1.○:それにより、相談者が自らの意思で取り組んでいけるよう働きかける。【P5】
2.×:目標達成の期限を短く設定したり、早急に達成するよう促すことは、支援の基本姿勢として適切ではない。選択肢1と同じく、相談者が自らの意思で取り組むことが大切である。
3.○:目標達成の効果的な動機づけとして適切である。
(参考)選択肢を並べ、そのメリット、デメリットを比較検討し、最もターゲットを実現するために適当なものを1つ選ぶ(意思決定する)。【木村先生⑤P291、⑥P384】
4.○:相談者が自らの意思で取り組んでいけるよう、働きかけることに役立つため、適切な問いかけと言える。【P5】
問44.方策の実行の支援

木村先生の著書からの出題ですが、支援の基本姿勢からアプローチしましょう。また、主語に気をつけて選択肢の内容を確認しましょう。
1.○:キャリア・カウンセリングの究極の目的は、自分でコントロールし、誰の援助もなく「自分のなり得る人間」に向かって機能できるようになることである。【木村先生⑤P300、⑥P395】
2.○:自己管理方策の意義は、カウンセラーに依存するのではなく、クライエントが自分自身の問題を発見し、それを分析し、日標を設定し、日標に達するための方策を選び、それを実行するようになることである。【木村先生⑤P300、⑥P395】
3.○:自己管理方策の本質は、ある目的のために、個人が自分の生活を方向づけることである。【木村先生⑤P300、⑥P395】
4.×:自己管理方策は、自らの行動観察、自分の置かれた状況要因の管理、及び結果に対する評価と報酬を、カウンセラーが提示したり用意したりするのではなく、クライエント本人に任せることである。【木村先生⑤P300、⑥P395】
問45.相談過程の総括

組織内キャリアコンサルティングに関する出題です。概ね出典と思われる内容が、問16でも出題されている「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」にありました。
1.○:対象従業員のキャリア形成支援の必要上、さらに追加のキャリアコンサルティング面談が必要と判断された場合には、追加的に必要回数のキャリアコンサルティング面談を実施する。【P24】
2.×:相談者の同意があったとしても、ハラスメント行為者に対して、ただちに注意勧告をすることは適切とは言えない。
ハラスメント対策の相談窓口や人事部門、行為者の上長などへの相談や働きかけなど、組織的な改善措置の実施が必要である。【参考:P24】
3.○:対象従業員の同意の下で面談結果をフィードバックし、上司から部下を支援してもらうことも、さらに対象従業員のキャリア形成の支援ともなりえる。【P24】
4.○:精神保健上の問題が認められた場合には、社内の福利厚生担当者や産業医、さらには外部機関へのリファーを検討・実施する。【P24】
参考文献・資料
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目(PDF)
全国社会福祉協議会
キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)