【第23回対策】問1~問10の解説

第23回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

正答:3

 令和4年版労働経済の分析

1.○:なお、企業規模別では規模が小さいほど入職者に占める転職入職者の割合が高い傾向にある。

また、長期的に、企業規模1,000人以上の企業においても上昇傾向がみられており、2020年時点ではいずれの企業規模においても、入職者のうちの半数以上を転職入職者が占めていることが分かる。【P141】

令和4年版労働経済の分析より転載

2.○:我が国では、勤続年数1年未満の雇用者の割合が国際的にみて低く、勤続年数10年以上の雇用者の割合は、アメリカ、カナダ、イギリス等と比較すると高く、イタリア、フランス等と同程度の水準となっている。国際的にみると我が国の雇用者の勤続年数は比較的長期間となっている。【P148】

3.×:逆である。転職経験者の割合は、男女別では男性より女性の方が高く、就業形態別では正規雇用労働者より非正規雇用労働者の方が高い傾向にある【P166】

4.○:男性は、能力発揮を目的として転職先を選ぶ者の割合が高い傾向にある一方で、女性は、男性と比べて「労働条件(賃金以外)がよいから」「転勤が少ない、通勤が便利だから」といった、働き方や労働環境を意識した理由で転職先を選ぶ者の割合が高い傾向にある。【P169】

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

正答:3

 令和4年版労働経済の分析

1.○:男女ともに、正社員及び正社員以外のいずれも、キャリアコンサルティングを受けた者の方が、「自分で職業生活設計を考えていきたい」「どちらかといえば、自分で職業生活設計を考えていきたい」と回答する者の割合が高くなっている。【P221】

2.○:キャリアコンサルティングを受けている労働者は、自らの適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めた上で、自身に合った仕事を主体的に選択することで、仕事内容や職業生活への満足度を高めている可能性があると考えられる。【P222】

3.×:多い傾向がある。過去にキャリアコンサルティングを受けた経験がある者の方が、転職回数が「0回」である者の割合は低く、「1回」以上である者の割合は高くなっている。【P223】

4.○:キャリアコンサルティングにより、自らの適性や能力が活かせる可能性を幅広く検討した結果、異分野へのキャリアチェンジをしやすくなっている可能性があると考えられる。【P224】

なお、他の調査結果として、「キャリアコンサルティングの経験がある者の方が、自らの職業能力が他社で通用すると考えている者の割合が高い。(P225)」や、「キャリアコンサルティングの経験がある者は自発的な能力向上の取組を行うことが必要と考える者の割合が高い。(P225)」などがある。

問3.キャリアコンサルティングの役割の理解

 令和3年度能力開発基本調査

正答:3

1.○:令和2 年度中にキャリアコンサルティングを受けた者は、「労働者全体」では10.6%であり、「正社員」では13.3%、「正社員以外」では5.8%であった。【P59】

2.○:正社員では81.2%、正社員以外では68.9%と圧倒的に多い。【P60】

3.×:正社員、正社員以外ともに「仕事に対する意識が高まった」が最も多い。【P59】

4.○:なお、正社員以外では、上位は僅差で複数あるものの、「適切な職業能力開発の方法( 資格取得、効果的な自己啓発の方法等)」が最も多い。【P62】

問4.キャリアに関する理論

正答:4

1.×:「生物学的・社会的」、「仕事・キャリア」に「家族関係」を加えた3つのサイクルが相互に影響し合って、人が存在している。【渡辺先生P153】

2.×:「外的キャリア」と「内的キャリア」の軸から捉え、組織の3次元モデルによって「外的キャリア」を説明している。【渡辺先生P157】

3.×:キャリア・アンカーが明確になったら、職務・役割分析と職務・役割プランニングによって、仕事とマッチングするか否かを決定する。このマッチングにより、キャリア・アンカーを現実に実現していくことを「キャリア・サバイバル」と呼んでいる。【渡辺先生P163】

4.○:35歳~45歳のキャリア中期の危機の段階には、「自分のキャリアの再評価を行い、現状維持かキャリアを変えるかを決める」ことが直面する一般問題となる。そのため、自分のキャリア・アンカーを知り、評価することが特定の課題となる。【木村先生⑤P64、⑥P231】

問5.キャリアに関する理論

正答:1

1.×:モデリング(観察学習)の過程を、注意過程、保持過程、運動再生過程、動機づけ過程の順で説明している。【渡辺先生P133】

次のようなプロセスである。

注意深く観察する→それをイメージや言語として保持する→真似をしてみる→それを実際に遂行するかを決める。

覚え方:無理くりではあるが、「ちゅうほ うんどう」、と覚える。

2.○:三者とは、人と環境と行動のことである。

社会認知的キャリア理論は、自己効力感や結果期待といった社会的認知、性別などの属性、環境要因との三者相互作用の中でキャリア選択がなされていくと考える。【ジルP34】

3.○:その後、クランボルツは、「キャリア・カウンセリングにおける学習理論(LTCC)」を理論化し、さらにクライエントをどのように援助していくかについて、「計画された偶発性(プランドハプンスタンス)」を主要概念として提言している。【渡辺先生P137】

4.○:これらは、予期せぬ出来事をキャリアの好機へとつなげるための姿勢といえる。【ジルP47】

覚え方:コージくん、柔軟に楽しく冒険

問6.キャリアに関する理論

正答:2

1.○:「親和欲求」はマズローの欲求階層説における、所属と愛情の欲求、「権力欲求」は自尊と承認の欲求、「達成欲求」は自己実現の欲求に対応する。【岡田先生P27】

2.×:動機づけ要因と衛生要因の二要因説を提唱したのは、ハーズバーグである。【岡田先生P26】

アルダファは、人間には欠乏欲求と成長欲求があると主張し、マズローの欲求段階モデルを修正し、ERGモデルを提唱した。

ERGとは、存在欲求(Existence)、関係欲求(Relatedness)、成長欲求(Growth)を意味している。なお、高次の欲求と低次の欲求が同時に生じることがあるとする点でマズローの理論とは異なる。【岡田先生P26】

3.○:デシは、自らによって困難を乗り越えたり、何かを達成したという有能感と、他者に強制されずに自分自身で決定できる自己決定感が高まると、内発的動機づけが高まるとした。【岡田先生P22】

外発的動機づけは、報酬などの外的な要因により、やる気が上昇するような動機づけであり、内発的動機づけは、そのような外的報酬を得るためではなく、その行動自体が報酬になるような動機づけのことである。【岡田先生P21】

4.○:マズローの欲求階層説は、低次なものから、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求からなり、自己実現の欲求以外は、自分に足りないものを外部から補おうとする欠乏欲求であり、自己実現の欲求は、自分の中にあるものを外に出そうとする成長欲求である。【岡田先生P23】

覚え方:生まれ安い所に辞書が実る

問7.キャリアに関する理論

正答:4

1.○:ギンズバーグは、職業選択の発達過程を最初に理論家した。【木村先生⑤P34、⑥P70】

2.○:これらの5つの発達段階を、マキシ・サイクルと呼んだ。【渡辺先生P44】

3.○:ゴッドフレッドソンは、子供のキャリア発達について、制限妥協理論を提唱している。これは例えば、6~8歳の「性役割」の段階では、男の子は、自分は男だからという理由で、ケーキ屋さん、花屋さんなどを自分の考慮すべき選択肢から外してしまうことがある。【木村先生⑤記載なし、⑥P75】

4.×:サビカスのキャリア構築理論の主要概念は、職業パーソナリティ、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマの3つである。統合的人生設計は、ハンセンが提唱した。

問8.カウンセリングに関する理論

正答:4

1.×:交流分析、エゴグラムときたら、バーン。

2.×:ベック、認知療法は適切だが、エンプティ・チェアは、パールズが開発したゲシュタルト療法で用いられる。

3.×:共同体感覚、劣等コンプレックスは、アドラー(アドラー心理学)のキーワードである。

4.○:ロジャーズの内容として適切である。グループアプローチの手法である、ベーシック・エンカウンター・グループはロジャーズが創始した。

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«会員限定»カウンセリング理論と人名【問題編】

問9.カウンセリングに関する理論

正答:2

1.×:これは来談者中心療法の内容である。【木村先生⑤P42、⑥P115】

2.○:行動療法の内容として適切である。【木村先生⑤P48、⑥P120】

3.×:これは家族療法の内容である。システムズ・アプローチは、家族をシステムとして捉え、原因追及として、家族の誰かを悪者として追及することはしないアプローチのことである。

4×:これは論理療法の内容である。【木村先生⑤P46、⑥P120】

問10.カウンセリングに関する理論

正答:1

1.○:ヘルピー(クライエント)が自分の個人的経験をヘルパー(カウンセラー)と分かち合おうとする心の準備の段階である。【木村先生⑤P279、⑥P373】

2.×:ヘルピーがどんな状態にあるか現在地を明らかにするのは、第1段階だが、応答技法と言われる。【木村先生⑤P279、⑥P373】

3.×:ヘルピーがどんな状態になりたいのか目的地を明らかにするのは、第2段階だが、意識化技法と言われる。

4.×:第3段階は手ほどき技法と言われ、目標に向かって具体的に計画やスケジュールを立てて行動を起こす段階である。

選択肢の後半の内容は、第3段階の次の「援助過程の繰り返し」の内容である。

ヘルピング技法:事前段階(かかわり技法)→第1段階(応答技法)→第2段階(意識化技法)→第3段階(手ほどき技法)→援助過程の繰り返し

覚え方:カカオ 煎て(いて) 栗(くり)

ご笑納ください。

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