第16回問11~問15の解き方

第16回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 ハロートレーニングの種類に関する問題です。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

1.○:離職者訓練は(公共職業訓練)は、主に雇用保険を受給している求職者の方を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料(テキスト代等は自己負担)を実施している。【厚生労働省

2.×:求職者支援訓練は、厚生労働大臣の認定を受けた民間教育訓練機関が行う。【高齢・障害・求職者雇用支援機構

3.○:学卒者訓練には、中学・高校卒業者等が対象の普通課程、高校卒業者等が対象の専門課程、専門課程修了者等が対象の応用課程がある。【厚生労働省】また、訓練時間や受講料については次のサイトに記載がある。【厚生労働省

4.○:在職者訓練は、主に中小企業の在職者を対象に、従事している業務に必要な専門知識及び技能・技術の向上を図るための比較的短期間(2日〜5日)の訓練である。【厚生労働省

紛らわしい用語として、「公共」職業訓練と「公的」職業訓練があり、「ハロートレニング」は「公的」職業訓練(公共職業訓練+求職者支援訓練)を表しています。

公共職業訓練には離職者訓練・在職者訓練・学卒者訓練・障害者訓練があり、これらは職業能力開発促進法に基づいて実施されていますが、求職者支援訓練は求職者支援法に基づいて実施され、雇用のセーフティネット機能を持ちます。

そして、これらを総称したものが、ハロートレーニング(公的職業訓練)ということになります。

なお、このように制度づくりの経緯や根拠法令、目的が違うことにより、求職者支援訓練は、雇用保険の受給者ではなくても(社会経験のブランクの長い方でも)、訓練を受ける事ができるのです。

類題の過去問解説:2級第25回問10

問12.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 リカレント教育に関する問題で、内容的にも解き方的にも大変難しい「捨て問題」でしたが、再出題の可能性は捨てきれませんので、知識として押さえておきましょう。

1.○:ユネスコと経済協力開発機構(OECD)の関連(呼応)は読み取れないものの、ユネスコが1965年に「生涯教育」の構想を提唱し、経済協力開発機構(OECD)が1970年代にリカレント教育の構想を提唱した旨が文部科学省のサイトに記されている。【文部科学省

2.○:リカレント教育とは、学校教育を人々の生涯に渡って分散させることである。

3.○:リカレントには、繰り返しや循環といった意味があり、「学び直し」と表現されることもある。【参考サイト:コトバンク

4.×:「経験→省察→概念化→実践」の4段階の学習サイクルは、コルブが提唱した経験学習理論で提唱されており、経験から学ぶプロセスを表している。リカレント教育の推進とは直接の関係は無い。【参考サイト:パーソルラーニング

選択肢1と4が特に難しい問題でしたが、4については、気になる資料を見つけました。「学び直しの概念」について、①学習し直し、②学習活動の行い直し、③教育の受け直し、④教わり直しの四段階があることが紹介されており、本問はこの概念を意識して作成した可能性もあります。マストではありませんが、興味のある方はご覧ください。

 政策としての「リカレント教育」の意義と課題

問13.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 1と4が実質的にリカレント教育の内容を問う問題で、2は経済産業省の社会人基礎力、3は2020年に新設された特定一般教育訓練給付金に関する問題でした。知らなかったことはインプットしておきましょう。

1.○:文部科学省の資料において、リカレント教育の推進のためには、受講者や地域のニーズを的確に捉え続け、リカレントプログラムを継続的に実施することができる体制づくりや、受講者が学びを深め続けられる仕組みづくりが重要であるとしている。【リカレント教育の拡充に向けてP2:PDF

2.×:これら3つの能力は、経済産業省が2006年に提唱した従来の「社会人基礎力」の内容であり、「人生100年時代の社会人基礎力」では、これらに加え、どう活躍するか(目的)、何を学ぶか(学び)、どのように学ぶか(統合)の3つの視点からリフレクション(振り返り)をしながら、自らのキャリアを切りひらいていくことが新たに示された。【経済産業省

3×:特定一般教育訓練給付制度は、ITスキルや国家資格などキャリアアップの効果が高い講座を対象に、給付率をこれまでの一般教育訓練給付制度の2割から、4割に上昇させたものであり、特に高年齢者を対象としているわけではない。【厚生労働省

4.×:25〜64 歳のうち大学等の機関で教育を受けている者の割合を OECD 諸国で比較すると、データが利用可能な28か国中で最も低い水準である。【平成30年度年次経済財政報告「社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップP183:PDF】なお、第15回問13の選択肢2でも同じような内容が問われている。

問14.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 最頻出資料である「能力開発基本調査」について、いつものような調査結果の内容に関する設問ではなく、調査そのものの特徴が問われた、珍しい出題内容でした。

 令和2年度能力開発基本調査

1.×:能力開発基本調査は、厚生労働省が実施している。【厚生労働省

2.×:能力開発基本調査は、毎年実施されている。【厚生労働省

3.○:能力開発基本調査は、企業調査・事業所調査・個人調査の3種類で行われている。【厚生労働省

4.×:能力開発基本調査は、正社員と正社員以外に対して行っていることは調査結果の内容からも明らかに読み取れる。

問15.企業におけるキャリア形成支援の知識

 かつては頻出の職能資格制度が、久しぶりの出題です。いつ出題されてもおかしくないと思っていましたが、意外にも第8回以来でした。

職能資格制度と職務等級制度の特徴は類題も含めて確認しておきましょう。職能資格制度は、従来の日本企業に固有の人事制度とも言われています。その内容理解には、下記のサイトの内容が参考になります。

参考サイト:日本の人事部

1.×:職能資格制度は人に力点を置き、職務等級制度は職務(仕事)に力点を置く。

2.○:職能資格制度は資格(等級)により賃金を決定するため、人事異動や職務変更に向いている。

3.×:職能資格制度は、例えば、熟練工の「長年の経験と勘」が重要視される製造業にも適しているとされている。

4.×:職能資格制度は、資格等級と職務内容にズレが生じやすいというデメリットがある。

類題の過去問解説:第1回問19第2回問19第5回問20第7回問21第8回問21

参考文献・資料

厚生労働省

高齢・障害・求職者雇用支援機構

文部科学省

コトバンク

パーソルラーニング

政策としての「リカレント教育」の意義と課題(PDF)

 リカレント教育の拡充に向けての拡充に向けて(PDF)

 経済産業省

令和2年度能力開発基本調査(PDF)

平成30年度年次経済財政報告「社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ(PDF)

日本の人事部

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