【技能検定】第34回問11~問15の解き方
第34回キャリアコンサルティング技能検定学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問11.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【B】選択肢2の判断が難しいため、消去法でアプローチするのがよいでしょう。選択肢4は第29回総仕上げ模試の内容がズバリでした。
正答:2
1.×:経済産業省のマナビDXではなく、マナパス(文部科学省)との連携が可能になった。【マイジョブ・カード】
2.○:問10でも登場したマナビDXなどの試みにより、経済産業省ではIT・ IT 利活用分野の拡充支援を目指している。
ただし、その方向性は、厚生労働省や文部科学省でも言えることであり、消去法でのアプローチがよい。
3.×:生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)は、全国のポリテクセンターやポリテクカレッジなどに設置した、中小企業等の生産性向上に向けた人材育成を支援するための総合窓口である。【高齢・障害・求職者雇用支援機構】
4.×:人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度である。
選択肢の内容は、求職者支援訓練の内容である。
問12.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【A】企業の人材育成の姿勢として最も適切なものを選びましょう。「VUCA」の用語については、国家試験第25回問29で出題があります。
正答:3
1.×:OJTでは、先輩社員が後輩社員に対して、実際の業務を通じて、実践的な指導を行うものである。
一方、メンターは、業務に関連した実践的な指導よりは、キャリア全般や、メンタル面なども考慮したコミュニケーションを行うものであり、支援の仕組み次第により、OJTとの併用も可能であり、二者択一のものではない。
2.×:VUCAとは、volatility(変動性)、uncertainty(不確実性)、complexity(複雑性)、ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた用語であり、現代社会の一面を表している。そのような時代には、年齢や役職等を基準に、従業員を一律的に管理することは、むしろ難しいし、適切とはいえない。
3.○:自己啓発の促進のため、金銭的援助や教育訓練機会の情報提供に加え、就業時間の配慮、自己啓発休暇の付与などの措置は有効である。
4.×:支援すべきである。
日本経団連の定義では、エンプロイアビリティは「労働移動を可能にする能力」十「当該企業の中で発揮され、継続的に雇用されることを可能にする能力」と定義しており、それにより、企業と個人の新たな関係を構築することを提案している。【木村先生P134】
問13.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】トモニンは、仕事と介護の両立支援のシンボルマーク。また、「もにす認定」は両試験で初出題でした。
正答:1
1.×:トモニンは、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進のためのシンボルマークである。また、認定制度ではなく、仕事と介護の両立支援の機運醸成のためのシンボルマークである。【厚生労働省】
2.○:えるぼし認定の内容として適切である。女性活躍推進法に基づいた認定である。【しょくばらぼ】
3.○:くるみん認定の内容として適切である。次世代育成支援対策推進法に基づいた認定である。【しょくばらぼ】
4.○:もにす認定の内容として適切である。【厚生労働省】
もにす認定は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用への取組の実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度である。【厚生労働省】
「もにす」は共に進む(ともにすすむ)という言葉と、企業と障害者が共に明るい未来や社会に進んでいくことを期待して名付けられた。
問14.企業におけるキャリア形成支援の知識
【C】前回の問14に続き、ジョブ型雇用の特徴が問われています。選択肢1の最高裁判例や、選択肢4の「即解雇となることは一切ない」の解釈が特に難しい難問でした。
正答:3
1.×:2024年4月の最高裁判決では、職種を限定する合意がある場合には、会社はその社員に対して、本人の同意が無い場合には、別の職種への配置転換を命じることはできないと判断された。【参考サイト:NHK】
2.×:ジョブ型雇用における賃金は、職務内容や求められるスキルに基づいて設定されるものであり、職務内容が変わらない場合、原則として賃金は変動しない。
3.○:ジョブ型雇用では、募集時に職務内容を明示した上で採用が行われ、採用後の異動も労働者の自己選択が主となり、他の業務や勤務地の変更には労働者の希望や同意が前提となる。【参考サイト:JMAM】
4.×:職務内容や勤務地が限定されるジョブ型雇用では、その職務や勤務地がなくなった場合などには、解雇が行われる可能性がある。
ただし、解雇規制のないアメリカとは異なり、日本の場合には配置転換などの解雇を回避するための「解雇回避努力義務」が企業にある。
そのため、ジョブ型雇用だからといって、通常は即解雇とはならないと捉えることもできるが、配置転換への本人の同意が得られない場合には「即解雇」もありえる、という出題意図の可能性がある。
正誤判断のおいては「一切」の表現が気になるポイントである。【参考資料:財務省資料:PDF】
問15.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの理念に関して、やや深い内容が問われています。「公平(エクイティ)」と「平等(イクオリティ)」の考え方の違いを理解しておきましょう。【参考サイト:パソナ】
正答:4
3つのキーワードを整理する。
・ダイバーシティ(Diversity):性別、年齢、国籍、障害、文化的背景など、多様な人材を受け入れること。
・エクイティ(Equity):個々の状況やニーズに応じて、公平な機会やリソースを提供することであり、平等(Equality)とは異なる。
平等(Equality)は全員に同じ条件を提供することを指すが、エクイティ(公平:Equity)は、個々の障壁や背景に応じた柔軟な対応が求められる。
例えば、スキルレベルが異なる複数の従業員へのキャリア開発について、同一の研修プログラムを提供するのが「平等」である一方、個々のスキルレベルに合わせたプログラムを提供することが、「公平」にキャリア開発の機会を確保することになる。
・インクルージョン(Inclusion):多様な人材が職場で尊重され、能力を発揮できる包摂的な環境を作ることである。
1.○:インクルージョンは、ダイバーシティを効果的に活かすために、個々の従業員が職場で尊重され、能力を発揮できる環境を整えることを意味する。
2.○:多様性の進展に伴い、管理職にはダイバーシティ・マネジメントのスキルや、異なる背景を持つ従業員を統率する、新しいリーダーシップが求められるようになった。
3.○:エクイティは、個々の状況やニーズに応じて、公平な機会やリソースを提供することであり、その意義を従業員が共有することが重要である。
4.×:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の理念は、全従業員に同一の処遇や条件を提供する「平等」の考え方ではなく、個々の状況に応じた柔軟な対応や配慮(公平)を重視する。
