【技能検定1級】第10回問01~問05の解き方

第10回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 障害者や高年齢者の雇用状況について、細かな内容が問われた選択肢もありましたが、正答選択肢の仕事と介護の両立=トモニンはおさえておきたい内容です。

1.○:厚生労働省は、企業が介護離職を未然に防止するため、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組むことを示すシンボルマーク(愛称:トモニン)を作成し、介護離職を防止するための取組に向けた社会的気運の醸成を図っている。【厚生労働省

トモニン

トモニン:WORK(仕事)の「W」とCARE(介護)の「C」の文字を組み合わせている。

2.×:身体障害者、知的障害者、精神障害者のいずれも前年より増加しており、特に精神障害者の伸び率が大きかった。【令和元年障害者雇用状況の集計結果P1:PDF

なお、令和3年1月に公表された、令和2年の集計結果においても、いずれも前年より増加しており、同じく精神障害者の伸び率が大きかった。【令和2年障害者雇用状況の集計結果P1:PDF

4.×:正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消のためのパートタイム・有期雇用労働法の施行は、大企業は2020年4月1日からであるが、中小企業は2021年4月1日からである。【厚生労働省

5.×:66歳以上の人が働ける制度のある企業、70歳以上の人が働ける制度のある企業、そして定年制の廃止企業のいずれの割合も、前年より増加している。【令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果P1:PDF

なお、令和3年1月に公表された、令和2年の集計結果においては、66歳以上及び70歳以上の人が働ける制度のある企業の割合は増加したが、定年制廃止企業の割合は変動なしであった。【令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果P1:PDF

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

 こちらも選択肢1に疑問を抱くことができれば正答を導くことができるものの、他の選択肢は細かな内容が問われており、消去法でのアプローチは厳しい問題です。

 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査

なお、こちらの資料は国家試験での出題もあります。[第13回問5第14回問5

1.×:最も構成比が高かった相談内容は、「就職・転職活動の進め方」である。【P40】

2.○:2010年から2017年にかけて大きく増加したのは、「職場の人間関係」(+11.0)、「現在の仕事・職務の内容」(+9.8)、「今後の生活設計、能力開発計画、キャリア・プラン等」(+8.6)、「部下の育成・キャリア形成」(+5.8)などであった。【P206】

3.○:2010年から2017年にかけて大きく減少したのは「履歴書やエントリーシートの書き方・添削等」(-9.7)、「面接の受け方」(-7.0)、「職業適性・自己分析」(-6.9)などであった。【P206】

4.○:「公的就職支援機関」では「過去の経験の棚卸し、振り返り等」が大きく減少していた。【P207】

5.○:「大学等」では「今後の生活設計、能力開発計画、キャリア・プラン等」で大きく増加し、「職業適性・自己分析」で大きく減少していた。【P208】

問3.キャリアに関する理論

 シャインの理論に関する基本的な内容の確認です。いずれも大事な内容ですのでマスターしましょう。

1.×:「生物学的・社会的」、「家族関係」、「仕事、キャリア」の3つのサイクルは相互に影響し合う。【渡辺先生P153】

新版キャリアの心理学(第2版)

キャリアの理論に関する出題は、国家試験と同様に技能検定においても、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多いです。木村先生の著書と併せて、机上に用意しておきたい参考書です。表記しているページ数は第2版のページ数となります。

2.×:キャリアを捉えるときには、「外的キャリア」と「内的キャリア」の2つの軸から捉えることができる。【渡辺先生P157】

3×:どのような職業にも、それぞれのアンカーとマッチする部分があるため、アンカーと職業を一対一で結び付けない。【渡辺先生P162】

4.○:シャインの提唱する、キャリア・アンカーを確かめるための3つの問いである。

①才能と能力について(何が得意か)

②動機と欲求について(何をやりたいのか)

③意味と価値観について(何をやっている自分が充実しているのか)

5.×:キャリア・アンカーは自己イメージのパターンであって、外部からは定めることはできず、みずから語らせ、認識することが重要であるとしている。【渡辺先生P165】

問4.キャリアに関する理論

 木村先生の著書から、職業選択に関する理論家横断的な問題です。それぞれの特徴を確認しましょう。

1.×:「選択可能な行為、行為から生じる結果、結果が生じる確率を資料に基づいて予測する」としたのは、ジェラットの連続的意思決定モデルである。【木村先生P24】

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版

※木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際」は、学科試験出典ナンバー1のバイブルですので机上に是非ご用意のうえ、出題箇所を参照しましょう。なお、2018年10月に出版された5訂版のページ数を表記しています。

2.×:親の養育態度を情緒型、拒否型、受容型の3つに分け、パーソナリティの個人差と職業選択との関係について関係づけたのは、ローである。【木村先生P28】

3.○:パーソンズ(パースンズ)の特性・因子理論の内容である。【木村先生P23】

4.×:「同じ類型に属する人と環境の調和的相互作用が、より安定した職業選択、より高い職業適応をもたらす」としたのは、ホランドの理論である。【木村先生P30】

5.×:「個人は多様な可能性を持っており、さまざまな職業に向かうことができる」としたのは、スーパーの理論である。【木村先生P36】

問5.キャリアに関する理論

 前回第9回の問5に続き、2回連続のジェラットの意思決定理論に関する出題です。

1.×:ジェラットの意思決定モデルには、予期システム、価値(評価)システム、基準(決定)システムがある。【ジルP29】

なお、個人のキャリアに影響を及ぼす環境を、ミクロシステム、メゾシステム、エクソシステム、マクロシステムに分類したのは、ブロンフェンブレナーである。【木村先生P31】

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査

当サイトでは通称、ジル資料と呼んでいますが、労働政策研究・研修機構で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

2.×:ジェラットは、探索的決定から最終的決定へと意思決定が進行するプロセスとして、「連続的意思決定プロセス」を提唱した。【渡辺先生P116】

3.○:ジェラットの価値(評価)システムの内容である。予測される結果がどれぐらい自分にとって望ましいかを評価する。「自分の価値観にあっているか」「自分の興味・関心にあっているか」などを評価する。【ジルP29】

4.×:ジェラットの理論の目的は、「キャリア発達における意思決定の仕方」をガイダンスする際の枠組みを構築しようとするものである。【渡辺先生P111】

5.×:客観的で合理的なストラテジーだけでなく、主観的で直感的なストラテジーを統合して用いていかねばならないとしている。【渡辺先生P120】

参考文献・資料

厚生労働省

令和元年障害者雇用状況の集計結果(PDF)

令和2年障害者雇用状況の集計結果(PDF)

令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果(PDF)

令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果(PDF)

キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査(PDF)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

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