【第26回対策】問1~問10の解説

第26回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説

動画はこちらから(YouTube)

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

正答:1

 2023年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

1.○:「従業員の過半数で構成する労働組合のみがある」65.2%、「従業員の半数以下で構成する労働組合のみがある」7.1%、「従業員の過半数で構成する労働組合と半数以下で構成する労働組合の双方がある」2.4%、「企業内労働組合はない」24.5%である。【P3】

2.×:エンゲージメントとは、情熱と集中力を持って仕事に取り組む姿勢である。「高い層と低い層がある(まだら)」が54.7%で最も多く、次いで「全体的に高い状況にある」(18.9%)、「全体的に低い状況にある」(8.6%)が続く。【P24】

3.×:「一部において課題を感じている」が73.8%で最も多く、「全社的に課題を感じている」(18.5%)、「課題は感じていない」(4.8%)が続く。【P25】

4.×:「いる」は24.9%、「いない(一般的な業務に従事する有期雇用等社員は雇用している)」は69.1%、「いない(有期雇用等社員は雇用していない)」は5.9%である。【P28】

専門有期雇用等社員とは、専門的な知識を持つ有期雇用労働者のことである。

専門能力を有し、重要かつ時限的なプロジェクトに従事することを目的として期間を定めて雇用している有期雇用社員やパートタイム社員のことで、具体的には博士の学位を持つ人や公認会計士や医師、税理士などの国家資格有資格者、実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントなどが該当する。

高度専門職の有期雇用労働者には、そのプロジェクトに従事している期間には、5年での無期転換の申込み権が発生しない特例がある。

問2.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

正答:2

 令和5年版労働経済の分析

1.○:イギリス、アメリカ、フランス、ドイツは、名目労働生産性の上昇と同程度に名目賃金も増加しているが、日本ではほぼ横ばいである。名目賃金については、むしろ4%ほど減少している。【P79】

2.×:逆である。生産性に対して感応度が低く、雇用情勢に対して感応度が高い傾向がある。生産性の上昇局面においては、生産性の上昇に賃金が追いついてくることはなく、完全失業率とともに賃金増加率が低い水準に抑えられている。【P82】

3.○:実質賃金が増加しなかった理由として、労働時間の減少、労働分配率の低下に加えて「交易条件」が悪化していることをあげている。

交易条件は、「貿易での稼ぎやすさ」を示す指標であり、輸出物価指数と輸入物価指数の比で表現される。交易条件の改善=安く輸入し高く輸出ができれば、国内に資金が流入しやすくなる。【参考サイト:日本経済新聞

4.○:我が国の労働分配率は一貫して低下傾向にある上、他国と比べても低い水準となっている。【P86】

労働分配率は企業が生み出した付加価値のうち、人件費として配分された割合がどのくらいあるのかを表す。

問3.キャリアコンサルティングの役割の理解

正答:2

 キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書

1.×:最も割合の高い活動領域は「企業」(41.7%)であり、次いで「学校・教育機関」(20.6%)、「需給調整(機関)」(20.5%)の順である。【P3】

2.○:リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化から成る三位一体の労働市場改革を進めるにあたってのキャリアコンサルタントの役割や体制整備が言及されている。【P4】

 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023 改訂版

3.×:前年度にキャリアに関する相談を利用した労働者は全体の10.5%(約1割)である。また、相談した相手は上司・管理者が最も多い。【P4】

なお、約4割という数字は、従業員に対してキャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所の割合である(45.3%)。【P4】

4.×:事業主には、キャリアコンサルタントを有効に活用するよう配慮することが求められたが、義務付けられたわけではない。【P5】

問4.キャリアに関する理論

正答:4

1.○:キャリア・アダプタビリティの4つの次元として適切である。【渡辺先生P97】「かとうこうじ」と覚えておく。

2.○:サビカスは、スーパー(キャリア・アダプタビリティの概念)やホランド(個人-環境適合)の理論を尊重し、それらを社会構成主義の視点から統合し、自身のキャリア構築理論を組み立てている。【渡辺先生P88】

3.○:変化する環境の中で、自らも変化し適応を繰り返し、自己概念を発達させ実現をめざしていく。「ありたい自分」になるための方法が、キャリア・アダプタビリティなのである。【渡辺先生P97】

4.×:ライフテーマは、「なぜそのような職業を選択するのか」、「なぜ働くのか」といった職業行動の「Why」(心理力動的な動機づけ)を説明するものである。

「どのような職業が自分に合っているのか」は、職業行動における「What」であり、職業パーソナリティにより特性における個人差を説明するものである。【渡辺先生P90】 

問5.キャリアに関する理論

正答:2

1.×:「キャリアガイダンスの4つのイデオロギー」を提唱したのは、ワッツである。

キャリアガイダンスのイデオロギーを「社会に焦点がある-個人に焦点がある」×「変革を目指す-現状維持を目指す」の軸で次の4つに分けている。

  社会に焦点 個人に焦点
変革 ラディカル(社会変革) プログレッシブ(個人的変化)
現状維持 コンサバティブ(社会統制) リベラル(非指示的)

なお、ワッツはラディカル(社会変革)を重視している。【木村先生P99】

2.○:一般的なキャリア理論はアメリカ白人の主流の考え方に偏っており、合理的・論理的・直線的な問題解決や長期的な目標設定を強調しすぎると指摘している。【木村先生P94】

3.×:「文化を取り入れたキャリアカウンセリングモデル(Culture-InfusedCareerCounseling:CICC)」を提唱したのは、(ナンシー)アーサーである。【木村先生P95】

4.×:キャリア支援で最も重要な要因は「社会階層」であるとし、社会階層は「最もパーニシャスな影響」を与えるとしたのは、ブルースティンである。【木村先生P99】

問6.キャリアに関する理論

正答:2

1.×:前段の文章は適切だが、キャリア・アンカーは8つである。【渡辺先生P160】

2.○:垂直的なキャリア移動は、例えば係長、課長、部長などの職につくといった職位や職階の移動である。水平移動は職能(部署、部門)の移動、中心に向かう移動は部内者化、その職にエキスパートになるような成長である。【ジルP70】

3.×:「課題接近スキル」ではなく、「意味と価値(何をやっている自分が充実しているのか)」である。【渡辺先生P164】

「課題接近スキル」は、キャリア意思決定における社会的学習理論(クランボルツ)の個人のキャリア意思決定に影響を与える4つの要因のうちの一つである。【渡辺先生P140】

個人のキャリア意思決定に影響を与える4つの要因(クランボルツ)
①遺伝的な特性・特別な能力、②環境的状況・環境的出来事、③学習経験、④課題接近スキル

4.×:「自分のキャリア・アンカーを知り、評価する」はキャリア中期の危機(35~45歳)の段階での特定の課題である。【木村先生P232】

問7.キャリアに関する理論

正答:1

1.×:パーソンズの特性因子論を発展させて、特性因子カウンセリングを提唱したのは、ウィリアムソンである。【木村先生P64】

2.○:制限妥協理論とは、子供のキャリア発達において、例えば6~8歳の「性役割」の段階では、性別によって職業の選択肢を制限してしまうようなことである。ケーキ屋さんや花屋さんは女の子が相応しく、男の子はその選択肢を排除してしまう、といったことである。【木村先生P75】

3.○:過去に何をしたかを理解し、繰り返しみられるテーマや傾向を確かめ、将来を予測する。「外挿」とは数学の用語で、データの傾向を延長しデータのない部分も予測することである。【木村先生P77】

4.○:ジェプセンはクライエントとカウンセラーの協働を重視し、キャリアには著者がいると捉え、個性記述的アプローチを採用し、これまでの生活の中のテーマが、どのように展開していくかを重視している。【木村先生P78】

問8.カウンセリングに関する理論

正答:4

1.×:これは自動思考である。スキーマはさらに深い階層にあるもので、思考全般に影響を及ぼす、価値や信念の体系である。【ジルP129】

2.×:人名と理論が逆である。エリスが提唱した論理療法とベックが提唱した認知療法である。【木村先生P118】

3.×:これは「自責思考」である。「全か無か思考」は100%完璧でないと意味がないと考えてしまうことである。認知の歪みの例として、他には将来悪い事が起こる確信を持ってしまう「破局化思考」やこうあるべきと期待してしまう「べき思考」がある。【ジルP129】

4.○:「マイナス思考」に囚われないことが大切であり、新しい思考法を指導するのではなく、クライエント本人が、今までとは違うものの見方や考え方を探索できるような支援する。【ジルP130】

問9.カウンセリングに関する理論

正答:2

1.○:自己概念と経験が一致していないために、悩むのである。カウンセラーは、クライエントのそれが一致する方向へ援助する。【木村先生P116】

2.×:これは自己一致または誠実な態度(純粋性)を表している。

共感的理解は、クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝えることである。【木村先生P116】

3.○:無条件の肯定的関心(受容的態度)の内容として適切である【木村先生P116】

無条件の肯定的関心とは、相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴くことである。

4.○:来談者中心療法は、クライエントの持つ自己実現欲求(傾向)への期待が根底にある。ロジャーズの人格と行動についての理論-19の命題の命題4~6でも言及されている。【ジルP112】

問10.カウンセリングに関する理論

正答:1

1.○:系統的は「徐々に、段々と」、脱感作は「過敏、敏感でなくなっていく」と捉える。【木村先生P121】

2.×:内観療法は森田正馬ではなく、吉本伊信が創始した。

3.×:ゲシュタルト療法は、バーンではなく、パールズが創始した。バーンは交流分析で知られる。

4.×:自律訓練法は、フロイトではなくシュルツが体系化した。

問11~問20へ進む