カウンセリングの技能・知識Part.1【一問一答】

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試験では毎回5~7問の出題がある、カウンセリングの技能・知識に関する出題。トピックは広範にわたりますが、Part.1では、アイビー、カーカフ、國分康隆を中心に確認しましょう。

(全10問)

Q1.ヘルピング技法は、アイビーらによって開発され、多くのカウンセリングに一貫してみられる共通のパターンを分類し、技法と命名したものである。

A1.×:アイビーらによって開発されたのは、ヘルピング技法ではなく、マイクロカウンセリング(マイクロ技法)である。【木村先生④P282、⑤P276】ちなみに、ヘルピング技法はカーカフによって提唱されたカウンセリング・モデルである。

Q2.アイビーらによって提唱されたマイクロカウンセリングにおける、積極技法の具体例としては、開かれた質問や感情の反映、意味の反映がある。

A2.×:これらの具体例は、かかわり技法のものである。積極技法とは、能動的かかわりを行いながら、相手の問題解決を促す技法であり、指示、論理的帰結、解釈、自己開示、情報の提供、説明、教示、フィードバック、カウンセラーの発言の要約がある。【木村先生④P283、⑤P277】

Q3.カーカフのヘルピング技法は、事前段階(かかわり技法)、第1段階(応答技法)、第2段階(意識化技法)、第3段階(手ほどき技法)と、援助全体のプロセスを4つの段階に分けている。

A3.○:事前段階(かかわり技法)はいわゆるラポールの形成である。また、呼称にも特徴があり、カウンセラーはヘルパー、クライエントをヘルピーと呼んでいる。【木村先生④P285、⑤P279】

Q4.カーカフのヘルピング技法において、ヘルピーがどんな状態になりたいのか、ヘルピーの目的地を明らかにする技法を手ほどき技法という。

A4.×:これは意識化技法(第2段階)のことであり、具体的には意味、問題、目標、感情の意識化の技法がある。なお、手ほどき技法(第3段階)は、行動計画の作成、スケジュールと強化法の設定、行動化の準備などがある。【木村先生④P285、⑤P279】

ヘルピング技法ではこのように事前・第1・第2・第3段階と4段階あり、ヘルピーの反応や行動の結果を吟味しながら、この援助のプロセスが繰り返されます。

Q5.現実療法は、現在の満たされない重要な人間関係に焦点を当て、問題解決を図るカウンセリングである。

A5.○:1960年代、精神科医のグラッサーにより提唱された。【木村先生④P286、⑤P280】 

Q6.國分康孝のコーヒーカップ・モデルは、リレーションづくり、問題の把握、問題解決の3つの段階で行われ、処置・問題の解決方法としては、リファーも含まれる。

A6.○:なお、コーヒーカップモデルにおけるカウンセリングは、「言語的、非言語的コミュニケーションをとおして、行動の変容を試みる人間関係」と定義している。【木村先生④P289、⑤P283】

國分先生の「リレーション」という表現ですが、木村先生は「カウンセラーとクライエントの間に良い人間関係(ラポール、リレーション)」と表現しており、リレーションとラポールは同義と捉えて良いでしょう。

Q7.國分康孝は「リレーション」づくりについて、クライエントに対して支持することよりも、指示することを重視している。

A7.×:逆であり、指示よりも、支持。クライエントがカウンセラーにリレーションを感じるための基礎的技法として、第一に「受容」、第二に「支持」をあげている。リレーションとは、構えのない感情交流であり、その根底には信頼感があるとしている。【國分先生P26】

Q8.國分康孝は「カウンセラーのパーソナリティ」に求められる要素の一つとして、「無構え」を挙げており、カウンセラーは天真爛漫、天衣無縫であり、防御がないほど好ましいとしている。

A8.○:ほかに、「人好き」、「共感性」、「自分の人生」を挙げている。【國分先生P13】

國分先生の表現に私は驚きましたが、読めば読むほど味わいのある「カウンセリングの技法」からの出題が、第4回、第5回にありました。今後の出題可能性はあまり高くないと思われますが、カウンセリングの理論書の中では非常に読みやすく、親しみやすく好きな本です。

Q9.國分康孝は繰り返しについて、「カウンセラーの思い込みを排除するためにも、相手の文章を記憶して、それをそっくり返すことが理想」であるとしている。

A9.×:繰り返しとは、相手の言いたいことをキャッチして、そのポイントを繰り返すことであり、ことばも必ずしも使ったことばを用いる必要はないとしている。【國分先生P39】

Q10.システマティック・アプローチは、自己理解、仕事理解、啓発的経験、キャリア選択にかかる意思決定、方策の実行、新たな環境への適応のプロセスをとる。

A10.×:このプロセスは、ジル資料などにおいてキャリアコンサルティングの6ステップとして整理されているものである。【ジルP163】なお、システマティックアプローチは、カウンセリングの開始、問題把握、目標設定、方策の実行、結果の評価、終了のステップをとる。【木村先生④P291、⑤P285】

(全10問)