1-1社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解【テキスト編】
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テキスト&一問一答(第4版)P2~P9
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この出題範囲からは、1問から2問が出題されますが、その内容は時事問題であり、初出の資料やデータからの出題も多いため、出鼻をくじかれないようにすることが大切です。
また、国が目指す人材育成や雇用の方向性を意識すると、正誤判断がしやすくなります。そのため、本節では国が目指す方向性や課題についてまとめています。
なお、はじめに時事問題を学習するのは重たいと感じましたら、本書の学習順序には特に決まりはありませんので、次節の1-2や2-1からスタートしても良いでしょう。
経済財政運営と改革の基本方針
経済財政運営と改革の基本方針2024(経済財政諮問会議)では、社会課題への対応を通じた持続的な経済成長の実現のため、雇用の分野においては「賃上げの促進」と、「三位一体の労働市場改革」の方向性を示している。
賃上げの促進
豊かさを実感できる所得増加を実現し、物価上昇を上回る賃上げを定着させる。
日本では、欧米主要国と比べて男女間賃金格差が大きいことを踏まえ、女性の所得向上を通じてその活躍を支えるため、賃金差異の大きい業界における実態把握を踏まえ、業界ごとのアクションプランの策定を促す。
非正規雇用労働者について、希望者の正社員転換の促進、都道府県労働局、労働基準監督署による同一労働同一賃金のさらなる徹底を進める。
三位一体の労働市場改革
賃上げを持続的・構造的なものとするため、三位一体の労働市場改革を推進する。三位一体の労働市場改革は以下の3つから構成される。
①リ・スキリングによる能力向上支援
②個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入
③成長分野への労働移動の円滑化
①リ・スキリングによる能力向上支援
教育訓練給付金の給付率の引上げを含めた拡充、対象資格・講座の拡大に取り組む。また、教育訓練休暇中の生活を支える新たな給付金(教育訓練休暇給付金)を創設する。なお、教育訓練給付金の給付率の引上げは2024年10月から実施され、教育訓練休暇給付金は2025年10月から開始予定である。(テキストには記述はないが、その後予定通り導入されている。)
②個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入
既に導入している多様な企業の事例を掲載した「ジョブ型人事指針」を公表し、各企業の実情に応じた導入方法を検討できるようにする。なお、この指針は2024年8月に公表された。
③成長分野への労働移動の円滑化
求人、求職、キャリアアップに関する官民情報の整備・集約を進め、2025年度に、リ・スキリングのプログラムや施策内容を含む各種情報を可視化するプラットフォームの整備を開始する。
第11次職業能力開発基本計画
2026年4月より、第12次職業能力開発基本計画がスタートしました。そのため、第11次職業能力開発基本計画の読み上げは省略します。
なお、第12次職業能力開発基本計画のまとめや問題は、楽習ノートプラスをご活用ください。
第12次職業能力開発基本計画(第3部)のまとめ(Part1)
第12次職業能力開発基本計画(第3部)のまとめ(Part2)
令和6年版労働経済の分析
「労働経済の分析」は、厚生労働省が発表する白書で、二部構成であり、第I部の「労働経済の推移と特徴」は、一般経済や企業の動向、完全失業率や有効求人倍率等の雇用情勢や労働時間・賃金等の動向、消費・物価の動向に関する統計データの分析が中心である。
また第II部は、毎年取り扱うテーマが異なり、労働や雇用を取り巻く現状と課題などがまとめられている。
ここでは第II部のテーマについて、ポイントを確認する。令和6年版第Ⅱ部のテーマは「人手不足」であり、人手不足の背景と対応がまとめられており、現状と国の方向性を確認する。
人手不足の背景
これまでの人手不足の局面とその背景
過去半世紀では、①1970年代前半、②1980年代後半~1990年代前半、③2010年代以降の3期間で人手不足が生じており、人手不足の背景には、需要増加、労働時間短縮、サービス産業化の進展等が複合的に影響している。
サービス産業化とは、産業構造全体のうちサービス関連産業就業者の割合が高くなることや、サービス産業以外の分野でもサービス活動が求められることを意味する。
特に、2010年代以降では、企業の付加価値が増加し、欠員率が緩やかに高まる中、充足率がこの半世紀で最も低い水準まで低下しており、人手不足が「長期かつ粘着的」に生じている可能性がある。今後も続く高齢化により、人手不足が進む可能性がある中、労働生産性や労働参加率の向上が求められる。
2010年代以降の人手不足の現状
労働力需要と労働力供給の差である「労働力需給ギャップ」を労働時間で見ると、労働力需要の増加に伴い、2017年以降は一時期を除き、2023年に至るまでマイナス(供給力不足)基調で推移しており、こうした労働力不足の傾向は広い産業・職業において見られる。
人手不足が広がる中、大企業への転職が活発化しているものの、産業間・職種間での労働移動は活発化しているとはいえない。また、職業紹介機関におけるマッチング効率性については、ハローワークも有料職業紹介事業所も低下している。
また、我が国では、名目賃金が3年連続で増加しているが、欠員率に対する賃金上昇率の感応度が高いことから、今後の欠員率の高まりに応じて、高い賃金上昇率を実現する可能性がある。
人手不足への対応
誰もが活躍できる社会の実現
我が国における潜在労働力の状況については、様々な事情により就業希望のない無業者は3,000万人だが、就業希望はあるが求職活動をしていない無業者は460万人、長期無業者は100万人となっている。
追加的な仕事の希望がある労働者もいるため、働きたい人の希望をかなえるよう、働き方改革や仕事と生活の両立支援を推進し、副業や兼業に対する支援や、「年収の壁」への制度的な対応などの支援が重要である。
年収の壁とは、パートやアルバイトの年収が一定額を超えると、税や年金、社会保険料の負担が発生し、手取り額が減る問題をいう。103万円、106万円、130万円などが壁(境目)であり、年収がその範囲内に収まるよう働く時間を調整する動きがあるため、収入の制約になるだけでなく、人手不足の要因にもなる。
女性、高齢者、外国人の活用
誰もが活躍できる社会の実現に向け、就業者の増加が著しい女性や高齢者、外国人について、就労を取り巻く現状やそれぞれの課題を示しつつ、今後の望ましい方向性を示している。
① 女性の就業率は国際的に見て遜色ない水準であり、近年、正規雇用の比率は若い世代を中心に育児休業の利用も背景に上昇している。
一方、非労働力・失業からの移行(再就職等)は引き続き非正規雇用が中心であり、キャリアの一時的な中断が女性の職業人生の選択肢を狭めないよう、正規雇用として復帰できる環境や支援の充実が必要である。② 高齢者の就労は国際的に高い水準にあるが、60歳における「就業率の崖」ともいえる差があったが、高年齢者雇用確保措置による定年年齢の延長などにより、その差は概ね解消している。
しかし、60歳以降は非正規雇用比率が高いことや、65歳以降に新たな「就業率の崖」が生じており、年齢にかかわらず働ける職場環境が重要である。③ 外国人労働者を雇用する事業所は全国に広がっている。労働市場は国際化しており、我が国と送出国との賃金差は縮小し、他の受入国との賃金差は拡大している。
ハローワークの求人の分析によると、外国人労働者に「選ばれる国」となるため、賃金はもとより休日日数などを含めた総合的な処遇の向上が重要である。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。
楽習ノートプラスでは、令和7年版労働経済の分析のダイジェストなども公開しています。ご活用ください。