第7回問06~問10の解き方

第7回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問6.キャリアに関する理論

 パーソンズは、意外にも初めての出題でしたが、この第7回では問29でも選択肢に登場しています。パーソンズは職業指導の創始者とも言われ、特性・因子理論の原型を示しています。そのステップは選択肢2、3、4の実践であることが、木村先生の著書にそのまま記されています。ただ、正答の選択はやや難しかったでしょう。

1.×:これはサビカスのキャリア構築理論の3つの重要概念、「職業的パーソナリティ、キャリア適合性、ライフテーマ」の中の「ライフテーマ」に関する説明であり、ジル資料にもほぼ同様の文章がある。【ジルP52】

2.○:自分自身の理解は、職業選択の一つ目のステップといえる。【木村先生P23】

3.○:職業や仕事に関する情報、知識を得ることは、職業選択の二つ目のステップといえる。【木村先生P23】

4.○:2と3について合理的な推論を行いマッチングすることは、職業選択の三つ目のステップといえる。【木村先生P23】

設問1で参考文献とした「ジル資料」は理論家対策や理論の学習に必携資料。無料でPDF版を入手できます。早めにダウンロードし、通勤中などの移動時間に読み進めましょう。なお、書籍版は機構での直販又はAmazonで購入することができます。なお、当サイトでの参照ページ数は無料PDF版に準拠しています。

 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

また、木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際(4訂版)」は、キャリアコンサルタント試験においてはバイブルと言っても良いでしょう。書籍としては、第1回試験から出典ナンバーワンの書籍です。

余談ですが、木村先生は御年八十歳を超えてなお、働き方、働く環境に関する研究には引き続き熱心で、私のような者にも優しく指導して下さる、人格的にも素敵な方です。

問7.キャリアに関する理論

 理論家とその理論の組み合わせに関する出題で、頻出の出題形式となっています。他の選択肢の判断は難しかったものの、正解選択肢のブリッジズは過去によく出題されている内容ですので獲得しておきたい問題です。

※渡辺先生の著書「新版キャリアの心理学」の参照ページ数は、初版を①、第2版を②と表記しています。ご活用ください。

1.×:①文脈的あるいは文化的な視点、②発達的な視点、③ライフ・スパンの視点、④転機の視点で取り巻く環境を捉えているのは、シュロスバーグである。【渡辺先生①P128、②P186】

各理論家に関して、その背景や経緯、その理論が詳しく記されているのが渡辺三枝子先生のこちらの書籍です。出典となることも多く、試験対策的には、木村先生の書籍の次にオススメの書籍です。なお、2018年8月に第2版が刊行されました。

養成講座で学んだ各理論家の理論の知識を肉付けするには最も適した書籍です。

2.×:「好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心」は、クランボルツの偶然の出来事を個人のキャリアに活かすための5つのスキルである。【ジルP47】

ちなみに、これの覚え方は…。『こーじ君、柔軟に楽しい冒険』お粗末様でした…(汗)(By楽習ノート

3.○:ブリッジスは「終焉」→「中立圏(ニュートラル・ゾーン)」→「開始」を転機のプロセスとして説明している(ブリッジス・モデル)。【岡田先生P86】[第2回問12、第3回問11、第5回問12]

岡田昌毅先生の「働く人の心理学」は、第Ⅰ部の理論編がオススメ。特に発達理論がよくまとまっています。マストではありませんが、管理人的にはキャリア理論のまとめに役立った書籍です。

試験対策的には、木村先生、ジル、渡辺先生が優先されます。

4.×:予期システム、価値システム、基準システムは、ジェラットの意思決定理論の特徴である。【ジルP29】[第5回問6]

問8.キャリアに関する理論

 自己効力感を高める4つの情報源(遂行行動の達成、代理的経験、言語的説得、情動的喚起)は過去にも複数出題があります。しっかりと押さえておきましょう。

1.○:バンデューラは自己効力感を高める4つの情報源として、①遂行行動の達成、②代理的体験、③言語的説得、④情動的喚起をあげている。【ジルP31】[第2回問8、第4回問9]

2.×:シャインのキャリア・アンカーの説明である。「キャリア・アンカーとは、コンピテンシー、モチベーション、 バリューからなる自己概念である。」【ジルP72】

3.×:社会認知的キャリア理論(SCCT)における結果期待の説明である。結果期待は①物理的成果、②社会的成果、③自己評価成果に大別される。【ジルP34】

4.×:出典は不明ですが、内容が近いのは、心理学者ミハエル・チクセントミハイの『フロー体験』の説明と思われる。

問9.キャリアに関する理論

 選択肢3は馴染みの薄い文章ですが、選択肢1は過去に出題されているクランボルツに関する内容です。

1.×:ホランドではなく、クランボルツの理論からの出題。クランボルツは、キャリア意思決定に影響を及ぼす要因として、①遺伝的特性、②環境的状況、出来事、③学習経験、④課題接近スキルの4つをあげている。【渡辺先生①P79、②P137】[第2回問8、第6回問7]

2.○:単なる研究にとどまらず、職業興味検査(VPI)などの具体的道具を開発した。【木村先生P30】[第2回問37、第3回問39、第5回問41、第6回問39]

3.○:全く同じの文章が木村先生の著書にある。また「ホランドは、職業選択やキャリア発達の要因として、個人の行動のスタイルや人格類型に着目する。」としている。【木村先生P30】

4.○:「対角線上のタイプ同士は相反する関係にあり、両隣の2つのタイプは比較的親和性が高い関係にある。」【ジルP26】[第2回問6、第4回問7、第6回問39]

問10.キャリアに関する理論

 発達課題に関する難しい設問でしたが、精神分析療法のフロイトが仲間外れです。

1.○:「最初の理論は1950年代に構築されたが、その後何度も再構築され、プロセス、非可逆性、妥協という最初の概念の修正が行われてきた」【木村先生P34】

2.○:「発達という変化は、外からの刺激により、新たな要素が加わって起こると考える。職業発達の理論では、このモデルに該当するのが特性・因子理論である。」【ジルP23】

3.○:「職業発達の理論としては スーパーの職業発達理論がある。この理論では、個人が自分自身を、そして環境として職業社会をどのように見るか、という主観を重視する。これを職業的自己概念という。」【ジルP23】

4.×:ハヴィガーストが初めて提唱した発達課題に関する文章である。【Wikipedia

参考文献・資料

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年) 

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

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