第21回問41~問45の解き方

第21回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問41.仕事の理解の支援

 2020年に誕生した、職業情報提供サイト(日本版O-NET、愛称jobtag)に関する問題。こちらの問題は難しいといいますか、なんと言いますか…(汗)そこ聞く?というレベルの選択肢もあり、初見では解けなくてやむを得ない、捨て問題の位置づけです。

そして、気になるのは「このサイトで出来ること、わかること」系の問いかけは定期的に出題がある点で、主要なサイトは実際に見て、体験をしておくことが出来る対策と言えるでしょう。

職業情報提供サイト以外の雇用関連の主要な公的サイト

ハローワークインターネットサービス
マイジョブ・カード
職場情報総合サイト(しょくばらぼ)

本文の出題内容の出典は下記のページです。

職業情報提供サイト(支援者としての利用)

1.×:学力検査ではなく、職業興味検査・価値観検査・簡易版職業テスト(Gテスト)を実施することができ、支援対象者にあった職業が提示される。

2.×:職歴や説明を見ながら「しごと能力プロフィール」をまとめることができる。選択肢では「しごと経験プロフィール」となっており、「経験」と「能力」の違いを正誤のポイントにするのは、それを問う意味があるのかと…。

3.×:労働法について基本的な内容を解説している資料(当サイトでも時折紹介している「知って役立つ労働法:PDF」へのリンクや「地域別最低賃金の全国一覧」へのリンクはあるが、違法行為や犯罪例に関するリンクや情報提供は存在しない。

4.○:人材募集・採用までの流れを説明し、整理すべきポイントを書き込んでまとめることができる、求人を受け付ける際のツールとしても活用でき、その際のガイドも用意されている。【求人ガイド:PDF

ヨコ解きリンク

職業情報提供サイトに関する大問は、次の回で出題されています。

第17回問42 第21回問41

2級第27回問40 2級第28回問40

問42.仕事の理解の支援

 トライアル雇用に関する大問は、3回目の出題です。概要を厚生労働省のサイトで確認しておきましょう。

トライアル雇用(厚生労働省)

1.○:トライアル雇用の内容として適切である。

2.○:職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3か月間試行雇用する制度である。

3.○:労働者と企業がお互いを理解した上で無期雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことにつながる。

4.×:トライアル雇用開始日から2週間以内に、対象者を紹介したハローワークに実施計画書を提出する必要がある。【厚生労働省:PDF

ヨコ解きリンク

トライアル雇用に関する大問は、次の回で出題されています。

第9回問42 第17回問43

問43.方策の実行の支援

 目標設定に関する基礎的な内容が問われています。支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

1.○:目標設定は、クライエントの考えを方向づけ、行動するのを援助する。また、カウンセリングの進展を客観的に評価するのに役立つ。【木村先生⑤P286、⑥P379】

2.×:逆である。社会一般の価値観ではなく、クライエントの価値観に合致した目標であることが望ましい。

3.○:目標は、明確に宣言され、かつ到達可能であるとき、人を最も動機づける。【木村先生⑤P286、⑥P379】

4.○:目標は具体的なターゲットとして表現することが望ましい。【木村先生⑤P288、⑥P381】

問44.方策の実行の支援

 選択肢文章の読み取り、解釈がやや難しい内容もありますが、こちらも支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

1.○:キャリアコンサルタントの相談者への支援の方策として適切である。

2.○:相談者自身による、変化のセルフチェックへの支援が必要な場合もある。

3.×:不適切な行動を除去したり、適切な行動を学習したりすることの支援は、行動的アプローチの考え方だが、不適切な行動が起こる状況や環境に直接介入するのは適切ではない。【木村先生⑤P48、⑥P120】

4. ○:時に技法を伝えることもあり、キャリアコンサルタントの相談者への支援の方策として適切である。

問45.相談過程の総括

 カウンセリングの評価の基準(視点)に関する基礎的な問題です。選択肢の表現に気をつけましょう。

1.×:カウンセラーによる自分自身の成果の評価は、カウンセラーとしての専門性を高める重要な機会である。【木村先生⑤P304、⑥P400】

2.×:クライエントの受け止め方、どう感じているかなども、評価の基準となる。【木村先生⑤P304、⑥P400】

3.○:スーパーバイザーなどの第三者による、クライエントの了解を得た上での録音や逐語録によるスーパーバイズや、ケース会議での助言を求める。【木村先生⑤P305、⑥P401】

4.×:「のみ」の表現には注意する。評価の基準はカウンセラー自身、クライエントの受け止め方、スーパーバイザーなど第三者の三者の基準がある。【木村先生⑤P304、⑥P400】

参考文献・資料

職業情報提供サイト(支援者としての利用)

厚生労働省

キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)

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全50問の目次