第24回問21〜問25の解き方

第24回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問21.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【B】若者雇用促進法に関しては選択肢レベルでは何度か出題はあるものの、大問単位での出題は、国家試験、2級を通じて初めてです。

正答:2

1.×:青少年雇用基本方針における「青少年」は35歳未満の者をいう。ただし、個々の施策・事業の運用状況等に応じて、おおむね「45歳未満」の者についても、その対象とすることは妨げないものとする。【青少年雇用対策基本方針P3:PDF

2.○:職場情報の積極的な提供を行うことが義務付けられている。

職場情報については、新卒者の募集を行う企業に対し、企業規模を問わず、(ⅰ)幅広い情報提供を努力義務化、(ⅱ)応募者等から求めがあった場合は、以下の3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務としている。

(ア)募集・採用に関する状況
(イ)職業能力の開発・向上に関する状況
(ウ)企業における雇用管理に関する状況

【若者雇用促進法:PDF

3.×:ハローワークにおいて、一定の労働関係法令違反があった事業所を新卒者などに紹介することのないよう、こうした事業所の新卒求人を一定期間受け付けない仕組みを創設した。

なお、職業安定法の改正により、令和2年3月30日以降は新卒求人に限らず「全ての求人」で、一定の労働関係法令違反の求人者からの求人を受理しないことが可能となった。【若者雇用促進法:PDF

4.×:地域若者サポートステーションは廃止されておらず、全ての都道府県に設置されている。【厚生労働省

地域若者サポートステーション(通称サポステ)は、働くことに悩みを抱えている15~49歳までの人を対象に、「身近に相談できる機関」として、就労に向けた支援を行う機関である。全ての都道府県(177箇所)に設置している。

対象年齢は、上記選択肢1で触れた、35歳でも45歳でもなく、「49歳」までという点には注意する。

問22.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【C】労働条件の「不利益変更」に関する本格的な出題は初めてです。選択肢1の「当然に」や選択肢2の「必ず」は気になる表現で、選択肢4は「労働協約に基づき」が正誤のポイントでした。消去法で導けるかもしれませんが、難問と位置づけています。

正答:3

1.×:「当然に」に注意する。

労働契約法では、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分について無効とされ、無効となった部分は就業規則の定める基準によるとされている。【厚生労働省:PDF

2.×:「必ず」に注意する。労働組合の合意のみが、不利益変更の合理性の推認(推測し認めること)の根拠となるわけではない。

就業規則の不利益変更の合理的理由は個々に具体的に判断されるべきだが、合理性の判断基準には次のものがある。
①労働組合又は従業員の大部分の合意の有無
②不利益の程度
③変更の必要性の有無
④代償措置・経過措置の有無など
【厚生労働省:PDF

3.○:就業規則の一方的な不利益変更は原則として許されないが、合理的な理由が認められれば不利益変更であっても、就業規則は有効である。【厚生労働省:PDF

4.×:不利益変更は、従業員ごとに個別の同意を得て行うことが原則だが、例外として、就業規則を変更することによるものや、労働組合との間で労働協約を締結することによる場合には、個別の同意を得ずに不利益変更を行うことができる。【参考サイト:企業法務の法律相談サービス

問23.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【A】障害者への合理的配慮に関する大問は、第6回問14や、第18回問33で出題されていますが、「差別に該当するか否か」については、初めての出題でした。

 障害者差別禁止指針

正答:4(AとD)

正誤判断のポイント:障害者ではない者との間に、不当な差別的取扱いをしてはならないことを念頭に判断しましょう。

A.○:合理的配慮を提供し、その結果として、障害者ではない者と異なる取扱いをすることは、障害者であることを理由とする差別に該当しない。【P8】

B.×:降格に当たって、「障害者に対してのみ不利な条件」を付すことは、差別に該当する。【P4】

C.×:解雇の対象を一定の条件に該当する者とする場合において、「障害者に対してのみ不利な条件」を付すことは、差別に該当する。【P7】

D.○:積極的差別是正措置として、障害者でない者と比較して障害者を有利に取り扱うことは、障害者であることを理由とする差別に該当しない。【P8】

問24.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【B】育児・介護休業法の昨年から今年にかけての改正の内容でしたが、出生児育児休業の創設や育児休業等の取得状況の公表義務は、第24回対策総仕上げ模試にて出題していたので、少しはお役に立てたのではないかとホッとしています。

 育児・介護休業法改正ポイントのご案内

正答:3

1.○:出生時育児休業(産後パパ育休)は、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能である(令和4年10月施行)。【P1】

なお、子が養子等の場合、出産をしていないため産後休業の対象にならない場合に、女性も産後パパ育休(出生時育児休業)の対象となる。そのため、女性でも取得は可能である。【厚生労働省:PDF

2.○:育児休業も出生時育児休業も、分割して2回まで取得することができる(令和4年10月施行)。【P2】

3.×:子の看護休暇・介護休暇は、時間単位で取得できる。【厚生労働省:PDF

4.○:従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられた(令和5年4月施行)。【P4】

問25.学校教育制度及びキャリア教育の知識

【A】高等学校の学校教育関係者以外の方には馴染みが無い資料であり、労力や時間に対する効果の面でも、深追いはしてはいけない資料です。
選択肢1はよく見てみると、ガイダンスとカウンセリングの用語の使い方が逆です。

特にマークしていない資料からの出題の場合には、このようなトラップが無いかどうか、落ち着いて見極めましょう。また、選択肢2~4は、それらしい内容が記載されており、積極的に不適切にしづらい内容でした。

 高等学校学習指導要領解説特別活動編

正答:1

1.×:用語の使い方として、ガイダンスとカウンセリングが逆である。

主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングにより、生徒の発達を支援すること。【P62】

2.○:適切である。

生徒が、自己の存在感を実感しながら、よりよい人間関係を形成し、有意義で充実した学校生活を送る中で、現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう、生徒理解を深め、学習指導と関連付けながら、生徒指導の充実を図ること。【P34】

3.○:適切である。

自主的、実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして、主体的に集団や社会に参画し、生活及び人間関係をよりよく形成するとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を深め、自己実現を図ろうとする態度を養う。【P18】

4.○:適切である。

学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃からホームルーム経営の充実を図ること。【P25】

参考文献・資料

青少年雇用対策基本方針(PDF)

若者雇用促進法(PDF)

厚生労働省

企業法務の法律相談サービス

障害者差別禁止指針(PDF)

育児・介護休業法改正ポイントのご案内(PDF)

高等学校学習指導要領解説特別活動編(PDF)

 

問26~問30へ進む

全50問の目次