カウンセリングの技能・知識Part.2【一問一答】

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Part.2では、基本的態度、面接技法、カウンセリング諸理論や療法を確認します。内容が多岐にわたっているのが、この出題範囲の特徴ですが、過去問を中心に一部予想トピックも交えてお届けします。

(全15問)

Q1.シャインは、支援者がとり得る役割を、1.情報やサービスを提供する専門家、2.診断して処方箋を出す医師、3.公平な関係を築き、どんな支援が必要か明らかにするプロセスコンサルタントの3つであるとしている。

A1.○:これらを必要に応じて使い分ける態度が求められる。【ジルP93】

Q2.シャインは、支援者と被支援者の関係において、物事がうまくいかなくなる原因の大半は、相談者が一段高い位置にいて、支援者が一段低い位置にいることを認めたうえで対処しないためであるとしている。

A2.×:位置が逆である。相談者が一段低い位置(ワンダウン)にいて、支援者が一段高い位置(ワンアップ)にいる、である。【ジルP88】

カウンセラーは、「相手への敬意」の他に、「限界の自覚」、「無知の知」といったマインドが基盤となっていなければなりません。【ジルP92】

なお、Q2の内容は、シャインの著書「人を助けるとはどういうことか-本当の「協力関係」をつくる7つの原則」に記載があり、第4回問30では、シャインの内容を問う問題として出題されました。

Q3.キャリアカウンセリングは、問題行動の除去や治療ではなく、個人のより良い適応と成長、個人の発達を援助することに重点を置く。

A3.○:また、進路や職業、キャリアルートなどの具体的な目標達成を目指してカウンセリングを行う。【木村先生④P221、⑤P225】

Q4.キャリアコンサルタントは、カウンセリングのみでなく、コンサルテーションや関係者の協力、教育の機能を重視し、目標達成のための適切な意思決定を相談者に代わって的確に行う。

A4.×:キャリアコンサルタントの3つの機能(コンサルテーション、関係者の協力、教育)は重要であるが、後半の「適切な意思決定を相談者に代わって的確に行う」が誤り。【木村先生④P222、⑤P226】

Q5.コミュニケーションの場面で、感情や好意の伝達の手がかりとしては、言語による伝達がおよそ70%を占めるといわれている。

A5.×:言語による伝達は全体の7%に過ぎず、非言語的なコミュニケーションによる伝達の方がインパクトが強い。【ジルP96】

Q6.質問技法について、相談者の気持ち、欲求、考えなどをクライエントに聞きたいときには、閉ざされた質問(closed question)を中心に行うことが効果的である。

A6.×:閉ざされた質問(closed question)ではなく、開かれた質問(open question)の方が効果的である。【ジルP99】

Q7.応答技法について、ある程度聴いたクライエントの話のポイントをつかんで、自分が理解した内容をカウンセラー自身の言葉でまとめてクライエントに伝え返す作業のことを、確認という。

A7.×:確認ではなく、要約の説明である。確認は、話し手の曖昧な話を出来るだけ具体的にしていく作業のことである。【ジルP101】

Q8.フロイトの構造論において、自我は「快楽原則」で動き、イドは「現実原則」で動き、超自我は「道徳原則」で動くとしている。

A8.×:自我は「現実原則」で動き、イドは「快楽原則」で動く。超自我は「道徳原則」で動く(正しい)。【ジルP102】

Q9.アドラー心理学を理解するためのキーワードは、劣等感、共同体(感覚)、勇気づけであり、また、アドラーは幸せには、仕事、交友、愛の3つの絆が必要だとしている。

A9.○:人は自分の人生を自分で決めることができる、を前提とし、無意識(トラウマ)や環境のせいにしては何も解決しないとする。【ジルP104】

Q10.交流分析は、構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析の4種類の分析を行う。

A10.○:交流分析は、アメリカの精神科医バーンにより開発された心理療法である。【ジルP108】

Q11.論理療法を提唱したエリスは、クライエントの問題や不快な感情は、過去の出来事そのものによって起こるものであるとした。

A11.×:過去の出来事ではなく、その事実をどのように受けとめ(認知)、意味づけているか(ビリーフ)にあるとし、問題の原因はクライエントの非論理的な思考(イラショナルビリーフ)にあるとした。【宮城先生P129】

Q12.来談者中心カウンセリングでは、カウンセラーは指示的、主導的であるのに対し、行動主義的カウンセリングでは、非指示的であり、クライエントが主体的に意思決定を行う。

A12.×:逆である。来談者中心カウンセリングは非指示的でクライエント主体、行動主義的カウンセリングは指示的、主導的である。【宮城先生P138】

Q13.トークンエコノミー法は、レスポンデント条件付けに基づき、快となる報酬を与える行動療法である。

A13.×:トークンエコノミー法は、オペラント条件付けに基づいた行動療法であり、特定の行動を強化するために、報酬を与え、それが一定量になったときに具体的な報酬を与えるような方法で、具体的にはポイントカードがある。買い物(行動)するとポイントがもらえ(強化子)、ポイントが貯まると商品がもらえる(報酬)。

Q14.系統的脱感作法は、レスポンデント条件付けに基づいた行動療法であり、ウォルピが考案した。

A14.○:なお、療法で用いられるリラックス法には、筋弛緩法や自立訓練法がある。

Q15.ゲシュタルト療法では、過去になにをしたか、それはなぜなのかを問うことはせずに、「今・ここ」で、「いかに」話しているか、「なにを」話しているかを問題にする。

A15.○:ゲシュタルト療法は、「今ここ」での「気づき」を得る心理療法であり、フレデリック・パールズによって提唱された。

(全15問)