「キャリアコンサルティング理論と実際」5訂版から感じるもの。

キャリアコンサルタント試験の出典ナンバーワン参考書、木村周先生の「キャリアコンサルティング理論と実際」の5訂版が、先日刊行されました。

今年の1月に勉強会でお会いしたとき、先生から今年の抱負として、秋にこの書籍の改訂版を出したいと、意欲的に仰っていたことが印象に残っています。さすが、先生です。

変更箇所などを早速精査しているのですが、部分的な追加のみで、大きな改訂というわけではありません。まえがきに、これまでの4訂版から新たに追加した項目について記載がありましたので、一部引用して紹介いたします。

①「中小企業にこそ『働くこと』と『人材育成』の原点がある」

②「事業場のおける治療と職業生活の両立支援」

さらに、行政の新しい施策に関連して

・第10次職業能力開発基本計画

・職業能力の評価(職業能力評価基準、ビジネス・キャリア検定試験)

・ストレスチェック制度の実施状況

・新ジョブ・カード制度

・ハローワークインターネットサービスのサイトにおける職業分類と職業解説

そのほか、法律や指針や制度、調査等の改正・更新に伴い最新のものを反映しました。(五訂版へのまえがきより一部引用)

新しい5訂版の内容が学科試験の出典として反映されるのは、問題作成の時期的にはおそらく来年度の試験になるでしょうから、4訂版を既にお持ちの方が第10回試験対策のために、わざわざ買い直す必要はありません。

ただ、新たに追加した項目の①、②や、まえがき、あとがきから読み取れるメッセージには、木村先生の強い想いを感じました。

木村先生は、キャリアコンサルティングの普及啓蒙、施策を推し進めてきた、日本での第一人者です。そして、そのご尽力の結果、国家資格化を含め、キャリアコンサルタントの存在が社会や、制度の中で、形づけられることとなりました。

いわば、形、器が出来た状態です。

それにを、を入れようとしているのではないかと感じられる記述が随所にあります。4訂版ではそうした想いのようなものがあまり感じられなかったために、余計に強さを感じました。

「快適な職場づくり」は労働省に勤務されていた頃からの木村先生の、いわばライフワークと言えるテーマです。快適な職場づくりを実現するため、キャリアコンサルタントが果たす役割は大きいと位置づけています。

支援者として官民を超えた「公」の視点を自覚し、「労働の人間化」と「快適職場づくり」に貢献することです。(P364)

先生は、キャリアコンサルタントは個人と組織の真ん中に立ち、それらに貢献することを求めています。

いわば、社会正義の視点です。社会正義の視点については、第9回試験問47で出題があり、ややネット上などで物議を醸しました。

それもキャリコンの役割?と感じる方も少なからずいらっしゃったようですが、クライエントの声を組織や社会に代弁して伝えることも、今後のキャリアコンサルタントの活動として必要な活動と位置づけています。

社会正義の視点での出題は今後もあるでしょう。

ジル資料にも社会正義について記述があります(P173)。一読しておきましょう。

 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査

それから「事業場のおける治療と職業生活の両立支援」にはガイドラインがありますが、これまで未出題です。がん患者などへの就労支援は大きななテーマでもあります。

 事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン

なお、過去問解説などの参照ページ数の見直し、修正、追記につきましては、第10回試験終了後、12月を中心に行い、その後、当面は4訂版と5訂版の両方のページ数を併記する方針ですので、来年の7月の試験までは、これまでの4訂版でも学習ができるようにする予定です。

キャリアコンサルティング 理論と実際 5訂版

附章やあとがきから、木村先生の、熱い想いを感じたのは私だけではないはずです。すでに合格した方にも、読んでもらいたい5訂版です。

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