【技能検定】第23回問01~問05の解き方

第23回キャリアコンサルティング技能検定学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会・経済的な動向とキャリア形成支援の必要性の認識

 平成30年版労働経済の分析から、人材育成に関する内容の出題です。出典を読んでいないとしても、能力開発に関する問題意識から、アプローチしましょう。なお、第2部からの出題であり、令和元年版や令和3年版には記載はないため、平成30年版の内容を確認しておきましょう。

 平成30年版労働経済の分析

1.×:企業内キャリアコンサルティングを活用し、労使の相互理解を深めていくことも有用である。【P160】

2.×:中高年層は転職準備活動を何もしていない者が相対的に多く、中高年層において転職準備活動がより行いやすくなるような環境の整備を推進していくことが重要である。【P257】

3.○:キャリアコンサルティングの実施や、自己啓発支援のための金銭的な援助を他の支援と組み 合わせて行うことが、自己啓発の実施や意欲の向上につながる。【P271】

4.×:大学等での学び直しに関心がある者が学び直しを行っていない理由として、「費用が高すぎる」「勤務時間が長くて十分な時間がない」ことなど、費用や時間に関する課題がみられる。【P286】

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

 キャリアコンサルティングについて、支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

1.×:生きがいや働きがいといった個人的な課題に踏み込むこともありうる。

2.×:企業の倫理に個人の意思を統合、結合させる、というのは不適切。キャリアコンサルタント倫理綱領の第9条相談者の自己決定権の尊重や、第11条組織との関係に留意する必要がある。【キャリアコンサルタント倫理綱領:PDF

3.○:組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境への働きかけに努めなければならない。 【キャリアコンサルタント倫理綱領第11条:PDF

4.×:選択肢3と同じく、キャリアコンサルタント倫理綱領第11条が根拠となる。【キャリアコンサルタント倫理綱領第11条:PDF

問3.キャリアに関連する理論の理解

 通常ではキャリアコンサルティングの社会的意義の問題が続くところですが、問3からキャリアに関連する理論の理解に関する出題内容となりました。スーパーに関する出題で、難しい選択肢もあったものの、正解選択肢を導くのは比較的容易でした。

1.×:人はパーソナリティの諸側面および能力において違いがあるが、人はおのおの多くの種類の職業に対して適合性を示す。【渡辺先生P52】

新版キャリアの心理学(第2版)

キャリアの理論に関する出題は、国家試験と同様に技能検定においても、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多いです。木村先生の著書と併せて、机上に用意しておきたい参考書です。表記しているページ数は第2版のページ数となります。

2.○:成長、探索、確立、維持、解放(衰退、下降)の5段階。「せいたかいか(背高いか?)」と覚えましょう。【渡辺先生P44】

3.×:環境と個体の要求にうまく対処できるかどうかは、個人のレディネス(キャリア成熟)の程度による。【渡辺先生P53】

4.×:「職業に対する好みやコンピテンシー、生活や仕事をする状況は、時間や経験とともに変化し、それゆえ自己概念も変化していく」。【渡辺先生P52】

問4.キャリアに関連する理論の理解

 ホランドの理論からの出題です。国家試験ではあまり出題されていない箇所ですので、国家試験を受験される方は、渡辺先生の著書で該当箇所を確認しておきましょう。

1.×:「同じ職業に就いている人々は似かよったパーソナリティの特性および発達史を共有している。」【渡辺先生P77】

2.×:本文の直接の出典は不明だが、ホランドは職業行動に関する発達理論を、パーソナリティ・タイプの発達理論と捉えており、「パーソナリティ・タイプは、その人の生得的資質と発達過程で体験する人的、文化的、物理的諸環境からの力との交互作用を経て形成される」としている。【渡辺先生P78】

3.×:個々人のパーソナリティタイプを螺旋状ではなく、六角形のモデルで示した。【渡辺先生P73】

4.○:ホランドの職業行動の6つの理念の一つである。「職業満足、職業上の安定性や業績は、個人のパーソナリティとその人の働く環境との一致の程度に依拠する。」【渡辺先生P73】

問5.キャリアに関連する理論の理解

 クランボルツの偶発性学習理論からの出題です。仲間外れを探すことは比較的容易だったのではないでしょうか。不適切選択肢のキーワードも重要なものばかりですから、チェックしておきましょう。

1.×:アイビィのマイクロカウンセリングに関する用語である。【福原先生P2】

マイクロカウンセリング技法

マイクロカウンセリング技法については、ほとんどの養成講座のテキストにも記載があると思いますので、学科試験対策上ではマストの書籍ではありませんが、たくさんの逐語録が収載され、DVDにはロープレが収録されており、独学で出来る実技対策としておすすめの書籍です。

2.×:フロイトの防衛機制に関する用語である。【ジルP103】

3.○:クランボルツの「偶然の出来事を捉える5つのスキル」である。【ジルP47】

覚え方:こーじくん、銃をもって楽しく冒険♪(好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心)

当サイトでは通称、ジル資料と呼んでいますが、労働政策研究・研修機構で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

4.×:シュロスバーグの4Sに関する用語である。【渡辺先生P193】

参考文献・資料

平成30年版労働経済の分析(PDF)

キャリアコンサルタント倫理綱領(PDF)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

マイクロカウンセリング技法福原眞知子著(風間書房2007年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

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