第22回問46~問50の解き方
第22回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問46.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

自律した個人と組織の関係に着目して、適切なものを選択しましょう。なお、本問は第8回問47と全く同じ問題でした。
正答:4
1.×:組織主体ではない。
労働者のキャリア形成に関する主な法律である、職業能力開発促進法では、労働者は自ら職業生活設計を行い、これに即して自発的に職業能力開発に努める立場にあることが規定されている。【職業能力開発促進法第三条】
2.×:大学におけるキャリア教育は、就職活動を支援することを主たる目的としているわけではない。
3.×:社会的ニーズをあえて考慮に入れず、は適切とは言えない。
4.○:企業内におけるキャリア形成において、自己ニーズと企業組織のニーズを統合させることは適切である。
シャインの組織と個人の相互作用の考え方やホールのプロティアンキャリアをイメージすると良いだろう。
問47.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

教育並びに普及活動に関して、復活問題が2問続きました。本問は第10回問47とほぼ同じ問題でした(選択肢Bのみ変更)。
正答:1(AとB)
A.○:従業員のつながりをつくる活動を提案することは、ストレス予防のために適切である。
B.○:キャリア形成支援は、節目・イベントベースだけではなく、継続的に行うことは適切である。
C.×:キャリア形成は中高年齢者にも当然適用される。
D.×:現場管理者だけでなく、経営者のコミットメントも必要である。
問48.環境への働きかけの認識及び実践
相談者個人に対する支援だけでは解決できない環境の問題点の発見や指摘、環境への介入や働きかけに関するケーススタディです。みなさんの職場なども想像しながら検討をしてみましょう。
正答:2
1.○:部下の健康管理のため、管理職のメンタルヘルスの知識を高めることは有効であり、適切である。
2.×:社内報によるキャリアコンサルティングの普及啓蒙は、企業領域のキャリアコンサルタントにとって、大事な活動である。
3.○:教育部門との協働内容として適切である。
4.○:面談を重ねた結果、本人の了解を得たうえで、環境への介入を行うことは適切である。
問49.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識
問3に続き「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」からの出題です。全11ページの資料です。これは読んでおきましょう。
働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書
正答:4
1.×:デジタル技術、ITスキルを積極的に活用したキャリアコンサルティングが急速に一般化した中で、キャリアコンサルタントもそれらを習得する必要がある。【P9】
2.×:特定の活動領域だけに絞り込んで深化させるだけでなく、活動領域ごとの役割に応じた専門性を高めること、個人の強みとして専門領域へ踏み出すこと及び近接領域の専門家・専門機関へのリファーする力が求められる。【P6】
「だけ」のOnly表現には注意する。
3.×:個人のキャリア開発と成長目標の達成を組織活性化に繋げること等、労使双方の支援を念頭に置いた活動に必要な能力が求められる。【P8】
4.○:相談内容の高度化・複雑化への的確な対応や、期待される役割の広がりに対応できるよう、自律的・持続的な学びの行動と、資格取得に留まらない実践力の習得等、常にキャリア形成支援の質の向上に取り組む必要がある。【P6】
問50.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

「事例検討」については2級技能検定では度々用語として登場しているのですが、国家試験では意外にも初めてでした。ケースカンファレンスと言った方が馴染みのある方もいるかもしれませんが、スーパービジョンとの意味の違いが問われました。
正答:3
1.×:技能講習は30時間以上(知識講習は8時間以上)であり、計画的・段階的な受講が必要である。【厚生労働省】
なお、1年の間に集中は、実際に時間的、労力的、講座の予約確保的にも厳しい。
2.×:「受講するだけ」は不適切である。学びと実践をバランスよく行うことが大切である。
3.○:問1、問49の報告書でも言及されているように、ネットワークの重要性の認識、ネットワークの形成が必要である。そのために多職種連携に関する知識も必要となる。
4.×:事例検討会とは、特定のテーマや実際に起こった事例について、問題点や課題を共有し、解決策等を模索する会議のことであり、参加者や発言者は複数いることが一般的である。
それに対してスーパービジョンは、スーパーバイジー(指導を受ける人)が、具体的な面談内容などについて、スーパーバイザー(指導をする人)から教育や指導を受けたり、気づきを得たりする機会のことである。複数人で行う、グループスーパービジョンもあるが、スーパーバイザーとスーパーバイジーは一対一で行うことが多い。
参考文献・資料
職業能力開発促進法
働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書(PDF)
厚生労働省