第25回学科試験を振り返る。

第25回キャリアコンサルタント試験を受験のみなさん、本当にお疲れさまでした。多くの方が面接試験も終えたと思いますが、20日に協議会の面接試験の方には、引き続き、エールを贈ります。

第25回学科試験は、過去問解説も完成しましたので、試験の振り返りに、または次回以降の試験対策の方は、試験対策に、どうぞご活用ください。

【第25回試験】過去問解説のご案内

出題範囲と出題数の検証

第25回過去問解説の完成に伴い、出題範囲マトリックス/タテヨコくんを更新しました。過去問解説のページからも入手できます。

①[国家+2級直近3回分]タテヨコくんミニマム【PDF版】【Excel版
②[2級第25回~&国家第15回〜]出題範囲表改定後タテヨコくん【PDF版】【Excel版
③[国家試験第1回~第25回]タテヨコくん【PDF版】【Excel版

毎回、出題範囲ごとに1問前後の変化はあるものですが、今回は第24回と比較すると、次のような変化があり、これまでと比べるとやや変化が多めの回と感じています。

出題数に変化のあった主な内容は次の内容です。

・冒頭の時事問題が2問に(第23回と同様)
・「キャリアに関する理論」は前回の3問から通常の4問へ戻る
・職業能力の開発の知識は4問→3問へ(能力開発基本調査の問題無し)
・労働市場の知識が3問→4問へ
・3回連続で「学校教育及びキャリア教育の知識」が3問体制
・中高年期を展望するライフステージ及び発達課題の知識は2問(通常1~2問)
・人生の転機の知識(通常1問~2問)の出題なし
・カウンセリングの技能(通常2問)の出題なし

上記以外は、概ねいつもどおりの出題バランスでしたが、気になったのは理論関連の問題は合計で2問少なくなっている点です。

キャリア理論に関連する問題は、合わせて6問(前回7問)でした。

そして、カウンセリングの理論や技法に関する問題は、グループアプローチを合わせても4問(前回5問、前々回6問)でした。

つまり、キャリアに関するものとカウンセリングに関するものを合わせて10問(前回12問)と、理論関係の出題が明らかに少なかったです。ただし、その分後半の易しめな問題が2問増えていました。

逆に言いますと、理論周りの問題が10問~12問程度ということは、全体の5分の1~4分の1と捉えないといけません。

みなさんのお声をお聞きしていると、理論ばかり対策していた、というお声が少なくありません。お気持ちがわかる部分もあるのですが、理論対策に偏らないよう、意識するのも良いでしょう。

お忙しい方が多いと感じます。対時間の得点効率も大切です。

難易度は第24回の路線を踏襲しつつ、やや易化

第一印象では難しい問題が多いと感じましたが、精査してみると、一見、難問であっても選択肢の絞り込みがし易い問題もあったり、後半の問41以降が特に易しい問題が続いたため、第24回よりは易化した印象は持っています。

ただし、第22回や第23回のような「易しめ」ということは全くありません。第24回よりは緩和されましたが、第17回、第24回に次ぐレベルで難しい内容であったと捉えています。

難易度評価の一覧表も作成しました。過去問解説のページからでもご覧になれますが、こちらでもリンクしておきます。

第25回難易度評価の一覧表

第25回の難易度評価は、A29、B17、C4でした。

なお、第24回の難易度評価は、A27、B17、C6でした。

受験されたみなさんと同じように、私も難しい問題の印象が強く残ってしまうため、修正、検討を繰り返しながら確定させていくのですが、概ね、毎回、均衡の取れたバランスになるのが不思議でもあります。作問している人たちは考えているな、と勝手に感じてしまう瞬間です。

自己採点合格率は81%前後

自己採点結果の速報値は、先日もお伝えしましたが、その後、大きな変動はなく、81%前後になりそうです。なお、アンケートは20日まで受け付けています。その後、最終的な結果を公表します。

毎回、アンケートに回答して下さる方の到達レベルが高いため、自己採点結果は20%程度高くなることが多く、実際の合格率は、55~60%前後になると予想しています。

特徴的な出題について

キャリアコンサルタント試験は、概ね毎回、新しい資料や、初めての理論家や理論が登場しますが、今回の新資料、新理論家、新キーワードを整理しました。

【初出題資料】
・人材版伊藤レポート(「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書」(経済産業省、2022年)および「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」):問1
・暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査(一次集計)結果の概要(問2)
・生徒指導提要(P25)
・発達障害のある人の雇用管理マニュアル(問34)

【初出題理論家】
・ブルースティン(問5)

【初出題キーワード】
・ウェルビーイング(問29)
・アルムナイ(問48)
・エンゲージメントサーベイ(問48)

人材版伊藤レポートでは、今後の人材活用の方向性をわかりやすく解説しています。今後の試験にも影響がありそうです。

また、NHK・JILPT資料は、直近の1級第13回試験で出題されていましたが、備えていた方はごく少ないはずです。それぞれの感覚に左右されてしまう点はありますが、「より」の表現に気をつけて選択しましょう。

新登場理論家のブルースティンは2級で既出題で、総仕上げ模試などでも取り上げていました。多文化・社会正義論については、今後は定番トピックになると思われます。今回は仲間はずれを探すのは、比較的容易でしたが、今後は難易度が上がると思われます。

多文化・社会正義論は、キャリアコンサルティング理論と実際(6訂版)に詳しく記載されており、今後も出題可能性が高いです。

しっかりと対策しましょう。

なお、試験の回を重ねることごとに、6訂版からの出題が増えています。5訂版をお使いの方は、6訂版を用意した方が良いでしょう。

ウェルビーイングの問題は解きやすかったですが、今後も出題が予想されます。アルムナイ、エンゲージメントサーベイの意味を知らなかった方はインプットしておきましょう。

【第25回試験】過去問解説のご案内

資料御三家の出題について

みん合サイトでよく出る資料御三家として位置づけている、労働経済の分析、能力開発基本調査、第11次職業能力開発基本計画についてはどうだったのでしょうか。

・令和4年版労働経済の分析(問3、問18)
・能力開発基本調査→出題なし
・第11次職業能力開発基本計画(問11)

労働経済の分析は2問出題でしたが、いずれも令和4年版からの出題でした。これまでの傾向では、次回の7月(第26回)試験では令和5年版の出題可能性が高まります。

令和4年版、令和3年版労働経済の分析は、翌年7月の試験で出題されています。

なお、あらためて再度お伝えする予定ですが、令和4年版の第2部は引き続き出題可能性があります。テーマがテーマなので、出題したい(しやすい)特徴があります。

ちなみに今回の第2部からの出題は、3回連続で「キャリアコンサルティングを受けた経験のある者の方が…」の問いでした。

そのため、次回7月試験(6月の2級)に向けての労働経済の分析は、次の対策をおすすめします。

令和5年版労働経済の分析(第1部・第2部)
令和4年版労働経済の分析(第2部)

第1部は雇用指標が中心のため、新しい令和5年版の方が良いでしょう。第2部は、どちらも出題可能性があります。

また、超頻出の能力開発基本調査ですが、今回出題がありませんでした。これは驚きました。出題がないのは、第3回試験以来の2回目でした。

第11次職業能力開発基本計画は、選択が難しい問題でしたが、これまでに出題された箇所を中心によく確認しましょう。ヨコ解きリンクを、第25回過去問解説に掲載しました(第25回問11)。

資料対策は御三家資料を中心に、楽習ノートプラスで対策をしましょう。

楽習ノートプラス

そのほかのトピックとしては、今回は「労働市場の知識」が4問体制で、うち3問は難問でした。データ系の対策はキリがありませんが、難しい内容が出題されると、捨て問題になってしまう厳しさがありますが、労働力調査の用語に関する1問だけは死守したい内容でした。

また、以前から出題予想をしていた、新しい厚生労働省編職業分類やインターンシップの新定義についての出題もありましたが、少し前の総仕上げ模試の内容からの出題もあり、次回試験対策のみん合☆プラス会員の方は、試験前には、是非、これまでのみん合☆総仕上げ模試もやってみるのがよいでしょう。

試験前は解説動画を流しっぱなしにしていた、というお声がたくさん届いています。

キャリアコンサルタント倫理綱領について

今回は問49で、あえて「2016年」版として出題がありましたが、今年2024年1月に新しい「キャリアコンサルタント倫理綱領」が公表されました。

次回の7月試験からは、新しい「キャリアコンサルタント倫理綱領」からの出題が予想されます。

今回受験した方も、次回以降に受験する方も(すでにキャリアコンサルタントの方も)、新しい倫理綱領をまずは読み込んでおきましょう。

みん合サイトの各教材も、順次対応させていきます。

キャリアコンサルタント倫理綱領(キャリアコンサルティング協議会)

リベンジのみなさんへ

今回も難易度が高かったですから、自己採点で悔しい思いをされた方も、いらっしゃると思います。

第25回は見たくない!という方もいるかもしれませんが、リベンジの方には、まずは解き直しをおすすめしています。

落ち着いて解き直しましょう。

指示を見落としていた、問題の意図を誤解していた、ケアレスミスがあった、単に知らなくて解けなかった、といった「誤答分析」をしましょう。

この内容は大丈夫、逆にこの内容は苦手、といった現在地を確認しましょう。すべてが苦手なわけではないはずです。

苦手を減らし、得意を伸ばす」ことが、学科試験対策の基本戦略であり、「知らなかったことを知っていく」ことが日々の戦術です

時に出典資料や参考書の記載内容を読み込んだり、Web検索して関連情報を調べたりして理解を深めることができるのが、リベンジの方のメリットです。

多少、寄り道をしても間に合いますし、寄り道をしながらの学びは、面白いはずです。

また、将来の専門性を見据えながら、興味のある分野を深堀りするのも良いでしょう。合格ラインに達しなかったことは、悔しいことかもしれませんが、さらなる学びの機会を得た、と思うようにしてみるのも良いのではないでしょうか。

未来に向けて、磨いていきましょう。

今回受験されたみなさん、本当におつかれさまでした。

そして、次回受験のみなさんは、これから試験までの間、どうぞよろしくお願いします。

知らないことを知っていきましょう。
知識や技能との出会いを楽しんでいきましょう。

応援しています。

みん合☆プラス会員のご案内

第26回(7月)試験対策のみん合☆プラス会員のご入会受付とご受講がスタートしています。次回合格目標の方は、どうぞご検討ください。ご受講期間は、合格発表のある8月23日までです。

プラス会員への入会につきましては、詳しくは下記をご確認ください。

書籍をお持ちではない方は、みん合☆プラス会員と書籍のセットでお得に購入することができます。

【テキスト&問題集(第3版)】出題範囲ごとのまとめと、一問一答の問題が収載されており、知識のインプットとアウトプットをバランスよく行えます。2023年7月に改訂版の第3版を刊行しました。第2版からの加筆箇所はこちらをご覧ください。特徴については、Amazonをご確認ください。

【総仕上げ問題集(初版)】本試験と同様の四肢択一式の問題集で、実践的な問題演習を行うことができる、アウトプット重視型の内容です。出題傾向の分析と対策のページと、150問の四肢択一式問題、1回分の模擬問題が収載されています。紙面の構成や、特徴については、Amazonをご確認ください。

なお、どちらも2024年7月試験までの間の改訂予定はありません。 

会員期限の延長について

第25回(3月)対策会員の方の会員期限は、合格発表のある2024年4月15日(月)までです。

その後も会員期間の継続を希望する場合には、有料(特別価格)にて第26回試験の合格発表がある、2024年8月23日(金)まで期限を延長することができます。

また、これまでに会員だったすべての方は、延長手続きにてご入会(会員再開)が可能です。6月の2級技能検定を受験される方も、もちろん、ご活用いただけます。

第26回(7月)試験対策のための会員期限延長の申込みについて

お気軽にご相談ください。

試験対策のご相談やご質問を、みん合☆では毎日、受け付けています。

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