第20回問46~問50の解き方

第20回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問46.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

 キャリアコンサルティングの普及活動に関するテーマ横断的な問題。正誤のアプローチ自体は比較的容易な問題でしたが、第15回問48と全く同じ内容でした。

1.○:キャリア教育と職業教育の基本的方向性の一つとして、学校は生涯にわたり社会人・職業人としてのキャリア形成を支援していく機能の充実を図ることがあげられている。【今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)P16:PDF

2.○:セルフ・キャリアドックの実施を通じ、企業としての人材活用目標と従業員一人ひとりのキャリア目標とを調整していくことで、企業の活力・生産性向上と従業員のキャリア充実を両立することにつながる。【「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開P4:PDF

3.×:目標管理面談は、対象従業員が現在担当している業務をいかに円滑に遂行するかという視点で行われるのに対して、 キャリアコンサルティング面談は、 対象従業員個人のライフキャリアの部分も含めたキャリアについて話し合うものであり、 両者は別ものである。 【「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開P31:PDF

4.○:社内ネットによるキャリア情報へのアクセスは、キャリアコンサルティングの普及活動に有効である。

問47.環境への働きかけの認識及び実践

 環境への働きかけや組織的な改善措置への関わりとして、不適切なものを選択することは容易な問題でした。また、選択肢2の「ジョブ・クラフティング」の意味についてはよく確認をしておきましょう。

1.×:課題があることを把握したのであれば、組織的な改善措置に、キャリアコンサルタントとして関わることは適切なことである。

2.○:環境への働きかけとして適切である。なお、ジョブ・クラフティングとは、働く人一人ひとりが、仕事に対する認知や行動を主体的に修正して、「やらされるもの」ではなく、「やりがいのあるもの」へと変容させる手法のことをいう。【参考サイト:日本の人事部

3.○:環境への働きかけ、組織的な改善措置への関わりとして適切である。

4.○:環境への働きかけ、組織的な改善措置への関わりとして適切である。

問48.ネットワークの認識及び実践

 こちらも、問47に続き、不適切な選択肢をピックアップすることは容易な問題でした。

1.○:輻輳(ふくそう)とは、様々な物事が一箇所に集中することをいう。

「生きにくさ」を感じている要支援者への支援にあたっては、様々な関係分野との連携や協働が必要になる場合がある。

2.○:人的なネットワークを棚卸しをすることの効果として適切である。

3.○:連携する関係者とは、日頃から信頼関係を気づいておくことは適切である。

4.×:リファー先が公的機関であっても、当然にキャリアコンサルタントとしての守秘義務がある。【キャリアコンサルタント倫理綱領第5条:PDF

問49.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

 常識的なアプローチで正答を導くことができる問題です。なお、本問は、第2回問48、第9回問48と全く同じ内容で3度目の出題でした。

1.×:資格取得はゴールではない。

2.○:謙虚な気持ちで、必要な知識やスキルの向上を図る。

3.×:自己研鑽では、面談スキルのみならず、経済動向、法律、専門領域の隣接分野などの学習も望まれる。

4.×:自己研鑽の意味からは離れた説明である。

問50.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

 本問は第11回問48と選択肢A、B、Cは同様で、Dのみ違いましたが、正答選択肢の選択は容易な問題でした。

正答:2(CとD)

A.×:自己の経験や自説を中心に相談者の支援を行うことは適切ではない。

B.×:一切関わらないという態度を明確にする、は不適切である。医師の診察、治療を要する場合や生命の危険がある場合には医療機関にリファーする。

C.○:キャリアコンサルタントもまた、一人のキャリア形成者である。

D.○:人事部門との協業を含めたネットワーク作りに取り組むことは適切である。

参考文献・資料

今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)(PDF)

「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開(PDF)

日本の人事部

キャリアコンサルタント倫理綱領(PDF)

全50問の目次