【第22回対策】問1~問10の解説
第22回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説
目次
問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解
正答:1
1.×:逆である。通常の仕事を一時的に離れて社内外で行われる教育訓練(Off-JT)よりも、日常の業務に就きながら行われる教育訓練(OJT)を重視してきた。【P2】
2.○:OFF-JTや自己啓発支援の費用は、対GDP比で0.1%となっており、米国(2.08%)、フランス(1.78%)など諸外国に比べて低水準にとどまっており、近年低下傾向である。【P3】
3.○:この資料では「伴走支援」という用語が度々登場する。【P5】
本ガイドラインでは、労働者の学び・学び直しに対して、キャリアコンサルタントや管理職等、企業の伴走的支援の重要性が度々表現されている。
4.○:学びの好循環について、エンゲージメントとは、組織の目標達成と自らの成長の方向性が一致し、やりがいや働きがいを感じ、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を示す概念である。【P7】
問2.キャリアコンサルティングの役割の理解
正答:4
働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書
1.○:キャリアコンサルタントには、共通して深化させる専門性と、企業、学校・教育機関、需給調整機関、地域のキャリア支援機関など活動領域や特定分野(業界、職種)ごとに深化させていくべき専門性がある。【P6】
2.○:多様な働き方への対応や、一般従業員から経営層、若年層からシニア層に至る幅広い職位・発達段階にある者を対象とするため、キャリアに対する意識や直面する課題は広範なものとなる。【P7】
3.○:自社内の部門間のネットワークがあってこそキャリア支援を有効に行うことができる。【P8】
4.×:ジョブ・マッチングや職業の斡旋とは異なるキャリアコンサルタントならではの役割があるとしている。例えば社外へのキャリアチェンジや再就職場面に求められる情報提供や助言、若年者の職場定着への試み、キャリア関連施策の効果的な周知などがある。【P9
問3.キャリアコンサルティングの役割の理解
正答:3
1.○:また、正社員以外では正社員と比較して自ら職業生活設計を考えていきたいとする者の割合が低く、「わからない」とする者の割合が高い。【P219】
2.○:キャリアコンサルティングを受けたことにより労働者のキャリア形成意識が変化したという因果関係を必ずしも示すものではないことに留意が必要であるが、キャリアコンサルティングにより、労働者の主体的なキャリア形成の意識が高まる可能性を示唆している。【P221】
3.×:キャリアコンサルティングの経験がある者の方が、現在の仕事内容や職業生活全般の満足感が高い傾向にある。
自らの適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めた上で、自身に合った仕事を主体的に選択することで、仕事内容や職業生活への満足度を高めている可能性があると考えられる。【P222】
4.○:また、キャリアコンサルティングの経験がある者には、転職やキャリアチェンジをしやすい傾向があることが分かった。【P225】
問4.キャリアに関する理論
正答:2
1.×:「私は何をすべきか(組織における気づき)」よりも、「自分は何がしたいのか(自己への気付き)」を重視する。【渡辺先生P173】
2.○:「仕事関連の柔軟性」は、市場価値で測ることができ、「組織関連の柔軟性」は、組織で生き残ることができるかどうかで測ることができる。【渡辺先生P173】
3.×:「地位、給料」よりも、「心理的成功」を重視する。【渡辺先生P173】
4.×:「この組織から自分は尊敬されているか(他者からの尊敬)」よりも、「自分を尊敬できるか(自尊心)」を重視する。【渡辺先生P173】
問5.キャリアに関する理論
正答:4
1.×:同一の職業であっても、どこに価値をおくかは様々であるため、アンカーと職業を一対一で結びつけない。【渡辺先生P162】
2.×:これは特定専門分野/機能別のコンピテンスである。全般管理コンピテンスは、総合的な管理職位をめざし、組織全体にわたる様々な経験を求める。【渡辺先生P160】
8つのキャリアアンカー
特定専門分野/機能別のコンピテンス、全般管理コンピテンス、自律/独立、保障/安定、起業家的創造性、純粋な挑戦、奉仕/社会献身、生活様式
3.×:キャリア・アンカーは、仕事を経験してはじめて少しずつ明らかになっていくものであり、仕事経験を重ねるなかで顕著になっていく。テストなどで予測しようとするものではない。【渡辺先生P163】
4.○:才能と能力(何が得意か)、動機と欲求(何をやりたいのか)、意味と価値(何をやっている自分が充実しているのか)の3つの問いが有効であるとしている。【渡辺先生P164】
問6.キャリアに関する理論
正答:2
1.○:自己効力感の4つの情報源として適切である。「すいげん だいじよ(水源、大事よ)」と覚える。【渡辺先生P136】
2.×:サビカスのキャリア・アダプタビリティは、関心・統制・好奇心・自信の4次元からなる。「かとうこうじ」と覚える。
3.○:ハンセンの統合的人生設計の視点である。キャリア・カウンセラーには、クライエントが世界全体との関わりに気づき、各自が社会に貢献できる場所を見つけることを手助けするという役割を期待している。【渡辺先生P214】
4.○:クライエントが偶然の出来事を作り出し、認識し、自分のキャリア発達に組み入れていけるように支援することがキャリア・カウンセリングの目標であるとしている。【渡辺先生P146】
問7.キャリアに関する理論
正答:4
1.○:キャリア支援において、社会階層は「最もパーニシャス(致命的、有害)」な影響を与えるとした。【木村先生⑤記載なし、⑥P99】
2.○:ワッツは個人的変化にではなく、社会の変革に焦点をあて、ラディカル(社会変革)を重視した。【木村先生⑤記載なし、⑥P98】
3.○:キャリアカウンセリングを提供する側のものの見方、自分自身の内にある「バイアス」を十分に意識することが、多文化キャリア支援の基礎となる。【木村先生⑤記載なし、⑥P95】
4.×:家事やボランティアなどのあらゆる仕事を「ワーク」として重視したのは、である。リチャードソンである。これについては下村先生の著書である、「社会正義のキャリア支援」に記載がある【P99】。
なお、ゴットフレッドソンは、子供のキャリア発達に関する「制限妥協理論」を提唱している。これは、子供は自分の興味や関心によって職業を考えるのではなく、自分が考慮すべき選択肢を排除(制限)するように職業を考えることである。
例えば、男の子はケーキ屋さんや花屋さんといった職業を考慮すべき選択肢から外してしまうことである。【木村先生⑤記載なし、⑥P75】
問8.カウンセリングに関する理論
正答:2
1.○:カウンセラーの基本的態度の「受容的態度」である。【木村先生⑤P43、⑥P116】
2.×:クライエントとカウンセラーが逆である。カウンセラーは、クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝える。「共感的理解」である。【木村先生⑤P43、⑥P116】
3.○:カウンセラーの基本的態度の「自己一致」である。【木村先生⑤P43、⑥P116】
4.○:クライエントが防衛的でなくなり、自我の再構成を行うことを期待する。【木村先生⑤P43、⑥P117】
問9.カウンセリングに関する理論
正答:3
1.×:実存療法、夜と霧は、フランクルである。平木典子は日本のカウンセリングの第一人者であり、アサーションなどに詳しい。
2.×:交流分析、エゴグラムは、バーンである。ベックは認知療法を提唱した。
3.○:行動療法のウォルピの内容として適切である。
4.×:内観療法、身調べは、吉本伊信である。森田正馬(まさたけ)は森田療法で、絶対臥褥が有名である。
問10.カウンセリングに関する理論
正答:1
1.○:非論理的な思考は、イラショナル・ビリーフとも呼ばれる。認知的アプローチには、エリスの論理療法やベックの認知療法がある。【木村先生⑤P46、⑥P118】
2.×:これはクライエント中心療法などの感情的アプローチの特徴である。【木村先生⑤P42、⑥P115】
3.×:これは行動療法(系統的脱感作や主張訓練)などの行動的アプローチの特徴である。【木村先生⑤P48、⑥P120】
4.×:包括的・折衷的アプローチでは、特定の理論にとらわれずに包括的・折衷的に行われる。また、カウンセラーとクライエントの間に「温かい人間関係」がなければカウンセリングは成立しない。【木村先生⑤P51、⑥P125】