第16回問31~問35の解き方

第16回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問31.人生の転機の知識

 選択肢1は、超頻出のシュロスバーグ。正解選択肢は、これまでに問われたことの無い内容でしたが、他の選択肢はこれまでに何度も問われている内容ですから、消去法でもアプローチすることができます。

人生の転機の知識の出題範囲は対策を集中的に行うことができますので、ヨコ解きしてしまいましょう。

1.○:シュロスバーグは、転機の期間の中での「現在位置」を見る視点を提示している。転機のプロセスは、1.転機の始まり(喪失や否認)、2、転機の最中(空虚と混乱)、3.転機の終わり(嘆き、受容)に分けられており、こうした視点を持つことによって、転機を客観的に把握出来るようにしていると言える。 【ジルP76】

2.×:シュロスバーグは、転機の種類として、「予測していた転機」、「予測していなかった転機」、「期待していたものが起こらなかった転機」の3つをを示した。【渡辺先生P193】

3.×:3Sではなく、Situation(状況)、Self(自己)、Supports(支援)、Strategies(戦略)の4Sである。【渡辺先生P193】

4.×:ブリッジズは、トランジションのプロセスは「終焉」、「中立圏」を経て、「開始」へ至るとした。【岡田先生P86】

類似した過去問の解説:第1回問12第2回問13第6回問12第8回問12第10回問12第11回問12第12回問13第13回問13第14回問13

問32.個人の多様な特性の知識

 リハビリテーション・カウンセリングは主要参考書には記述がない内容になりますが、これまでに何度か出題されています。類題も確認しましょう。解法としては、対人支援の基本姿勢に照らして消去法でアプローチしましょう。

リハビリテーションカウンセリング研究会のサイト(2021年3月時点閉鎖中)より、リハビリテーション・カウンセリングの定義を引用して紹介しておきます。支援の基本姿勢を確認するため、一読しておきましょう。

リハビリテーションカウンセリングの定義
「リハビリテーションカウンセリングとは、身体障害、知的障害、発達障害、認知障害、情緒障害のある人の個人的な目標や、職業及び自立生活における目標を、最も統合化された場で達成するために体系化された支援過程のことである。このカウンセリング過程とは、本人自身による権利擁護の促進や、心理学的・職業的・行動学的な介入を通じて、コミュニケーション、目標設定、望ましい発達や変化を促すものである。」
(2003年Commission for Rehailitation Counselor Certification 全米リハビリテーションカウンセラー認定委員会による定義:八重田訳2008.05.31)

1.○:問題を知り、目標を設定し、その手段を設定することは適切である。

2.○:過大評価も過小評価も避ける必要がある。

3.×:共感的理解を示すことは必要だが、「もっぱら聴いてうなずくことに徹する」ことが適切とはいえない。

4.○:障害に理解のない雇用主に対して、障害を持つ人たちの能力や権利、雇用主としての義務などを説明することは適切である。

過去の類題の解説:第4回問12第8回問14第9回問15第10回問15

問33.個人の多様な特性の知識

 問16と同じく「令和2年版高齢社会白書」からの出題です。細かな内容も問われており、初見で正解するのは難しく捨て問題の位置づけですが、高齢者の就業に関しては今後の出題可能性も高いため、問われた内容はインプットしておきましょう。

令和2年版高齢社会白書(全体版)

1.○:60〜64歳の完全失業率は2010年以降減少傾向である。

出典:第2節高齢期の暮らしの動向1就業・所得P22:PDF

2.○:役員を除く雇用者のうち、非正規の職員・従業員の比率は、男性の場合、55~59歳で11.2%であるが、60~64歳で49.6%、65~69歳で71.3%と、60歳を境に大幅に上昇している。【第2節高齢期の暮らしの動向1就業・所得P23:PDF

3.×:高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業の割合は 99.8%であるが、そのなかで定年制を廃止しているのは2%程度である。【第2節高齢期の暮らしの動向1就業・所得P25図表:PDF

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では、65歳 までの安定した雇用を確保するため、企業に①定年制の廃止、②定年の引き上げ、③継続雇用制度の導入のいずれかの高年齢者雇用確保措置を講じるよう義務付けており、どの企業規模においても継続雇用制度の導入が最も多いです。【第2節高齢期の暮らしの動向1就業・所得P25図表:PDF

4.○:60歳以上の者の社会活動の状況について見ると、60歳~69歳では 71.9%の者が働いているか、またはボランティア活動、地域社会活動、趣味やけいこ事を行っている。【第2節高齢期の暮らしの動向3学習・社会参加P39:PDF

問34.カウンセリングの技能・知識

 頻出のシステマティックアプローチに関する出題内容で、これまでにも非常に多く出題されています。

1.○:目標設定は、クライエントが自分の考えを方向づけ、最終目標に向かって行動するのを援助する。【木村先生P287】

2.×:目標は、明確に宣言され、かつ到達可能であるとき人を最も動機づける。【木村先生P288】

3.○:目標設定は、カウンセリングの進展を客観的に測定、評価するのに役立つ。【木村先生P288】

4.○:目標を設定することによって、カウンセリングを合理的に進めるのに役立つ。【木村先生P288】

問35.グループアプローチの技能

 レヴィンのTグループは第14回から3回連続、モレノのサイコドラマは2回連続の出題でしたが、セルフヘルプ・グループ(自助グループ)は初めての出題でした。落ち着いて消去法でアプローチしましょう。

1.○:セルフヘルプ・グループは、自助グループとも呼ばれる。病気や同じ問題、悩みを抱えている人たちが、各自の思いや体験を聞き、話すことで共有し、悩みや苦しみを分かち合い、自分らしく生きていく力を得るために集まるグループのことである。自分は一人ではないということを知り、癒やされていく。【参考サイト:コトバンク

2.×:サイコドラマではなく、Tグループの内容である。レヴィンが提唱したTグループは、Training Groupの略であり、参加者相互の自由なコミュニケーションにより、自己理解、他者理解、リーダーシップなどの人間関係に気づきを得て、人間的成長を得るための学習方法である。【参考サイト:INVENIO

3.×:Tグループではなく、サイコドラマの内容である。サイコドラマは、心理劇とも呼ばれ、クライエントが抱える問題を、演技を通じて理解を深めて解決を目指す集団心理療法であり、精神科医のモレノにより創始された。

4.×:ベーシック・エンカウンター・グループは、あらかじめエクササイズなどの課題は用意せずにフリートークを主体に行う。それに対して構成的グループエンカウンターでは、あらかじめエクササイズなどの課題が用意されている。参考サイト【心理学用語集サイコタム

参考文献・資料

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

令和2年版高齢社会白書(全体版)

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

コトバンク

INVENIO

心理学用語集サイコタム

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