【技能検定】第29回問31~問35の解き方

第29回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問31.個人の多様な特性の知識

 選択肢1以外は、2級第25回問31と同じ問題でしたが、治療と仕事の両立支援ガイドラインは、両試験で頻出トピックになっています。特にガイドラインの3ページの留意事項や4ページからの環境整備については一読しておきましょう。

 治療と仕事の両立支援ガイドライン

1.×:これらは、休業開始前に行う。【P8】

2.×:治療と仕事の両立支援は、私傷病である疾病に関わるものであることから、労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことが基本となる。【P3】

3.×:一律に定めることは適切でない。当ガイドラインの中にも、主な疾病別に留意事項が記されている。【P22以降】

4.○:労働基準法に基づく年次有給休暇は、1日単位で与えることが原則であるが、労使協定を結べば、1時間単位で与えることが可能(上限は1年で5日分まで)。【P5】

問32.カウンセリングの技能

 傾聴の基本、支援の基本姿勢に照らして、不適切なものを消去しましょう。

1.×:「わかったつもりになる」は不適切である。

2.×:キャリアコンサルタントが「判断をする」や「評価をする」は不適切である。

3.○:過去の気持ちを大切にしつつも、「いま、ここ」での気持ちに、より焦点を当てながら聴いていくことは、ロジャーズの来談者中心療法をはじめとする、人間性心理学における基本的な姿勢である。

4.×:話の主導権をキャリアコンサルタントが握ることは適切ではない。

問33.カウンセリングの技能

 問32と同様に、支援の基本姿勢に照らして判断しましょう。

1.×:あらかじめ決められた言い回しや進め方を面接場面に持ち込むことでは、相談者の話を素早く理解し助言することはできないだろう。

2.○:相談者との関係において、早わかりしたり、決めつけることは禁物である。「無知の知」とは、自分に知識がないことを自覚することであり、ソクラテスの言葉である。

3.○:キャリアコンサルタントの姿勢として適切である。

4.○:キャリアコンサルティングの目的として適切である。

問34.グループアプローチの技能

 構成的グループ・エンカウンターの基本的知識については、よく出題されますので、木村先生の著書で内容をよく確認しておきましょう。

1.×:インストラクションは、エクササイズのねらいや内容、留意点などを丁寧に説明することであり、参加への理解を求め、モチベーションを高め、結果としてリーダー、メンバー相互の信頼感を高め、自己理解を促進する。【木村先生⑤P316、⑥P413】

2.×:インストラクションでは、エクササイズのねらいや内容、留意点などを丁寧に説明する。【木村先生⑤P316、⑥P413】

3.○:シェアリングとは、エクササイズに取り組んで「感じたこと、気づいたこと」を共有することであり、シェアリングはエクササイズと同じか、それ以上の比重を持っている。【木村先生⑤P316、⑥P413】

4.×:介入は、メンバーが自分で自分の権利を守れない場合、インストラクション通りの作業をしない場合、ルールが守られない場合などに、グループを軌道に乗せるためにリーダーが必要に応じて行う。【木村先生⑤P317、⑥P414】

問35.グループアプローチの技能

 構成的グループ・エンカウンターと精神分析理論の関係に関する難問ですが、同時に、内容は奥深い問題です。

初見では正答を導くことができなくてもやむを得ない捨て問題ですが、参加者の抵抗は防衛機制によるところも大きく、抵抗への対処が必要になることを理解しておきましょう。

本問を理解するために、精神分析理論における構造論(心の構造)をおさらいしておきます。

自我(エゴ)=主に意識的な心の働きであり、「現実原則」に従う。
エス(イド)=無意識な本能的欲求のことであり、「快楽原則」に従う。
超自我(スーパーエゴ)=「ねばならぬ」の自我への検閲機関であり、「道徳原則」に従う。

1.○:超自我とは道徳原則に従う心の動きであり、超自我抵抗は「ねばならぬ志向」などの倫理観に由来する抵抗である。【参考図書:構成的グループエンカウンターの理論と方法P67】

これらの内容は、國分康孝の著書、「構成的グループエンカウンターの理論と方法」に記載があるが、試験対策上、マストではありませんが、グループアプローチ(特に構成的グループエンカウンターに興味がある方、グループアプローチを実践したい方にはおすすめです。内容は読みやすいです。

構成的グループエンカウンターの理論と方法

2.○:エスは本能的な欲求や生理的衝動に従う心の動きであり、エス抵抗は快楽原則に由来する抵抗である。【参考図書:構成的グループエンカウンターの理論と方法P67】

なお、超自我抵抗、エス抵抗の他に、現実原則に由来する自我抵抗がある。

3.○:抵抗の処理が、防衛機制の除去に有用である。【参考図書:構成的グループエンカウンターの理論と方法P67】

4.×:抵抗は排除しなければならないのではなく、本人がその抵抗に気づき、本人自らが抵抗を乗り越えることができれば良い。【参考図書:構成的グループエンカウンターの理論と方法P67】

そのため、リーダーはこれらの抵抗への対処が必要になることがある。【木村先生⑤P317、⑥P414】

参考文献・資料

治療と仕事の両立支援ガイドライン(PDF)

キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)

構成的グループエンカウンターの理論と方法國分康孝(図書文化2018年)

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