第21回問21〜問25の解き方
第21回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問21.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
男女雇用機会均等法における間接差別は第18回問18で出題があります。根拠は下記の厚生労働書のあらましにありますが、判断のポイントについて解説します。
労働者の性別を理由として差別的に取扱うことを、雇用機会均等法では禁止しているが、その差別的な取扱いには、直接差別と間接差別がある。
間接差別とは、一見、性に中立な条件であったとしても、その条件を満たすのは、男女比率的に一方の性に偏っており、一方の性に不利に作用するような措置である。その条件に業務遂行上の合理性があるかどうかが評価の分かれ目となる。
1.○:例えば広域にわたり展開する支店などが無い場合やその計画もない場合、支店などがあったとしても、本人が転勤を希望した場合を除き、転居を伴う転勤の実態がほとんどない場合など、合理的な理由がない場合には、間接差別とされることがある。
2.×:表現に注意する。「一切」ではなく、個別に合理性の判断が行われる必要がある。
3.×:「一切」ではなく、その要件に合理的な理由があることを立証できなければ、性差別にあたると評価されることがある。
4.×:「すべて」ではなく、その要件に合理的な理由があることを立証できなければ、性差別にあたると評価されることがある。
問22.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
雇用保険二事業とは、雇用安定事業と能力開発事業があり、その財源は事業主の保険料のみで運営されています。雇用保険二事業については、選択肢レベルでの出題はありましたが、本格的な大問での出題は初めてです。
1.×:雇用保険二事業とは、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策により、失業等給付の給付減を目指しており、事業主の保険料が原資であり国庫負担はない。【厚生労働省:PDF】
2.×:雇用調整助成金は、事業主が労働者に休業手当等を支払う場合に、その一部を助成する制度である。【厚生労働省】
3.×:雇用調整助成金は、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由」により、「事業活動の縮小」 を余儀なくされた場合に、その雇用する対象労働者の雇用の維持を図るために、「労使間の協定」に 基づき「休業・教育訓練・出向」を実施する事業主が支給対象となる。【雇用調整助成金ガイドブックP3:PDF】
4.○:「休業・教育訓練・出向」を実施する事業主が支給対象となる。【雇用調整助成金ガイドブックP3:PDF】
問23.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
労働基準法に関して、幅広いテーマでの出題でした。大事な内容ばかりなので、知らなかったことはインプットしておきましょう。
1.×:従業員数による適用除外はなく、一部の例外を除き、日本国内で働くすべての労働者に原則適用される。
2.×:必ず記載しなければならないものを、絶対的必要記載事項といい、当該事業場で定めをする場合には記載しなければならないものを、相対的必要記載事項という。「安全及び衛生に関すること」、「職業訓練に関すること」は相対的必要記載事項に該当する。【厚生労働省:PDF】
3.×:労働基準法の基準を下回る部分だけ無効となり、下回る部分は労働基準法の基準まで引き上げられる。
4.○:いわゆる、みなし管理職に関する内容である。
「管理監督者」に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断する。【厚生労働省:PDF】
問24.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
介護保険制度に関する大問は意外と少なく、これまでは第13回問26くらいです。選択肢2から4の内容は厚生労働省の資料にコンパクトにまとめられています。介護と仕事の両立の内容も含め、この資料を一読しておくと安心です。
1.○:介護保険の基本的な考え方は、「自立支援」、「利用者本位」、「給付と負担の関係が明確な社会保険方式」の3点である。【厚生労働省:PDF】
2.×:要介護(要支援)状態が、老化に起因する疾病(特定疾病)による場合には、第2号被保険者(40歳から64歳の方)も受給することができる。
3.○:第1号被保険者(65歳以上の方)の受給要件は、要介護状態と要支援状態である。
4.○:介護保険の財源は、公費5割、保険料5割である。また、介護保険の保険者は市町村と特別区(広域連合を設置している場合は広域連合)である。
問25.学校教育制度及びキャリア教育の知識
学校基本調査からの出題は定期的にあります。数ページの資料ですから、移動時間などに目を通しておきましょう。
意外に思うデータがあるかもしれません。そうしたものはよくインプットしておきましょう。そうしたデータが狙われる傾向があります。
1.○:大学学部の女子学生は、119万7千人で、前年度より3千人増加し、過去最多。【P2】
2.○:特別支援学校は、14万6千人で、前年度より1千5百人増加し過去最多。【P1
3.×:大学全体の在学者数は、291万8千人で、そのうち学部は262万6千人で過去最多である。【P2】
4.○:小学校は、622万3千人で、前年度より7万7千人減少し過去最少。
参考文献・資料
男女雇用機会均等法のあらまし(PDF)
厚生労働省
雇用調整助成金ハンドブック(PDF)
介護保険制度について(PDF)
令和3年度学校基本調査(確定値)(PDF)
パワーハラスメント防止のための指針(PDF)