第15回問16~問20の解き方

第15回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問16.企業におけるキャリア開発支援の知識

 セルフ・キャリアドックは、「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」においても、重点拡充施策の一つであり大問としての出題が最近よくあり、今後も注目のトピックです。[第10回問41、第11回問39]

出典資料は、厚生労働省が作成している「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」です。この資料には面談シートや、アンケート用紙の例、就業規則の例などもあり、実務でも大変役立つ貴重な資料です。是非目を通しておきましょう。

 「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開

1.×:セルフ・キャリアドックは、企業・組織の視点に加えて、従業員一人ひとりが主体性を発揮し、キャリア開発を実践することを重視・尊重する人材育成・支援を促進・実現する仕組みである。組織と無関係ではない。【P3】

2.○:セルフ・キャリアドックは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組みである。【P2】

3.×:セルフ・キャリアドックの対象従業員の上司にあたる管理職に、セルフ・キャリアドックの目的、内容を知ってもらい、キャリアコンサルタントや人事部門と一緒になって対象従業員の支援に関わってもらわなければならない。【P16】

4.×:セルフ・キャリアドックは、従業員のキャリア意識やモチベーションが高まることを主たる目的としているが、その結果企業の人材確保や定着率、生産性が向上し、企業の活性化を促し、また企業が抱える様々な人材育成上の課題へも対応できるという効果がある。【P24】

問17.企業におけるキャリア開発支援の知識

 テレワークについては、第11回試験以来の出題でしたが、第11回の用語の基礎知識を問うような問題から一歩踏み込み、就業規則との関連を問う選択肢が出題されました。実務的にも意識しておくべき内容ですから、しっかりと確認しましょう。[第11回問19]

1.×:SOHOは、Small Office Home Officeの略であり、情報通信機器を利用して、小さなオフィスや自宅などでビジネスを行っている事業者のことをいう。在宅勤務とは異なる。【Wikipedia】なお、SOHOについては、第11回問19でも出題されている。

2.×:顧客先や移動中にパソコン等を活用する働き方は、サテライトオフィス型テレワークではなく、モバイルワークと呼ばれるものである。サテライトオフィスは、本社などから離れた場所に設置されたオフィスのことをいう。

3.×:これはサテライトオフィス型テレワークを説明していると思われる。なお、サテライトオフィスについては、第11回問19でも出題されている。

4.○:通常勤務とテレワーク勤務において、労働時間制度やその他労働条件が同じである場合は、就業規則を変更しなくても、既存の就業規則のままでテレワーク勤務することができる。【テレワークモデル就業規則~作成の手引き(厚生労働省):PDF

ただし、一般的にテレワーク勤務を導入する場合には、就業規則に次のことを定める必要がある。

・テレワーク勤務を命じることに関する規定

・テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定

・通信費などの負担に関する規定

問18.企業におけるキャリア開発支援の知識

 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」からの出題は初めてです。初見では、消去法で仲間外れを探さざるを得ないでしょう。

「仕事と生活の調和」推進サイト(内閣府)

1.○:仕事と生活の調和が実現した社会の姿として、「就労による経済的自立が可能な社会」をあげている。

2.×:これは、世界保健機関(WHO)憲章の内容からの出題と思われる。

「子供の健やかな成長は、基本的に大切なことです。そして、変化の激しい種々の環境に順応しながら生きていける力を身につけることが、この成長のために不可欠です。」【公益社団法人日本WHO協会

3.○:仕事と生活の調和が実現した社会の姿として、「多様な働き方・生き方が選択できる社会」をあげている。

4.○:仕事と生活の調和が実現した社会の姿として、「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」をあげている。

問19.労働市場の知識

 令和元年版労働経済の分析からの出題です。2018年度の雇用情勢は総合的に良い状況が続いていましたので、その視点から正誤判断をしましょう。

 令和元年版労働経済の分析

1.○:求人の緩やかな増加、求職者の減少が進み、求人倍率は引き続き改善傾向にある。【P26】

2.○:正社員の有効求人数、新規求人数は緩やかな増加傾向にある一方、パートタイムの新規求人数は、2018 年4月をピークに概ね横ばい圏内で推移する中、有効求人数は緩やかな増加傾向で推移している。【P26】

3.○:2018 年度の動向をみると、男性の「65歳以上」を除き、男女ともに全ての年齢階級において完全失業率が低下している。【P22】

4.×:長期失業者数は全ての年齢階級で減少している。【P23】

問20.労働市場の知識

 問19に続き、令和元年版労働経済の分析からの出題です。選択肢1はやや判断が難しかったかもしれませんが、選択肢2は積極的に適切であると、日頃の感覚から判断できるのではないでしょうか。また、働き方改革への取り組みは、企業規模が大きいほど先行していることはインプットしておきましょう。

 令和元年版労働経済の分析

1.×:企業よりも労働者である。人手不足が職場環境に及ぼす具体的な影響をみると、労使ともに「残業時間の増加、休暇取得数の減少」が最も多く、次いで、企業では「能力開発機会の減少」「離職者の増加」、労働者では「従業員の働きがいや意欲の低下」「離職者の増加」などを挙げている。【P116】

2.○:妻の就業形態で利用可能な育児休業制度があると、出産後も同一就業継続率が高まるが、制度を利用しやすい雰囲気を伴うとさらに高くなり、転職や離職が減少する傾向にある。【P145】

3.×:「働きやすさ」は、労働時間や休暇、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)などに関連する雇用管理と比較的関係が深いものと考えられる。【P122】

4.×:企業規模別に働き方改革の取組をみると、ほとんどの取組において企業規模が小さくなるほど実施率が低くなっており、中小企業における取組が遅れていることが分かる。【P163】

参考文献・資料

「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開(PDF)

Wikipedia

テレワークモデル就業規則~作成の手引き(PDF)

「仕事と生活の調和」推進サイト(内閣府)

公益社団法人日本WHO協会

令和元年版労働経済の分析(PDF)

問21~問25へ進む

全50問の目次