第15回問01~問05の解き方

第15回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 時事的問題の出題範囲から、平成30年版労働経済の分析第2部の「『雇用によらない働き方』のキャリア形成にむけた課題」から出題されました。

平成30年版は試験実施時の最新版(令和元年版)の一つ前の年版となります。労働経済の分析の第2部は毎回取り上げられるトピックが異なるため、このように年版を遡って出題されることがあります。初見では回答が難しい内容もあります。消去法でアプローチしましょう。

 平成30年版労働経済の分析

1.×:情報通信機器を活用して働く自営業者は増加している。【P273】

2.×:情報通信機器を活用して働く専門職の自営業者は、4人に1人は就業時間が定まっていない。具体的には28.9%である。【P274】

3.○:情報通信機器を活用して働く専門職の自営業者は、自己啓発実施割合が高い。具体的には、男性で60.7%、女性で60.9%と6割を超える。【P275】

4.×:独立自営業者が抱える課題としては「収入が不安定、低い」が最も多い。なお、キャリア形成等に関する課題を挙げている者も一定程度存在する。【P276】

独立自営業者が抱える課題について、以下のとおりである。

平成30年版労働経済の分析(P276)

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

 「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し」に関しては、第12回、13回、14回に続き、4回連続の出題となりました。概要を掴んでおきましょう。新試験範囲となったことで、もはや「時事問題」の位置づけではなく、「キャリアコンサルティングの役割の理解」の出題範囲枠で出題されたと捉えています。

 キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書

1.×:「働き方改革」や人材の育成・活用力の強化等の政策的な重要課題について、 キャリアコンサルタントやキャリアコンサルティングによる更なる役割発揮が期待される。【P15】

2.×:キャリアコンサルティング利用者の評価、ニーズ等を踏まえて、今後より一層の充実が求められる。【P15】

3.×:セルフ・キャリアドックをはじめとする企業内での在職者に対するキャリアコンサルティング機会の提供、その他キャリア支援の環境整備が求められる。【P15】

4.○:長いライフキャリアにおける、いわばキャリア充実を図るための職業生活設計、様々なクライアント特性の理解、各領域の専門家等との連携のための知識・技能が求められる。【P6】

問3.キャリアに関する理論

 通常は6問めからの出題が多い、キャリアに関する理論がいきなり出題されていて、驚いた方も多かったのではないでしょうか。これは、前年12月に実施されたキャリアコンサルティング技能検定2級と1級で先行して実施されている出題順序です。第23回(2級)、第9回(1級)の問題も同じく3問目からが、キャリアに関する理論の出題でした。

内容はサビカスのキャリア構築インタビューで、比較的回答しやすい問題でした。

キャリアの理論に関する出題は、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多く、木村先生の著書とともに机上に用意しておきたい参考書です。なお、2018年7月に出版された第2版のページ数を表記しています。

新版キャリアの心理学(第2版)

1.×:サビカスのキャリア構築インタビュー項目には、クライエントの「幼少期の記憶」はあるが、カウンセラーが演じることはない。【渡辺先生P105】

2.×:サビカスのキャリア構築インタビュー項目には、クライエントの「ロールモデル」はあるが、カウンセラーが演じることはない。【渡辺先生P105】

3.○:サビカスのキャリア構築インタビュー項目には、楽しみにしている雑誌、好きな本や映画がある。【渡辺先生P105】

4.×:青年期以前の「幼少期の記憶」もインタビュー項目にある。【渡辺先生P105】

問4.キャリアに関する理論

 ジェラットの前期理論と呼ばれる「連続的意思決定プロセス」に関する出題です。これまでは比較的、後期理論と呼ばれる「積極的不確実性」が出題されることが多かったです。

なお、ジェラットの「連続的意思決定プロセス」に関する大問(選択肢4つ分の問題)は、第10回問40で出題されています。ヨコ解きをしてこのトピックを確認し、知識を固めるのも良いでしょう。[第10回問40]

ヨコ解きとは、同じ出題範囲の過去問題を回数横断的に解くことを言い、その出題範囲の内容を短期間でマスターする、みん合でオススメしている過去問の攻略方法をいいます。詳しくは、「過去問の解き方、私の場合」をご覧ください。

1.○:連続的意思決定プロセスに沿ったガイダンスとして、人が陥りやすい誤りとして、「正確に選択肢の可能性を評価できない」ことをあげている。【渡辺先生P117】

2.×:「あり得る選択肢を網羅できない」ことを人が陥りやすい誤りとしてあげており、「全選択肢に気づくこと」を連続的意思決定プロセスのステップの一つめとしている。【渡辺先生P118】

3.○:連続的意思決定プロセスに沿ったガイダンスとして、「眼前の決定が究極的目標を促進させることを理解させる。」ことをあげている。【渡辺先生P117】

4.○:連続的意思決定プロセスに沿ったガイダンスとして、「連続的意思決定のプロセスを理解させる。」ことをあげている。【渡辺先生P117】

問5.キャリアコンサルタントの活動

 よく出題され、学習者からの人気も高いクランボルツですが、今回の内容は初めての出題でした。渡辺先生の著書からの出典ですが、現在の日本におけるキャリアカウンセリングにおいても大切な視点で、カウンセラーが身につける支援の基本姿勢とも言えるでしょう。

1.×:カウンセラーは、職業選択のみだけでなくキャリア問題全般を扱う上での援助にいおいて主たる役割を担う必要がある。【渡辺先生P143】

2.×:クライエントが職業が安定したものであると思い込むのではなく、変化し続ける仕事に対して準備しなければならないと、クライエントに伝える必要がある。【渡辺先生P143】また、カウンセラーが安定か不安定を判断するという点も不適切である。

3.×:クライエントは、すでにある特性に基づいた意思決定ではなく、自分の能力や興味を広げていく必要がある。【渡辺先生P143】

4.○:変化し続ける仕事に対して準備しなければならないと、クライエントに伝える必要がある。【渡辺先生P143】

参考文献・資料

平成30年版労働経済の分析(PDF)

キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書(PDF)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年) 

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