動機づけ理論(職務満足・職業適応)のまとめ

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キャリアに関する理論から、動機づけ理論(職務満足・職業適応)のまとめです。理論家、学者ごとにその特徴やキーワードをまとめています。

マズローの理論

マズローは、人間は自己実現に向かって絶えず成長していくとの人間観に立ち、人間の欲求を低い次元から高い次元へと5つの段階に分類する欲求階層説を提唱した。

この5段階について、次の欲求が満たされると、次の欲求を満たそうとする心理的な欲求、モチベーションが生じるとしている。

マズローの5段階欲求の内容は次のとおりである。

欲求の段階 内容
生理的欲求 生命の維持に必要な、睡眠、休息、食欲、性欲などの欲求
安全の欲求 住まいや衣服、雇用が確保され、安全、安心に対する欲求
所属と愛情の欲求 社会的欲求とも呼ばれ、社会の一員として認められることや、人から愛されたいという欲求
自尊と承認の欲求 単に承認欲求とも呼ばれ、名声や権威、地位を得たい、人から認められたいという欲求
自己実現の欲求  自らの持つ可能性を実現して、個人としての個性や能力を発揮したいという欲求で、マズローの欲求階層説の中核的概念。

自己実現の欲求以外は、欠乏欲求に分類され、自己実現の欲求は成長欲求に分類される。

【参考文献:岡田先生P23】

その他の理論家

アルダファ

アルダファは、仕事の場面を中心とした研究により、マズローの欲求階層説を修正し、ERGモデルを提唱した。

EはExistenceの存在欲求、RはRelatednessの関係欲求、GはGrowthの成長欲求である。

人間には欠乏欲求と成長欲求があるとしているのは、マズローと共通している。

しかし、各欲求は連続的であり、高次と低次の欲求が同時に生じることがあるとしており、この点はマズローとは異なる点である。

【参考文献:岡田先生P26】

ハーズバーグ

ハーズバーグは、職務満足もしくは不満足を規定する要因には、動機づけ要因と衛生要因の2つがあるとした(2要因説)。

前者は、仕事の達成感や責任、承認、昇進、成長であり、後者は、会社の施策、給与等も含む作業条件や、上司等との対人関係である。

衛生要因の改善により、人の不満足を減少させることはできるが、職務満足は動機づけ要因の充足により、はじめてもたらされるとした。

【参考文献:岡田先生P26、木村先生P60】

マクレランド

マクレランドは、職場での社会的欲求が動機づけを高めると考え、達成動機理論を提唱した。

マクレランドの社会的欲求には、親和欲求、権力支配)欲求、達成欲求があり、それぞれは、マズローの所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求に対応している。

ただし、達成動機が強すぎる場合には、自己実現を阻害するとも指摘している。

【参考文献:岡田先生P27】

参考文献・資料

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年) 

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