第22回問11~問15の解き方

第22回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 条文での明確な規定のない選択肢が多く、特に選択肢3と4は、正誤判断の難しい問題でした。初見では獲得できなくもやむを得ないですが、解答の根拠については条文や制度を元に管理人が推定しています。ご了承ください。

正答:4

1.○:第四条で関係者の責務として、事業主、国及び都道府県の責務が規定されている。【職業能力開発促進法第4条

2.○:第二条の労働者の定義である。求職者も含まれる。【職業能力開発促進法第二条

3.○:「学校教育の修了者を対象として」という文言は条文の中では見当たらないものの、第三条の二において、職業訓練は、学校教育法による学校教育との重複を避け、かつ、これとの密接な関連の下に行われなければならないとしている。【職業能力開発促進法第三条の二

解釈が難しいが、重複を避けるという点で、学校教育の修了者と解釈できなくはない。また、職業能力開発促進法施行規則では、普通職業訓練や高度職業訓練の対象者として、中学校を卒業した者や高等学校を卒業したものとしている規程もある。【職業能力開発促進法施行規則第十条

4.×:こちらも条文での明確な規定がないが、必ずしも「現に求職をしていて、ハローワークに求職の申込みをしている者」に限定されない。

例えば、職業能力開発促進法に基づき行われる学卒者訓練は、中学や高校卒業者を対象としており、その場合には、必ずしも失業状態であるとはいえない。

問12.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 男女共同参画白書は令和4年6月に「令和4年版」が公表されているのですが、「令和元年版」と3世代前のものが出題されました。

これは、令和元年版の特集編のテーマが「多様な選択を可能にする学びの充実」であったためと思われます。その辺りは資料対策の難しい点ですが、知識と肌感覚でアプローチをしていきましょう。

 令和元年版男女共同参画白書

正答:1

1.○:現在の仕事に必要な知識・技能は、男女共に約8割の人が、仕事をする中で身に付けたとしており、勤め先において得られる学びが果たす役割が大きいことがうかがわれる。【P44】

2.×:社会人になった後も、学校(大学,大学院,短期大学,専門学校など)で学んだことがある(学んでいる)人は19.3%、(学習したことはないが)今後は学習してみたいという人は17.0%となっている。【P56】

3.×:社会人が大学等において教育を受ける割合について、OECD諸国と比較してみると、最も低い水準にとどまっている。【P56】

4.×:仕事のための学びに必要なことについて見ると、女性は「経済的な支援があること」が最も多く、次いで30代は「家事・育児・介護などにかかる負担が少なくなること」、それ以外の世代は「仕事にかかる負担が少なくなること」となっている。【P56】

問13.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 教育訓練給付金については前回も出題されていますが、今回の問題は、第17回問15と全く同じ問題でした。やっておいた方はスムーズだったでしょう。

教育訓練給付金については、ハローワークインターネットサービスに情報が集約されていますので、要点を確認しておきましょう。

ハローワークインターネットサービス

正答:3

1.×:ハローワークインターネットサービスからも検索できる。 【訓練検索・一覧

2.×:一般教育訓練給付金の支給額は、教育訓練経費の20%に相当する額であり、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されない。

3.○:一般教育訓練給付金においては、受講開始前1年以内にキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用を教育訓練経費に加えることができる。

4.×:一般教育訓練給付金の支給申請は、教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1ヶ月以内に手続きを行わなければならない。

問14.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 問11に続いて、職業能力開発促進法に関する出題でしたが、こちらは第10回問16と全く同じ問題でした。事業主が講じる措置について、知らなかったものはよく確認をしておきましょう。

正答:4

1.○:有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇、再就職準備休暇その他の休暇を付与すること。【職業能力開発促進法第10条の4

2.○:教育訓練又は職業能力検定を受ける時間を確保するために必要な措置を講ずること。【職業能力開発促進法第10条の4

3.○:職業能力の開発及び向上を図ることができるようにするために、労働者の配置その他の雇用管理について配慮すること。【職業能力開発促進法第10条の3

4.×:このような規定はない。

問15.企業におけるキャリア形成支援の知識

 目標管理制度に関する出題はこれまでにはあまりなく、大問では、2級第26回問14で出題され、今回と似た選択肢も出題されています。

各自の職場での経験、肌感覚により解いた人が多いかもしれませんが、主要な参考書には記載もありませんので、参考サイトを紹介します。

目標管理制度(Management by Objectives:MBO)とは、組織マネジメントのため、個別またはグループごとに目標を設定し、その達成具合で決める制度である。【参考サイト:HRpro

正答:3

1.×:目標管理制度は、人事考課制度に活用されることもあるが、企業経営のための管理システムの一つである。

2.×:上司のよって命ぜられるよりは、全体の目標、部署の目標などとリンクさせた労働者個人の目標を、上司らと相談しながら、個人が設定する方が望ましい。

3.○:会社の目標と自分の使命を関連付けて目標設定を行うことが望ましく、労働者の貢献を組織共通の目標に向けることは適切である。

4.×:達成度は客観的に把握できるものとそうでないものがあり、そうした主観的なものについては、上司の面接で確認することも有効である。

参考文献・資料

職業能力開発促進法

令和元年版男女共同参画白書(PDF)

ハローワークインターネットサービス

HRpro

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