【第25回対策】問1~問10の解説

第25回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説

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問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

正答:3

 令和5年版労働経済の分析

1.○:この背景として、人手不足関連倒産や物価高倒産に加え、感染拡大時の支援策である「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」の元金返済期限が迫っている企業等の倒産が考えられる。【P12】

2.○:2021年に引き続き新規求人が増加傾向で推移した結果、2022 年平均の新規求人倍率は前年差0.24ポイント上昇の2.26倍、有効求人倍率は同0.15ポイント上昇の1.28倍となった。【P14】

3.×:2021年から0.2%ポイント低下し、2.6%となったが、感染拡大前の2019年の水準(2.4%)までには回復していない。【P14】

4.○:2022年は、年間を通して全国的な行動制限がなかったこと、海外からの観光客の受入れ再開などにより、「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」の雇用者数は増加に転じた。【P24】

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

正答:2

 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査

1.○:労働者がキャリアコンサルタントによる伴走支援を受けることができる機会を確保することが望ましい、としている。【P2】

2.×:企業内部よりも、企業外や公的機関によるキャリアコンサルティングを受けた場合、自らの能力が他社に通用する可能性や、継続的な自己啓発の必要性についての意識が高い傾向がある。【P3】

3.○:キャリアコンサルティングの担い手としてハローワークに着目しているのが特徴である。【P3】

4.○:他に、キャリアコンサルタントの賃金が低く、優秀で熱意ある人材が集まらないことも指摘されている。【P5】

問3.キャリアコンサルティングの役割の理解

正答:4

 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査

1.×:最も多い活動の場は「企業」(39.0%)であり、次いで「学校・教育機関」(22.3%)、「需給調整機関」(18.1%)の順である。【P70】

なお、専任・専業のキャリアコンサルタントの主なキャリアコンサルティング活動の場は「需給調整機関」と「学校・教育機関」、「地域」であることが示された一方、「企業」のキャリアコンサルタントは、兼任・兼業が多いという実態が示された。【P70】

2.×:最も多い相談内容は「現在の仕事・職務の内容」で、次いで「就職・転職活動の進め方」である。【P94】

3.×:最も難しいと感じた相談内容は「発達障害に関すること」が最も多く、次いで「メンタルヘルスに関すること」である。【P94】

4.○:「相談実務の経験を積む」(57.0%)が最も選択率が高く、次いで「更新講習以外のキャリアコンサルティングに関する研修会・勉強会等への参加または実施」(56.6%)が多かった。【P221】

問4.キャリアに関する理論

正答:3

1.○:スーパーが最初にキャリア・アダプタビリティという概念を提示し、サビカスがスーパーの研究を引き継いだ。【渡辺先生P94】

2.○:サビカスは、関心(concern)、統制 (control)、好奇心(curiosity)、自信 (confidence)の4つの次元から、キャリア・アダプタビリティは構成されているとした。【渡辺先生P97】

3.×:アダプタビリティと適応(adaptation)を区別し、アダプタビリティは、適応コンピテンスと適応モチベーションの積であるとしたのは、プロティアン・キャリアで知られるホールである。【渡辺先生P174】

4.○:そのため、職業興味の6類型(RIASEC)とその組み合わせと実際の職業分類の関係を明らかにした。【木村先生⑤P30、⑥P67】

問5.キャリアに関する理論

正答:1

1.×:自己効力感理論をさらに発展させ、社会認知的キャリア理論(Social Cognitive Career Theory:SCCT)を提唱したのは、レント、ブラウン、ハケットである。【ジルP34】

2.○:自己効力感を高める4つの情報源の内容として適切である。【渡辺先生P136】

覚え方:すい げん だい じよ(水源大事よ)

3.○:偶然の出来事を個人のキャリアに生かすための5つのスキルとして適切である。【ジルP47】

覚え方:こーじくん じゅうを もって たのしく ぼうけん

4.○:直接経験による学習は、スキナーのオペラント条件づけの考え方に基づくものである。観察学習は、他人(モデル)の行動を観察および模倣することによって学習することで、モデリングによる学習と言われる。【渡辺先生P131】

問6.キャリアに関する理論

正答:3

1.×:このような状態、経験をフローと呼んだのは、ミハイ・チクセントミハイである。【岡田先生P30】

なお、ラザラスは、心理的なストレスを人と環境の間の関係であるとした。【岡田先生P28】

2.×:ハーズバーグは、衛生要因の充足ではなく、動機づけ要因の充足が長期間の満足と動機付けをもたらすとした。【岡田先生P26】

3.○:ワーク・エンゲージメントの内容として適切である。【岡田先生P30】

4.×:職場における社会的欲求が動機づけを高めると考え、達成動機理論を構築したのは、マクレランドである。【岡田先生P27】

アルダファは、マズローの5段階の欲求階層モデルを修正し、3つの次元からなるERGモデルを提唱した。【岡田先生P26】

問7.キャリアに関する理論

正答:1

1.○:連続的意思決定プロセスは、ジェラットの前期理論と呼ばれる。後期理論は、積極的不確実性である。【渡辺先生P116】

2.×:認知的不協和理論を意思決定プロセスに応用したのは、ヒルトンである。【木村先生⑤P24、⑥P86】

なお、マクレガーは、人間の動機づけについて、X理論とY理論を提唱した。

3.×:これは、ローの早期決定論である。「親の養育態度」を情緒型、拒否型、受容型の3つに分類している。【木村先生⑤P28、⑥記載なし】

4.×:これは、クランボルツの計画された偶発性理論である。【渡辺先生P145】

ウィリアムソンは、パーソンズの特性因子論を発展させ、キャリアカウンセリングに応用した。【木村先生⑤P53、⑥P64】

問8.カウンセリングに関する理論

正答:4

1.○:行動的アプローチ(行動療法)の基本的な考え方として適切である。【木村先生⑤P48、⑥P120】

2.○:系統的脱感作は、弛緩訓練によって不安反応を制止し、段階的に不安反応を除去する方法で、ウォルピによって開発された。【木村先生⑤P49、⑥P121】

3.○:行動的アプローチでは、先行刺激→行動→結果の関係性を表す、三項随伴性の枠組みで行動を捉える。これは、行動の直後に生じる結果によって、その行動の頻度が変化する、オペラント条件づけに基づく視点である。【ジルP124】

例えば、嫌なことがあった(先行刺激)→飲酒をした(行動)→楽しい気分(結果)になったことによって、嫌なことがあると飲酒が増える、ような場合です。
健康被害につながるかもしれない、という点はさておき、それ以前と比べて行動が増える(強化される)ことに繋がります。

4.×:これは、グラッサーが提唱した現実療法(リアリティセラピー)の考え方である。【木村先生⑤P48、⑥P119】

問9.カウンセリングに関する理論

正答:4

1.×:これは「同一化」であり、憧れる人や親などを真似ることである。

「置き換え」は、八つ当たりであり、仕事のストレスを家庭で発散するようなことである。

2.×:これは「昇華」であり、社会では受け入れられないような強い衝動を、スポーツや芸術で表現するなどがある。

「補償」は、勉強に劣等感を感じた場合にスポーツや音楽で成果を出し、劣等感情を克服するようなことである。

3.×:これは「合理化」であり、イソップ物語の「すっぱいぶどう」の寓話のように、手に届かないぶどうは、すっぱいぶどうであると言い聞かせ、自他を納得させることである。

「反動形成」は、自分の弱さを知られたくないために、威張る態度をとったり、好きな気持を知られたくないために、好きな子に意地悪をするようなことである。

4.○:「抑圧」の内容として適切である。いわゆる「いい子」のふりをするようなことである。

【参考サイト:防衛機制の一覧と例文(カウンセラーウェブ)

問10.カウンセリングに関する理論

正答:3

1.×:交流分析は、アメリカの精神科医バーンによって開発された心理療法である。分析の種類は適切である。【ジルP108】

パールズは、ゲシュタルト療法を開発した。

2.×:内観療法を開発したのは、吉本伊信(いしん)である。内観とは、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を通常は母親から、具体的な経験や情景を思い出しながら調べることで自己探求を行う方法である。

森田正馬(まさたけ)は森田療法の創始者であり、「あるがまま」をキーワードにした精神療法である。入院初期の「絶対臥褥期」では、何もせず横になり、なるべくそのままに、あるがままに、浮かんでくる考えや感情を受け入れることが特徴である。

3.○:論理療法の内容として適切である。イラショナル・ビリーフは非論理的な信念と訳される。【木村先生⑤P47、⑥P118】

4.×:フォーカシングはロジャーズの弟子である、ジェンドリンが1960年代初頭に開発したカウンセリング手法である。【ジルP117】
【参考文献:フォーカシングと〈からだ〉 平野智子/池見陽

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