【技能検定】第28回問06~問10の解き方

第28回キャリアコンサルティング技能検定学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問6.キャリアに関する理論

 マクレガーの動機づけ理論(X理論、Y理論)は有名ですが、意外にも初めての出題でした。消去法もしくは積極的に4のスーパーを選びましょう。

1.×:これはホールではなく、キャリア研究や職業指導の父と呼ばれた、パーソンズの内容である。パーソンズは特性因子理論の礎を築いた。【ジルP13】

2.×:主要参考書には記述はないが、これは動機づけ理論のマクレガーが提唱するY理論の内容である。「強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「条件次第で、自ら進んで働く」Y理論とがある。イメージとして、エックス理論はバツ(罰)理論、ワイ理論はYes理論と覚えると良い。

3.×:これはホランドのRIASEC(リアセック)である。ジェラットは積極的不確実性で知られる。【ジルP25】

4.○:出典は不明だが、文章は、スーパーのライフ・ロールや、ライフ・キャリア・レインボーの内容である。

問7.キャリアに関する理論

 バンデューラについて、初見では答えづらい問題でしたが、本問は2級第22回問6と同様の問題でしたので、過去問をやっていた人は出来たでしょう。

1.×:自己効力感は、他者に与える印象ではなく、自分自身による自己能力の主観的評価である。【二村先生P46】

二村英幸先生の著書には、職業選択のプロセスに注目する中で動機づけ理論に詳しく言及しています。確かに、人のやる気を引き出すことが、個と組織を活かす、キャリア発達に繋がります。試験対策上マストではありませんが、良書です。

改訂増補版個と組織を活かすキャリア発達の心理学

2.×:失敗する可能性の見積もりをすることは、自己効力には繋がらないだろう。

3.○:遂行行動の達成などの積み重ねが自己効力感に繋がる。なお自己効力感は、遂行行動の達成のほか、代理経験、言語的説得、情動喚起の4つの情報源に基づいている。【渡辺先生P136】

4.×:報酬や罰も動機づけ過程に影響するが、自己効力感の定義としてはふさわしくない。【渡辺先生P135】

問8.カウンセリングに関する理論

 構成的グループ・エンカウンターのインストラクションの留意事項の問題です。グループワークでは各自の権利を守ることも大切です。

1.○:インストラクションの内容として適切である。【木村先生⑤P315、⑥P413】

2.×:エクササイズをパスする権利はあり、インストラクションでそれを伝える必要がある。

3.○:インストラクションでデモンストレーションを行うこともある。【木村先生⑤P316⑥P413】

4.○:ねらいや目的を明確に説明する。【木村先生⑤P316⑥P413】

問9.カウンセリングに関する理論

 来談者中心療法の関する基本的な問題です。不適切な選択肢を見つけるのは容易な問題でした。

1.×:非合理的な信念を現実的で論理的な信念に変えることを目指すのは、エリスの論理療法である。【木村先生⑤P46、⑥P118】

2.○:ロジャーズによって提唱された来談者中心カウンセリングの3つの条件は、キャリアカウンセリングの基本的態度である。【木村先生⑤P227、⑥P110】

3.○:クライエントの自己概念と経験が一致する方向へ援助するのが、カウンセリングの役割である。【木村先生⑤P43、⑥P116】

4.○:人が生まれ持っている実現傾向を引き出すことが、来談者中心療法のアプローチである。

問10.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 第28回では2問目となる、能力開発基本調査からの出題です。

 令和2年度能力開発基本調査

1.×:これは、正社員以外の最多である。正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ」である。【P38】

2.○:「すべての事業所において作成している」企業は15.2%、「いずれの事業所においても作成していない」企業は77.3%で圧倒的に多い。【P6】

3.×:OFF-JTまたは自己啓発支援に支出した企業は50.0%である。【P1】

4.×:教育訓練休暇制度を「導入している」企業は8.9%、「導入していないし、導入する予定はない」企業は82.2%と多数を占める。

参考文献・資料

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

改訂増補版個と組織を活かすキャリア発達の心理学二村英幸著(金子書房2015年)

新版キャリアの心理学渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

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