第13回問21~問25の解き方

第13回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問21.人事管理及び労務管理の知識

 労働関係諸法令から、法定休暇に関する問題が出題されました。このように法令横断的に休暇の種類を問う問題は珍しい出題形式でした。

1.○:子の看護休暇は育児・介護休業法に規定がある法定休暇である。小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより、子の看護休暇を取得することができる。【育児・介護休業法第十六条のニ

2.○:妊産婦の通院休暇は、男女雇用機会均等法に規定がある法定休暇である。【男女雇用機会均等法第十二条

3.×:慶弔特別休暇は、法律上定めのない特別休暇(法定外休暇)であり、特別休暇には他に、夏季休暇やリフレッシュ休暇、誕生日休暇など会社が独自のルールで設定するものをいう。

4.○:介護休暇の申出があった場合における事業主の義務として、申出があったときは、その申出を拒むことができない。【育児介護休業法第十六条の六

問22.労働市場の知識

 問16に続き、頻出の「労働経済の分析」からの出題です。用語の読み取りに気をつけて、引っかからないようにようしましょう。

 平成30年版労働経済の分析

 令和3年版労働経済の分析

1.○※:正社員有効求人倍率は2018年3月に1.08倍。正社員以外も含む全体の有効求人倍率は、2018年3月に1.59倍となった。【平成30年版P15】これまでにも、正社員の有効求人倍率が問われたことがあるため区別する必要がある。正社員有効求人倍率の方が低くなる。

※2020年(2020年度)にはトレンドが変化している。

新型コロナウイルス感染症の流行の影響等による経済の低迷もあり、2021年3月の有効求人倍率は1.10倍、正社員有効求人倍率は0.84倍まで低下している。【一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)

2.×:求職者は職を求めている人。景気が良いと通常、求人が増え、人手不足(求職者は減少)となる。読み取りに引っかからないように注意。【平成30年版P20】

3.○※:短期失業者だけでなく、長期失業者も減少傾向にある。【平成30年版P18】

※トレンドが変化している。

長期失業者、1年未満失業者ともに2019年まで減少傾向にあったが、2020年にともに増加している。【令和3年版P42】

4.○※:非労働力人口は減少し、女性を中心に労働参加が進んでいる。【平成30年版P26】

※トレンドが変化している。

2019年まで女性や高齢者等を中心に労働参加が進んだが、2020年には労働力率低下の動きがある。【令和3年版P23】

問23.労働市場の知識

 雇用均等基本調査(確報)はこれまで選択肢としての出題はあるものの、よく出る資料とは言えないため、ノーマークでも仕方ないです。ご自身の感覚と照らし合わせ、消去法で適切なものの組合せを選びましょう。気になる傾向、割合があれば頭に入れておきたいところです。

統計情報は、暗記しようとするのではなく、趨勢(傾向)や大まかな割合等を確認しましょう。その際には、ご自身の感覚と照らし合わせ、違和感のあったものを特によく確認しましょう。違和感のないものは、出題されても概ね判断できるでしょう。

 平成30年度雇用均等基本調査(確報)

平成30年度雇用均等調査は、令和元年7月に公表されました。

適切な組み合わせは1(AとC)になります。

A.○:女性の正社員・正職員に占める各職種の割合は、一般職が46.5%と最も高く、次いで総合職33.8%、限定総合職11.9%の順となっている。なお、正社員・正職員に占める女性の割合は26.0%である。【P1】

B.×:総合職について「男女とも採用」した企業が49.3%で、29年度に続き、「男女とも採用」した企業割合が最も高い結果となった。【P2】

C.○:新規学卒者の採用を行った企業を規模別にみると、企業規模が大きいほど女性を採用した企業割合が高い傾向にある。【P2】

D.×:女性役員を有する企業の割合は、増加というよりも、むしろ27年度の40.0%と比べ30年度は36.5%へ減少している。【P4】女性役員については、増加や減少と言えるような趨勢(傾向)はデータからは感じられない。

問24.労働市場の知識

 雇用動向調査からの出題は初めてです。下記の厚生労働省のサイトに、それぞれの調査の概要のPDFがありますが、初見では判断の難しい選択肢が多く、かつ、正解選択肢を選ぶことも非常に難しいです。そのため、みん合では、本問を「捨て問題」として位置づけています。

平成30年雇用動向調査結果の動向

平成30年雇用動向調査は令和元年8月に公表されました。

1.○:平成30年の入職と離職の状況は、入職超過となっている。【入職と離職の推移1ページ目:PDF

2.×:転職入職者の賃金変動状況は、前職に比べて増加した割合は37.0%、減少した割合は34.2%であるが、前年と比べると、増加した割合は0.6ポイントの上昇している。大きな上昇ではないこともあり、積極的な判断は困難な問題である。【転職入職者の状況3ページ目:PDF

3.○:資料の図3のおいて読み取ることができるが、大変細かな出題内容である。金融業、保険業では、入職率が10.4%、離職率が11.1%で離職率が入職率をわずかであるが確かに上回っている。【産業別の入職と離職1ページ目:PDF

4.○:入職者に占めるパートタイム労働者の割合を、女性の年齢階級ごとにみると、20~24歳以降はおおむね年齢が上がるとともに高くなり、35~39歳で5割を超え、60~64歳で7割程度、65歳以上で9割を超えている。【性、年齢階級別の入職と離職2ページ目:PDF

キャリアコンサルタント試験には、毎回捨て問題があります。第13回は少なめと感じましたが、35問を正解できれば合格出来る試験ですから、捨て問題に出会っても試験当日は心折れないようにしましょう。

問25.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 間接差別に関する出題は初めてでしたが、男女雇用機会均等法はこれまでにもよく出題されている法令です。これまでに出題された内容を確認しておきましょう。

1.○:事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。【男女雇用機会均等法第九条

2.×:間接差別とは、性別以外の事由を要件とする措置であって、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものを、合理的理由がないときに講ずることをいう。男女雇用機会均等法では、こうした間接差別も禁止される。例えば、募集や採用にあたって、労働者の身長・体重・体力要件を満たしている者のみを対象とすることなどがあげられる。【男女雇用機会均等法第七条

3.○:職場におけるセクシュアルハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることを事業主に義務付けている。【男女雇用機会均等法第十一条

4.○:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置については、法違反とならない。【男女雇用機会均等法第八条

参考文献・資料

育児・介護休業法

男女雇用機会均等法

労働基準法

平成30年版労働経済の分析(PDF)

令和3年版労働経済の分析(PDF)

平成30年度雇用均等基本調査(確報)(PDF)

平成30年雇用動向調査結果の概要

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