第22回問41~問45の解き方
第22回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問41.仕事の理解の支援

2020年に誕生した、職業情報提供サイト(日本版O-NET、愛称jobtag)に関する問題。前回に続いての出題で、今後も頻出項目になると予想しています。前回はそこ聞く?という不思議な問題でしたが、今回は答えやすい問題でした。
職業情報提供サイトは、実務的にもクライエントの職業理解に役立つサイトですから、サイトを是非体験してみてください。
正答:1
1.×:企業での利用も想定されている。企業の中で活用できる機能・情報として、職業情報だけではなく、求人要件を明確化したり、社員に不足する能力を確認したり、タスクを整理したりできる機能がある。【企業での利用】
2.○:トップページの職業を調べよう!のとおりである。「いろいろな切り口から検索」では「BtoC~個人と企業間で行われる仕事」などの切り口でも職業を調べることができる。
3.○:各職業詳細では、仕事の説明や動画、学歴のほか、入職前の実務経験や労働条件の特徴、しごと能力プロフィールなどが示される。例えば、キャリアコンサルタントの職業詳細を紹介する。【キャリアコンサルタント】
4.○:強みとなるスキル・知識、または不足しているスキル・知識から、マッチする職業を検索できる。【スキル・知識で検索】
問42.仕事の理解の支援

従来の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」は令和4年に改正され、タイトルも下記のように変更されました。今回の出題内容は改訂に関する部分ではありませんでしたが、下記の資料は一読しておきましょう。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
正答:1
1.○:また、万一の災害補償の確保に関しても、大学等と事前に十分協議し、責任範囲を明確にした上で、それぞれの責任範囲における補償の確保を図ることが重要である。【P6】
2.×:インターンシップは、人材確保のための試みではない。
当該取組は、 社会・地域・産業界等の要請を踏まえ、将来の社会・地域・産業界等を支える人材を産学連携による人材育成の観点から推進するものであり、自社の人材確保にとらわれない広い見地からの取組が必要である。【P5】
3.×:インターンシップは、学生に対する職業訓練ではない。
インターンシップを始めとしたキャリア形成支援に係る取組 は、企業等の場における学生に対する教育活動であり、十分な教育効果をあげるためには、企業等における実施体制の整備が必要である。【P6】
4.×:保護者ではない。
実際の プログラム の目的・方法を明確化するとともに、大学等と連携しながら効果的なプログラムを開発することが重要である。【P6】
問43.方策の実行の支援

目標設定に関する基礎的な内容が問われています。支援の基本姿勢からアプローチしましょう。
正答:1
1.○:具体的で小さなステップごとにカウンセリングを進めることによって、クライエントは早い段階から成功感を味わうことができる。【木村先生⑤P288、⑥P381】
2.×:クライエントを援助できるか自問し、ふさわしくないときは、他の適当な機関やカウンセラーへリファーすべきである。【木村先生⑤P289、⑥P381】
3.×:即座に目標を変更するのは適切ではない。クライエントがあまり気が進まないようであればそれはなぜかを探る。【木村先生⑤P289、⑥P381】
4.×:契約書は必ず必要なのではなく、はっきりしない、意志が弱い、努力を続けるのが困難な人など必要な場合に行えばよい。【木村先生⑤P289、⑥P382】
問44.新たな仕事への適応の支援

目標達成度(内定後)のフォローアップという切り口での出題は珍しいです。支援の基本姿勢やコミュニケーションの点で適切なものを見いだし、もしくは不適切なものを洗い出していきましょう。
正答:3
1.×:労働条件についてどのように捉えているのかを確認する。大丈夫と決めつけるのは不適切である。
2.×:どのような不安があるのかをよく確認する。何でも従うことが大切であるというのは不適切である。
3.○:支援の基本姿勢として適切である。
4.×:仕事が合わないと感じることについてよく確認する。働き続けることが重要であるとは限らず不適切である。
問45.相談過程の総括

面談終結時の締めくくりや、フォローアップに関する出題です。木村先生の著書からの出題がこれまでは多いのですが、著書にはない、クライエントの主体的な行動、主導権を持った行動を促すという視点は珍しい内容でした。
正答:2
1.○:クライエントとカウンセラーが、目標に照らしてどこまで到達したか、成果を評価する。【木村先生⑤P302、⑥P397】
2.×:終結による喪失感がどのようなものなのか、確認する必要があるが、延々とカウンセリング関係が続いてしまうことは避けるべきである。【木村先生⑤P304、⑥P399】
3.○:面談終結の際のフォローアップとして適切である。
4.○:面談終結の際のフォローアップとして適切である。
参考文献・資料
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(PDF)
厚生労働省
キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)