第15回問41~問45の解き方

第15回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問41.自己理解の支援

 自己理解を目的とするアセスメントの方法には、観察法、検査法、面接法などがあります【木村先生⑤P79、⑥P136】。本問の出典は不明ですが、アセスメントは科学的、論理的であることが大切で、主観を排除して客観的であることが重要な点から、正誤判断は比較的しやすいでしょう。

1.○:観察法は、心理テストなどの検査法では捉えられないクライエントの行動や言語表現などの特徴を得る。

2.○:何を重点として観察するかにより、観察法で用いる方法も異なる。本選択肢とは直接関係ないが、過去には自然的観察法、用具的観察法、実験的観察法が出題されている。【木村先生⑤P79、⑥P136】

3.○:何を重点として観察するかによって、顔を合わせてから別れるまで通しで行うという条件は変化する可能性もあるが、原則として面接場面で今起こっているすべてのことを観察対象とするのは適切である。

4.×:観察は主観的ではなく、客観的に行われるべきである。

問42.仕事の理解の支援

 日本標準産業分類(総務省)、日本標準職業分類(総務省)、厚生労働省編職業分類(厚生労働省)のそれぞれの特徴を問う問題は定期的に出題されているので注意が必要です。ちなみに本問は第6回問41とほぼ同じ問題でした。

1.○:この文章は、総務省の日本標準産業分類のホームページに赤字で注意書きされている。

総務省ホームージより

2.○:日本標準産業分類は、財やサービスを提供している事業所を経済活動別に分類するためのものである。【総務省

3.○:日本標準職業分類には、議会議員の分類も存在する。【総務省

4.×:逆である。厚生労働省編職業分類は細分類まで設けられており、日本標準職業分類は、大分類・中分類・小分類で構成されている。

日本標準職業分類は大・中・小の3段階の分類であり、厚生労働省編職業分類は、2022年の改定により、細分類が原則として廃止され、大・中・小の3段階の分類となった。

問43.自己啓発の支援

 自己啓発の支援からの出題はあまりないのですが、出題範囲表の文章を一度確認しておきましょう。出題範囲表に記載されている「職場見学」が啓発的経験の一つとして出題されました。

 キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目

1.○:職業を体験することにより、働く意味・意義の理解や、自身の適性や興味を確認して職業選択の材料とする。

2.×:啓発的経験には、インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等がある。これらは出題範囲表にも明記されている。【P5】

3.×:ボランティア活動も、働くことの意味や意義、自己の適性や興味を確認でき、仕事理解のための啓発的経験となりうる。

4.×:出題の意図がやや不明であるが、求職者が資格取得を目的として受講する職業訓練は、能力開発のためというよりは、就職のための職業理解、就職のための業務知識の習得のための啓発的経験などに位置づけられる。

問44.意思決定の支援

 意思決定のプロセスについて、木村先生の著書からの出題で、第11回の問題と文章は異なりますが、問われている内容はよく似ています。あわせて確認しましょう。

1.×:その行動をとった場合のメリット、デメリットを検討する。選択肢文章の「のみ」には注意する。【木村先生⑤P295、⑥P388】

2.×:意思決定には必ず「不確実性」が伴うため、「完璧性」を求めるのではなく、複数の可能性を見いだす。【木村先生⑤P294、⑥P388】

3.○:意思決定のタイミングは、その内容と同様に重要である。【木村先生⑤P294、⑥P388】

4.×:自分の欲求、希望などに合うかどうかに関係なく、広く情報、専門家の意見、技術的援助等を求める。【木村先生⑤P295、⑥P388】

問45.方策の実行の支援

 方策の実行に支援に関する出題は定期的に出題されていますが、本問は第6回問44とほぼ同様の問題でした。この内容については木村先生の著書からの出題が多く、超頻出と言えます。著書の該当箇所を精読しましょう。

1.×:文章の内容は目標の設定についてであり、システマティックアプローチの中で、目標の設定と方策の実行は別である。【木村先生⑤P286、⑥P379】

2.○:そのため木村先生の著書では、方策の実行は、システマティックアプローチのプロセスの中で最も中核をなす段階としており、適切な方策の実行にはクライエントの意欲、理解力、カウンセラーの力量が問われるとしている。【木村先生⑤P290、⑥P384】

3.×:適切な方策を選ぶのはクライエント本人である。【木村先生⑤P291、⑥P384】

4.×:強く迫ることは適切ではない。方策を実行していない場合はあらためて実行するか、内容を検討して別の支援を考える、としている。【木村先生⑤P293、⑥P385】

参考文献・資料

総務省

ハローワークインターネットサービス

キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目(PDF)

キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)

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