【技能検定】第29回問21~問25の解き方
第29回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問21.学校教育制度及びキャリア教育の知識
両試験で頻出となっているキャリア・パスポート。間違い探しは比較的容易で、正解選択肢の判断も行いやすい問題でした。
1.○:キャリア・パスポートの内容として適切である。
2.×:これはジョブ・カード制度の内容である。ジョブ・カードは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールである。 【マイジョブ・カード】
3.×:これはキャリア・インサイトの内容である。
キャリア・インサイトは、利用者自身がコンピュータを使いながら、職業選択に役立つ適性評価、適性に合致した職業リストの参照、職業情報の検索、キャリアプランニングなどを実施できる総合的なキャリアガイダンスシステムである。【労働政策研究・研修機構】
4.×:9種の適性能を測定といえば、厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)のことである。
GATBは、9つの「適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ」を測定する。【労働政策研究・研修機構】
問22.学校教育制度及びキャリア教育の知識
逆にこちらは法律公布の年号が問われた難しい捨て問題です。教育基本法の改正年を知らない場合には、初見では答えられなくてもやむを得ないでしょう。
なお、国民教育法という法律は存在しません。また、教育基本法は2006年(平成18年)に公布後初めて改正されました。
正答:2 A:教育基本法、 B:2006(平成18)年 C:1947(昭和22)年
(A:教育基本法)は、教育の根本的な理念や原則を定めている。教育をめぐる環境が大きく変化したことに伴い、(B:2006(平成18)年)12 月に、公布後はじめて改正された。
一方、学校教育法は、( A:教育基本法 )に基づき学校教育制度に関する基本を定めた法律である。戦後の教育改革において 6・3・3・4 制の新学校体系が採用され、その基本規定として、(C:1947年(昭和22年)) に(A:教育基本法)とともに公布された。
問23.メンタルヘルスに関する知識
気分障害と不安障害の内容については、これまでに両試験であまり出題されたことなく、初見では獲得できなくてもやむを得ない、捨て問題に位置づけていますが、今後の出題に備え、気分障害と不安障害の内容と病名を確認しておきましょう。
気分障害と不安障害
気分障害は、悲しみで過度に気持ちがふさぎこんだり、反対に喜びで過度に気持ちが高揚する、またはその両方を示すような障害のことをいい、双極性障害やうつ病がある。
不安障害は、様々な出来事や活動に対して、過剰な不安や心配を持つようになる症状であり、パニック障害や強迫性障害がある。
1.×:双極性障害は、ある期間でうつ状態と躁状態が交互に繰り返される気分障害のことであり、以前は躁うつ病と呼ばれていた。【e-ヘルスネット】
2.○:パニック障害は、不安障害の一類型である。
3.×:強迫性障害は、不安障害の一類型である。
4.×:統合失調症は、気分障害の重症例ではない。
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気であり、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状がある。陽性症状の典型は、幻覚と妄想であり、陰性症状は意欲の低下や、感情表現が少なくなることがあげられる。【みんなのメンタルヘルス】
なお、統合失調症と気分障害(うつ病または双極性障害)の両方の症状があらわれる疾患を、統合失調感情障害という。【参考サイト:MSDマニュアル】
問24.メンタルヘルスに関する知識
アルコール使用障害に関する問題で、両試験であまり出題が無かった内容です。正誤判断の難しい選択肢もありましたが、アルコール使用障害により、幻覚はある、治療法は特に断酒とおさえておきましょう。
1.○:長期間かつ大量のアルコール摂取により、幻聴や被害妄想などを生じる精神障害をアルコール幻覚症という。【e-ヘルスネット】
2.×:アルコール依存症と、うつ病との合併の頻度は高い。【e-ヘルスネット】
3.×:アルコール依存症は「否認の病」ともいわれ、本人は自分が病気であることを認めたがらない傾向にあり、適切な相談や治療につながりにくいという問題がある。【厚生労働省】
4.×:アルコール依存症から回復するための最もよい方法は、一言でいうと「断酒」することである。軽度の依存症者や中間的な目標として「減酒」が目標とされることもあるが、断酒が最も安全で確実な方法である。【e-ヘルスネット】
問25.メンタルヘルスに関する知識
「ハラスメント」に関する基礎的な知識を確認する問題です。次の厚生労働省のサイトに要点がまとめられています。移動時間などに確認しましょう。
職場におけるパワーハラスメントは、以下の①~③の要素を全て満たすものをいう。
①「優越的な関係を背景とした」言動
②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動
③「就業環境が害される」
客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については該当しない。
1.○:・同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難である場合についても、「優越的な関係を背景とした」言動になりうる。【厚生労働省リーフレットP3:PDF】
2.×:セクシュアル・ハラスメントが原因で精神障害を発病した場合は、労災保険の対象となる。【厚生労働省:PDF】
3.○:「男らしい」「女らしい」など、固定的な性別役割分担意識に基づいた言動は、セクシュアルハラスメントの原因や背景になる可能性がある。【あかるい職場応援団(厚生労働省)】
4.○:このような場合には、業務上の必要性に基づく言動となり、ハラスメントに該当しない。【あかるい職場応援団(厚生労働省)】
参考文献・資料
労働政策研究・研修機構
教育基本法
学校教育法
e-ヘルスネット
MSDマニュアル
厚生労働省