2020年度までの有効求人倍率と完全失業率【まとめ編】

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一読しておくだけで得点になるかもしれない、楽習ノートプラス。

今回のテーマは、有効求人倍率と完全失業率の数値や傾向(趨勢)といった、雇用情勢に関する内容です。

雇用情勢に関しては、出題範囲「労働市場の知識」からの出題が多く、関連する問題は第15回試験まででは、第2回、第4回、第5回、第6回、第8回、第9回、第11回、第12回、第13回、第14回、第15回で出題があります。

列挙しているように出題実績はこれまでほとんどの回と言ってよく、出題可能性が非常に高いトピックです。

なお、これまでの試験では、試験実施の前年度や前年(暦年)のデータが問われることが多いのですが、新しい年度が始まったばかりの2021年6月の第17回試験や11月の第18回試験では、2019年(度)と2020年(度)の両方を念の為、おさえておきましょう。

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有効求人倍率

有効求人倍率は求職者1人に対し何人分の求人があるのかを示し、倍率が1を回ると人を探している企業が多く、回ると仕事を探している人が多いと捉えることができる。[第11回問23]

なお、有効求人倍率は公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめたものであり、民間の職業紹介事業者でのそれらの状況は含まれない。[第11回問23]

有効求人倍率の推移

2020年は暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)での平均となります。

年度 有効求人倍率 備考
2018年度(平成30年度) 1.62倍 前年度比0.08ポイント上昇
2019年度(令和元年度) 1.55 前年度比0.07ポイント低下
2020年(令和2年:暦年) 1.18 前年比0.42ポイント低下
2020年度(令和2年度) 1.10 前年度比0.45ポイント低下

2020年度の有効求人倍率は、1.10倍で2019年度から0.45ポイント低下しています。

[第2回問21、第4回問23、第5回問24、第9回問22]

出典:一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)について

有効求人倍率は厚生労働省が調査公表する「一般職業紹介状況」でわかります[第6回問23、第14回問24]。

有効求人倍率は平成21年度から平成30年度までは上昇が続いていましたが、令和元年度より低下に転じています(グラフの左側参照)。そして、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけます。

2020年4月の緊急事態宣言の発出などの影響により、有効求人倍率は一時は急激に低下しましたが、2020年秋頃から2021年3月にかけてはなんとか下げ止まり、1倍をキープしていることは上のグラフ(右側)からも読み取れます。

有効求人倍率に関するその他の気になる指標等

正社員有効求人倍率

パートタイムを除いた、正社員有効求人倍率は2020年3月は1.03倍であったが、2021年3月には0.84倍となっており、1倍を切っている。[第9回問22、第12回問23、第13回問22]

有効求人倍率の地域差

2021年3月の就業地別・季節調整値による都道府県・地域別有効求人倍率の最高は、福井県の1.70倍、最低は沖縄の0.76倍であり、地域差については「ある」と認識しておく。第11回で出題実績がある[第11回問22]。

完全失業率

完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合をいう[第8回問23、第11回問23]。

用語の定義自体が出題されることもあります。みん合☆テキストにも掲載していますが、一度きちんと確認しましょう。(学科試験テキスト&問題集初版P107 、第2版P103)

完全失業者とは、働く意思や能力を持ち、求職活動を行っているものの、就職の機会を得られない者のことをいう[第8回問23]。

完全失業率の推移

完全失業率は、厚生労働省ではなく、総務省統計局による労働力調査により公表されます[第6回問23]。気をつけましょう。

2020年は暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)での平均を表記しています。

年度 完全失業率
2018年度(平成30年度) 2.4%
2019年度(令和元年度) 2.3
2020年(令和2年:暦年) 2.8
2020年度(令和2年度) 2.9

[第2回問21、第8回問22、第9回問22、第10回問23]

2019年度と2020年度の完全失業率の比較

2019年度平均の完全失業率は2.3%とかなり低い水準であったが、2020年度平均では2019年後半からの景気後退と新型コロナウイルスの流行による経済低迷により2.9%まで悪化している。2021年度も予断を許さない状況である。

完全失業者数と就業者数の2019年度から2020年度の動き

2019年度の完全失業者数は、162万人と前年度に比べ4万人減少しており、就業者数は6,733万人と、前年度に比べ52万人増加している。

2020年度の完全失業者数は198万人と前年に比べ36万人増加しており、就業者数は6,664万人と、前年度に比べ69万人減少している。

正規、非正規の就業者数の2019年度から2020年度の動き

2019年度平均の正規の職員・従業員数は3516万人と、前年度に比べ22万人増加し、非正規の職員・従業員数は2163万人と31万人増加した。

そして、2020年度平均の正規の職員・従業員数は3,549万人と、前年度に比べ33万人増加(7年連続の増加)。非正規の職員・従業員数は2,066万人と97万人減少した。

雇用者に占める非正規の職員・従業員の割当は、約37%(36.79%)である。概ね64と覚えておく。[第12回問20]

なお、2020年度はコロナ禍のなかでも、正規の職員・従業員数は増加している反面、非正規の職員・従業員数は正規の職員・従業員数の大きく減少している。

また、非正規の職員・従業員数は男性659万人、女性1,407万人で、その割合は男性が約32%、女性が約68%であり、概ね37とおさえておく。

参考資料

 労働力調査(基本集計)2019年度(令和元年度)平均

 労働力調査(基本集計)2020年度(令和2年度)平均

景気動向指数

景気の現状把握や将来予測のための指標として景気動向指数があり、景気動向指数には3種類の系列がある。

景気の動きに先行して反応を示す「先行系列」、現状の景気の動きに反応する「一致係数」、景気の動きにやや遅れて追随して現れる「遅行指数」にわけることができるが、新規求人数、有効求人倍率、完全失業率は、次のように分類することができる。[第11回問23]

先行系列:新規求人数

一致系列:有効求人倍率

遅行系列:完全失業率

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