第28回キャリアコンサルタント試験が近づいてきましたが、焦る気持ちをぐっと堪えて、落ち着いて、じっくりと対策学習を進めましょう。
なかでも、官公庁資料対策は、合否を左右する大きな出題要素です。27回試験ではざっとカウントしただけでも、44選択肢分(11問分)出題されていました。
なお、26回試験は特に多く64選択肢分(16問分)の出題がありました。
いわゆる理論(家)問題が多くて12問程度ですから、大きな存在感があります。
試験一ヶ月前のこれからの時期、直前期の試験対策では特に重要です。
頻繁に出題されている資料、めったに出題されない資料、最近出題が目立つものなどがありますが、特に対策をしておきたい14種類プラス1(合計15種類)の官公庁等の資料を発表します!ランキングではS・A・Bランクにランク分けしています。
官公庁資料 出題ランキング(S・Aランク)
出題ランキング及び、書籍やサイトでの対策方法をお伝えします。
ランキングは第1回~第27回キャリアコンサルタント試験での出題の出典となった、選択肢数でのカウントです。( )内の数字は選択肢数です。
では早速、発表します!特に1位から3位は重点的な対策が必要です。
労働経済の分析(161)
「労働経済の分析」は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で厚生労働省が、原則として毎年公表しています。
《出題時期を考える》
◎令和5年版(第Ⅰ部・第Ⅱ部)
○令和6年版第Ⅰ部
△令和4年版第Ⅱ部
△令和6年版第Ⅱ部
前々回の第26回試験から令和5年版の出題が始まりました。例年、続けて3回、最新版の出題が続く傾向があるため、3月試験も本命は令和5年版です。
ただし、上の表にもあるように、令和6年版の早期の出題可能性はゼロではなく、過去には3月試験での出題実績があるため、予想を難しくさせています。
また、令和6年版の第Ⅰ部には2023年までの雇用指標等のデータが反映されており、それらについては、十分に出題可能性があります。
2023年までの雇用指標の内容自体は、2級試験では試験で2度にわたり出題済みです。そのため、2023年までの雇用指標への対策は必要と捉えており、令和6年版第Ⅰ部のダイジェストはすでに公開しています。
令和6年版第Ⅱ部は出題可能性は低いと見ているものの、念のため、ダイジェストを現在作成中です。
また、令和4年版の第Ⅱ部のテーマ(主体的なキャリア形成)は、キャリアコンサルタントにど真ん中のテーマのため、継続して出題される可能性はあります。ただ、みなさんの時間は有限ですから、可能でしたら過去問での対策をしておきましょう。
令和5年版の第Ⅰ部と第Ⅱ部、令和6年版の第Ⅰ部
能力開発基本調査(144)
能力開発基本調査は、企業、事業所及び労働者の能力開発の実態を正社員・正社員以外別に明らかにし、職業能力開発行政に資することを目的として、厚生労働省が毎年公表しています。
予想通り、11月試験で新しい令和5年度版が出題されました。今後の3月、7月試験はそのまま、令和5年度とみてよいでしょう。
なお、この資料は、細かな内容まで出題されることがありますので、プリントアウトをして精査することをおすすめしています(全68ページ)。
【楽習ノートプラス】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【1企業調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【2事業所調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【3個人調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査「本試験レベル問題集」
【最近の過去問】
第26回問14 第26回問19 第27回問3 2級第32回問1 2級第32回問10 2級第33回問2 2級第33回問12
第11次職業能力開発基本計画(53)
職業能力開発促進法に基づいて、職業訓練や職業能力評価など、職業能力の開発に関する基本となるべき計画を厚生労働省が策定しています。2021年から2026年までの5カ年計画です。能力開発基本調査と同じく、プリントアウトをして一読しておきたい資料です。
ここまでを頻出ランクSランク、官公庁資料の御三家と位置づけています。
・労働経済の分析(令和5年版中心)
・能力開発基本調査(令和5年度)
・第11次職業能力開発基本計画
厚生労働行政における、現状と課題の把握、今後の方向性を示している基本資料のため、この3点は念入りに対策しておくと、他の資料対策の効果もあります。
一方、4位以下の資料は過去問等の出題内容を中心に対策をすることをおすすめしています。
セルフ・キャリアドック導入の方針と展開(37)
企業におけるセルフ・キャリアドックの導入のプロセスや実施計画の策定、企業内インフラの整備や実施の手順がわかりやすく表現された資料です。具体的事例や書式などもあり、実務においても活用できます。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P251~ 合格問題集(第2版)P116
【最近の過去問】
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)(37)
キャリア教育・職業教育の指針として、文部科学省の中央教育審議会が取りまとめた資料です。平成23年に作成されたもので時が経過しているものの、最近では第23回で出題があります。
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)
特によく出題されているのは、「基礎的・汎用的能力」の4つの内容と、「キャリア教育」と「職業教育」の定義です。全体を読む必要は、これまでの出題内容を考えると、ないと捉えています。
第6位:インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(36)
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
令和4年に改正があり、インターンシップの定義があらためて行われた点には注意が必要です。その他、企業側、大学側の留意事項などがよく出題されています。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P162~ 合格問題集(第2版)P150
【最近の過去問】
改正後の資料を出典としている過去問は以下です。これらをやっておけば、まず大丈夫です。
第22回問42 第25回問27 第26回問27 第27回問29 2級第31回問21 2級第31回問40 2級第33回問29
第7位:年次経済財政報告(33)
年次経済財政報告(経済財政白書)は、経済・財政の1年間の動きを総合的に分析し、問題点や今後の展望、政策の方向などについて、内閣府が毎年公表しています。
毎年、テーマや章立てが異なるため、雇用や労働に関するテーマが設定されている章節には要注意です。
令和6年版は8月に公表されており、時期的には3月試験では出題可能性があり、第2章に目を通しておくと安心です。
第8位:労働力調査(33)
労働力調査は、我が国における就業及び不就業の状態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的としており、総務省統計局が毎月公表しています。完全失業率などがわかります。
なお、労働力調査の内容は、「労働経済の分析」にも掲載されているため、出典としては「労働経済の分析」からの出題も十分ありえます。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P121~ 合格問題集(第2版)P124、P128
【楽習ノートプラス】
≪会員限定≫2023年(度)までの完全失業率と有効求人倍率【問題編】
【ミニ動画】
5分で確認、雇用指標チェック!(YouTube)
【最近の過去問】
第9位:事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(32)
最近の試験で特に出題が多く、特にP3以降の「留意事項」からの出題が多いです。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P192~ 合格問題集(第2版)P178
【最近の過去問】
ここまでが頻出Aランクに位置づけられる資料です。
第10位以降は、資料名から資料のPDFへ直接リンクしています。
第10位:職場における心の健康づくり 労働者の心の健康の保持増進のための指針(25)
かつては出題が非常に多い資料でしたが、第16回・第17回以来、出題がありません。出題のポイントは、セルフケア・ラインによるケア・事業場内産業保健スタッフ等によるケア・事業場外資源によるケアの4つのケアです。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P170~ 合格問題集(第2版)P156
第11位:健康づくりのための睡眠指針2014 健康づくりのための睡眠ガイド2023(24)
正解選択肢を選択しやすく、解きやすい問題が出題されやすい傾向がありましたが、2023年改訂版は内容が詳しくなり、出題内容も手強くなりそうです。
なお、国家試験では6度の出題があり、2級においても第33回に初めて出題されました。2023年に改訂版が公表され、第26回試験や2級第33回で出題されました。
第12位:職場における学び・学び直し促進ガイドライン(21)
最近特に出題が多い資料で、第23回、第24回、第26回、第27回で出題があり、定番資料化しています。リスキリング関連の主要な資料として、今後も出題が続くと予想しています。要注意です。
第13位:働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書(20)
キャリアコンサルタントが果たすべき役割、普及のための施策、キャリアコンサルタントに求められることなどがまとめられており、今後のキャリアコンサルタントの方向性を示す資料で、第19回以降によく出題されています。
第14位:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き【19】
最近の試験では出題が少ないものの、かつては頻出で、職場復帰支援の5つのステップの内容や本人への支援の留意事項がよく出題されています。
ここまでを頻出Bランクの資料と位置づけています。S・A・Bのメリハリを付けて対策しましょう。
資料対策の勘どころ
以上の14種類の資料が、定期的に出題のある要注意資料と捉えていますが、特に意識して対策をしておきたいものは、ベスト3の御三家資料です。
その他のものは、テキスト&問題集+合格問題集や最近の過去問を利用して、内容理解を深めましょう。
その際に大切なことは、ご自身の感覚に照らし合わせて、調査結果などを眺めてみることです。違和感のないものは、おそらく出題されても対応ができるでしょう。
それに対して違和感のある調査結果や仕組みなどは、よく内容を確認しましょう。
調査結果や制度の導入状況などは、自らやご家族の勤務先での状況と照らし合わせてみてください。
その視点は、キャリアコンサルタントになった後も役立つことでしょう。うちの会社ではまだないな、とか、この資料を参考に社内の制度を作ってみよう、などと、自分ごとに落とし込むことが大切です。
ランキング番外編
官公庁資料と位置づけてよいものか?と思い、ランキングには盛り込んでいないのですが、実は出題数3位(109選択肢分)に該当するのが、「キャリアコンサルタント倫理綱領」です。
キャリアコンサルタントの行動、実務の指針となるもので、当然、試験においても、その内容を背景とした出題があります。
以上、14種類プラス1の資料対策についてお伝えしました。
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合格目指して、一緒に頑張っていきましょう。
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