第16回問46~問50の解き方

第16回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問46.新たな仕事への適応の支援

 クライエントに対しては、方策の実行支援の結果、目標を達成した後も、新しい仕事や環境への適応の支援を行うことがあります。支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

1.○:適応の支援として適切である。木村先生の著書の内容のままである。【木村先生P217】

2.○:適応の支援として適切である。

3.○:適応の支援として適切である。

4.×:クライエントの不安について、「関わらないように」は適切ではない。

この出題範囲からの出題は、過去には第1回、第2回、第8回だけです。いずれも支援の基本姿勢から容易に正誤判断することができますが、是非一読しておきましょう。

類似した過去問の解説:第1回問46第2回問45第8回問43

問47.相談過程の総括

 相談の終結でのケース検討の問題です。やや判断に困る選択肢もあったものの、本問は第9回問43と全く同じ問題でした。

1.○:主訴が解消していないものの、相談者、キャリアコンサルタント双方が合意できているので、面談の終結は不適切とはいえず、適切である。

2.×:相談者が分離不安を示している場合に、キャリアコンサルタントが主導的に面談を終結することは適切とはいえない。

3.×:その理由を問わずに継続することは適切とはいえない。

4.×:「もう相談に来ることがないように」は不適切である。

問48.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

 支援の基本姿勢に照らして、適切な組み合わせを選ぶのは易しい問題でしたが、この問題は、第10回問47と全く同じ問題でした。

A.○:適切である。

B.○:適切である。

C.×:キャリア形成は、中高年齢者にも適用される。

D.×:現場管理者だけでなく、経営者のコミットメントも必要である。

問49.環境への働きかけの認識及び実践

 質の高いキャリアコンサルティングを実施するためには、日頃から他の専門家とのネットワークづくりが大切です。また、キャリアコンサルタント倫理綱領がキャリアコンサルタントの行動の規範、指針となりますので、一読しておきましょう。選択肢1はやや判断に困りましたが、最も不適切なものとして3を即答することができます。

 キャリアコンサルタント倫理綱領

1.○:個々人の不安や不満については、守秘義務や相談者の利益への配慮が必要であり、責任者等へ働きかけにあたっては、本人の了解を得たうえで、産業保健スタッフ、担当部門との連携の上で行うのが有効である。

「組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境 への働きかけに努めなければならない。」【キャリアコンサルタント倫理綱領第11条】

2.○:多様な組織と交流することは適切である。「キャリアコンサルタントは、より質の高いキャリアコンサルティングの実現に向け、他の専門家とのネットワークの構築に努めなければならない。」【キャリアコンサルタント倫理綱領第4条3】

3.×:自殺を企てる危険性がある場合や、法令に反するような場合は、守秘義務の例外となる。「キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを通じて、職務上知り得た事実、資料、情報について守秘義務を負う。但し、身体・生命の危険が察知される場合、又は法律に定めのある場合等は、この限りではない。」【キャリアコンサルタント倫理綱領第5条】

4.○:適切である。他にトライアル雇用やジョブコーチ支援事業などの施策活用を組織に働きかけることも有効である。

問50.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

 「キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書」からの出題は初めてです。最新版は令和2年4月に公表されていますが、本問では平成31年公表のものが出題されました。

 キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(平成31年公表)

1.○:自らの助言・指導等がクライアントに大きな影響を及ぼしうるということを常に心に留め、また、一つ一つの面談が極めて個別性の高いものであることを自覚して、面談に臨む必要がある。また、主体的に自らのキャリアコンサルタントとしての能力・態度等の課題解決に取り組むべく学びを継続していかなければならない。 【P3】

2.○:キャリアコンサルティングにおいてクライアントを深く理解し的確な支援につなげていくためには、まずは自らの専門家としての姿と向き合い、自らの自己理解にも努めなければならない。また、その活動の基にある理論的根拠やキャリア形成・能力開発における意味づけなどを説明し、支援できる力が必要である。【P3】

3.×:キャリアコンサルタントがその力を発揮するには、様々な活動に共通する事項を理解し学ぶことに加えて、自身の専門領域の中で高度な知識と技術を獲得することが肝要であり、それに向けた努力が必要である、としており2つ以上といった指摘はない。【P5】

4.○:指導的立場を担っていく者については、単に実務経験が豊富であるということのみでは不十分であり、専門家としての学術性、指導者としての人間性も兼ね備え、実践手法や効果に係るエビデンスの探求等、キャリアコンサルティングのいわば科学的な発展に貢献し、それを実践に移すことのできる姿勢・マインドも求められる。 【P3】

令和2年発表版では、資格更新制度やスーパービジョンに関する課題や方向性が示されています。どちらも現役キャリアコンサルタント、未来のキャリアコンサルタントは共に、目を通しておきたい内容です。

 キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(令和2年公表)

参考文献・資料

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年) 

キャリアコンサルタント倫理綱領(PDF)

キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(平成31年公表)(PDF)

キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(令和2年公表)(PDF)

全50問の目次