第21回問06~問10の解き方

第21回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問6.キャリアに関する理論

 キャリア理論家の特徴を問う横断的な問題でしたが、第16回問7と全く同じ問題でした。問5に続き、復活問題です。

1.○:スーパーの発達的アプローチに関する14の命題に記されている。「3.職業に就いている人に多様性が見られるように、個人も多様な職業に就く許容性を有している。」【渡辺先生P52】

2.×:人間の個人差と職業の職業差をうまく合致されることを良い職業選択であると考えたのは、マッチングの理論とも呼ばれ、職業指導の創始者とも呼ばれるパーソンズが有名である。【木村先生⑤P23、⑥P63】

なお、レビンソンといえば、成人期を四季にたとえた発達段階における「人生半ばの過渡期」をおさえておく。

キャリアコンサルティング理論と実際

木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際」は、学科試験出典ナンバー1のバイブルですので机上に是非ご用意のうえ、出題箇所を参照しましょう。2022年5月に6訂版が刊行されました。参照ページ数は5訂版を⑤、6訂版を⑥としています。

3.○:クランボルツは、職業選択行動は、学習の結果であって、過去に起こった出来事と将来起こるかも知れない出来事とを、結び付けて解釈した結果であるとした。【木村先生⑤P26、⑥P89】

4.○:ヒルトンの認知的不協和理論の内容である。意思決定は、外界からの入力と環境との不協和、それに対する耐性、及び再調整によって行われるとしている。【木村先生⑤P24、⑥P86】

問7.キャリアに関する理論

 ホランドの大問は、第12回以来の久々の出題となりましたが、第12回問9と全く同じ問題でした。もしも過去問をやっていなくても、仲間外れの選択は比較的容易で、獲得したい問題です。

なお、今回の「キャリアに関する理論」は4問中3問が文章もそのままの復活問題でしたので、過去問をやり込んでいた方にとっては、むしろ拍子抜けだったのではないでしょうか。このような試験傾向には、ヨコ解きが有効です。

1.○:「多くの人々のパーソナリティは、6つの類型に分けられる。」【木村先生⑤P30、⑥P67】

2.○:「われわれが生活する環境も、上記の6つに分けられる。」【木村先生⑤P30、⑥P67】

3.×:逆である。役割や能力を発揮し、かつ、自分にあった役割や課題を引き受けさせてくれる環境を探し求めている。【木村先生⑤P30、⑥P67】

4.○:「個人の行動は、パーソナリティと環境の特徴との相互作用により決定される。」【木村先生⑤P30、⑥P67】

ヨコ解きリンク

ホランドの大問は次の回で出題されています。第12回問9は本問と同様です。

第2回問6 第4回問7 第6回問9 第7回問9 第11回問6 第12回問9 

問8.カウンセリングに関する理論

 アメリカの精神科医バーンによって開発された交流分析に関する大問です。交流分析に関する大問(選択肢4つ分の問題)は、国家試験では第7回以来でした。

なお、出典はジル資料と思われますが、各分析の内容を理解していないと積極的な正答選択は出来ず、難しい問題でした。

1.○:交流分析は精神分析に由来する点も多く、「精神分析の口語訳」と言われることもある。【ジルP108】

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査

当サイトでは通称、ジルや、ジル資料と呼んでいますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT:ジルピーティー)で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。なお、PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

2.×:構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析を行った後に行う「脚本分析」は、本格的な心理療法であるとされる。【ジルP109】

3.×:構造分析では自我の状態を3 つに分類し、構造分析を通して、個人の中でどの自我状態が優勢であるかを明らかにする。【ジルP108】

なお、対人関係において自分のどの自我状態から相手のどの自我状態にメッセージを発しているかを明らかにする分析は、交流パターン分析である。【ジルP109】

4.×:脚本分析は、本格的な心理療法であるとされ、「脚本」は親の影響のもとで形成される、人生への反応様式を決定づけるものである。【ジルP109】

なお、不快感情と非生産的な結末をもたらす定型化した一連の裏面的交流である「ゲーム」を分析するのは、ゲーム分析である。

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交流分析の大問は、次の回で出題されています。

第7回問28 2級第18回問9 2級第20回問12 

問9.カウンセリングに関する理論

 自律訓練法のシュルツが試験初登場でしたが、他の選択肢は、これまでの頻出の内容のため不適切の判断がしやすく、正答率は意外に高かったのではないかと思われます。

心理療法の名称と提唱者、キーワードに関する出題は、これまでに出尽くされた感があり、拙著の総仕上げ問題集初版(P94~P97)にて、これまでに出題された人名やキーワードを、総ざらい確認することができます。お持ちの方はご活用ください。

シュルツは載っていませんが…(汗)

1.×:ロジャーズが仲間外れ。認知の歪みからは、認知療法のベックがあてはまる。【木村先生⑤P48、⑥P119】

2.×:「してもらったこと・してかえしたこと・迷惑をかけたこと」は吉本伊信の内観療法における3つのテーマである。

3.×:構成的グループ・エンカウンターは、國分康孝が創始した。【木村先生⑤P313、⑥P410】

4.○:自律訓練法は、自己暗示の練習によって段階的に全身の緊張を解いていく訓練法であり、1932年にドイツの精神科医シュルツによって体系化された。【e-ヘルスネット

問10.カウンセリングに関する理論

 選択肢レベルでの出題はあるものの、アサーションの大問は、国家試験では初めてです。ポイントを確認しておきましょう。

アサーションは自己表現の権利であり、相手の立場や権利を侵害することなく、自分の意見や感情や権利を自らが表現することである。

自他を尊重することを「アサーティブ」、自分の考えを表現しない、できないことを「ノンアサーティブ(非主張的)」、自分本位に他者を踏みにじるような言動をしてしまうことを、「アグレッシブ(攻撃的)」の3つのタイプに分けている。

ノンアサーティブ(非主張的)とアグレッシブ(攻撃的)では、相互の尊重や対等な関係には程遠い。

1.○:自他を尊重したアサーティブな言動である。

2.○:攻撃的(アグレッシブ)と非主張的(ノンアサーティブ)な自己表現は、アサーティブではない言動である。

3.○:攻撃的(アグレッシブ)な自己表現である。

4.×:アサーティブな自己表現をすれば相手の意見との葛藤が起こらなくなるわけではないが、自他を尊重する中での調和を図ったり、歩み寄ったり、柔軟な対応ができることがある。

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アサーションの大問は次の回で出題されています。

2級第19回問12

参考文献・資料

キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

e-ヘルスネット

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