第9回問31~問35の解き方

第9回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問31.カウンセリングの技能・知識

 来談者中心療法におけるカウンセラーの基本的態度について問われています。やや表現が難しく、熟考が必要な問題でした。

1.○:自己一致とは、「カウンセラーは、クライエントとの関係において、心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していること。」【木村先生P43】

2.×:共感的理解とは、「クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝えること。」【木村先生P43】

3.×:来談者中心療法における傾聴は「聴き手が相手の話を聴くときに、相手の立場になって相手の気持ちに共感しながら聴くこと。」【こころの耳

4.×:無条件の肯定的関心とは、クライエントに対して受容的態度で接すること。【木村先生P43】

問32.カウンセリングの技能・知識

 理論や療法と、人名や用語を結びつける問題ですが、提示されている語群が非常に難しく、参考書等には出てこない人名、用語が多く非常に難しい問題でした。正解選択肢はジルに出ていました。

1.×:パールズ(フレデリック・パールズ)は、ゲシュタルト療法の提唱者である。

2.×:エリクソンは発達理論、行動療法はスキナー、ウォルピが有名。

3.×:森田療法は森田正馬(まさたけ)によって確立された精神療法。吉本伊信(いしん)は僧侶であり、内観法(精神療法)の創始者である。内観法と森田療法はともに日本製の精神療法だが直接的な関連はない。身調べは内観法の全身といわれる。

4.○:エプストンとホワイトはナラティブセラピーの確立に関わった。【ジルP157】

問33.カウンセリングの技能・知識

 モデリングによる学習といえば、バンデューラ、自己効力感、それを高める4つの情報源が出題されやすい項目ですが、本問は「モデリング(観察学習)」に関する理解を問う問題でした。常識的にアプローチしましょう。類題は第7回に出題されています。[第7回問43]

1.○:模倣行動を引き起こすことはありうる。

2.○:負の強化の例である。【ジルP123】

3.○:正の強化の例である。【ジルP123】

4.×:否定的な結果は意欲を抑制する。

問34.グループアプローチの技能・知識

 ベーシック・エンカウンターグループと構成的グループエンカウンターとの違いを問う問題で、前者は参考書等にはほとんど出ていない内容のため、判断の難しい問題でした。

1.○:グループカウンセリングに個別カウンセリングを組み合わせるのは効果的である。

2.○:構成的エンカウンターを行うにあたって必要な知識、スキルとしてこれらをあげている。【木村先生P321】

3.○:共通の目標として共有しているのは効果的である。【木村先生P317】

4.×:ベーシック・エンカウンターグループは、あらかじめエクササイズなどの課題は用意せずに行う。それに対して構成的グループエンカウンターでは、あらかじめエクササイズなどの課題が用意されている。参考サイト【心理学用語集サイコタム

問35.カウンセリングの技能・知識

 認知行動カウンセリング(療法)に関する、判断の非常に難しい問題が出題されました。消去法でアプローチしていますが、2の選択肢はやや主観的な文章に感じます。

1.×:来談者中心療法は、認知行動カウンセリングに含まれない。

2.○:消去法により2を残している。認知療法を創始したのはベック。確かに認知行動療法の創始者については確認できないが、やや選択肢の文章として客観性に欠けるように感じる。

3.×:認知行動療法は、その出来事をどのように受け止めているかに注目する。つまり、認知に注目している。

4.×:認知行動カウンセリングは、クライエントに寄り添うことで問題の解決を図るのではなく、問題に焦点をあてて治療を行う。

カウンセリング療法については、こちらの参考書が役に立ちます。マストではありませんが、比較的わかりやすく、読みやすく、体系的にまとめられている教科書といえる一冊です。

臨床心理学

参考文献・資料

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

こころの耳

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

心理学用語集サイコタム

臨床心理学(有斐閣2015年)

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