官公庁資料を制する者は…
官公庁資料対策の実施の有無は、合否を左右します。
というのも、第28回試験ではざっとカウントしただけでも、官公庁資料に関する問題が、17問分(66選択肢分)も出題されていました。
いわゆる理論(家)問題が多くて12問程度ですから、実はそれ以上の存在感があります。ただし、よく出題されている資料を、ある程度見極めることができます。
頻繁に出題されている資料、めったに出題されない資料、最近出題が目立つものなどがありますが、ランキング上位及び出題が気になる22種類プラス1(合計23種類)の官公庁等の資料を発表します!
ランキングではS・A・Bランクにランク分けしています。
なお、28回試験で出題された官公庁資料の問題、17問のうち、今回紹介する23種類の資料によって13問分+1選択肢分をカバーできます。
ランキング上位の資料が、出題割合の大きな部分を占めていることはデータが証明しています。
これまでに出題されている資料は141も!あるのですが(みん合調べ)、出題数ベスト10の資料で約半数を占めており、全体の約2割に相当するベスト30で約7割を占めています。
逆に言えば、141あるうち7割は無視しても合否に影響はありませんから、ランキングを参考にして、メリハリを付けた対策をしましょう。
官公庁資料 出題ランキング(S・Aランク)
出題ランキング及び、書籍やサイトでの対策方法をお伝えします。
ランキングは第1回~第28回のキャリアコンサルタント試験での出題の出典となった、選択肢数でのカウントです。( )内の数字は選択肢数です。
では早速、発表します!特に1位から3位は重点的な対策が必要です。
労働経済の分析(165)
「労働経済の分析」は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で厚生労働省が、原則として毎年公表しています。
前回の第28回試験から、令和6年版の出題が始まりましたので、7月や11月の試験においては、令和6年版の出題可能性が高いと予測しています。
なお、令和6年版には2023年12月までの雇用指標が収載されていることもあり、2023年(暦年)のデータは要注意です。
楽習ノートプラスのダイジェストなどで対策をしましょう。
また、第Ⅰ部の内容が出題される雇用指標などの問題は、令和6年版からの出題可能性が高いものの、第Ⅱ部については毎回テーマが異なるため、令和5年版などに遡っての出題可能性があります。
特に2問、3問と複数出題される場合には、複数年版での出題が予想されます。そのため、令和5年版の第Ⅱ部も確認しておいた方が良いでしょう。
【書籍】合格問題集(第2版)P42
【楽習ノートプラス】
【最近の過去問】
令和5年版:第26回問1 第26回問20 第27回問20 第27回問22 2級第33回問17
令和6年版:第28回問21
能力開発基本調査(152)
能力開発基本調査は、企業、事業所及び労働者の能力開発の実態を正社員・正社員以外別に明らかにし、職業能力開発行政に資することを目的として、厚生労働省が毎年公表しています。
昨年11月の試験から令和5年版の出題が始まっており、次回の7月試験はそのまま、令和5年度の出題可能性が高いです。また、28回、26回、24回では2問分の出題がありました。
この資料は、複数の出題、また細かな内容まで出題されることがありますので、プリントアウトをして内容を精査することをおすすめしています(全68ページ)。
【楽習ノートプラス】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【1企業調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【2事業所調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査【3個人調査:問題編】
≪会員限定≫令和5年度能力開発基本調査「本試験レベル問題集」
【最近の過去問】
第11次職業能力開発基本計画(53)
職業能力開発促進法に基づき、職業訓練や職業能力評価など、職業能力の開発に関する基本となるべき計画を厚生労働省が策定しています。2021年度から2025年度までの5カ年計画です。
能力開発基本調査と同じく、プリントアウトをして一読しておきたい資料です(40ページ)。
ここまでを頻出ランクSランク、官公庁資料の御三家と位置づけています。
特に意識して対策しておきたい資料のバージョンについて。
・労働経済の分析(令和6年版+令和5年版第Ⅱ部)
・能力開発基本調査(令和5年度)
・第11次職業能力開発基本計画
厚生労働行政における、現状、課題、方向性を示している基礎資料の位置づけのため、この3点を念入りに対策しておくと、他の資料に記載されている内容をカバーする効果もあります。
一方、4位以下の資料は過去問等の出題内容を中心に対策をすることをおすすめしています。
セルフ・キャリアドック導入の方針と展開(41)
企業におけるセルフ・キャリアドックの導入のプロセスや実施計画の策定、企業内インフラの整備や実施の手順がわかりやすく表現された資料です。具体的事例や書式などもあり、実務においても活用できます。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(40)
令和4年に改正があり、インターンシップの定義があらためて行われた点には注意が必要です。その他、企業側、大学側の留意事項などがよく出題されています。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P162~ 合格問題集(第2版)P150
【最近の過去問】
改正後の資料を出典としている過去問は以下です。第25回から4回連続で出題されています。これらをやっておけば、まず大丈夫です。
第6位:今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)(37)
キャリア教育・職業教育の指針として、文部科学省の中央教育審議会が取りまとめた資料です。平成23年に作成されたもので時が経過しているものの、最近では第23回で出題があります。
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)
第6位:労働力調査(37)
労働力調査は、我が国における就業及び不就業の状態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的としており、総務省統計局が毎月公表しています。完全失業率などがわかります。
なお、労働力調査の内容は、「労働経済の分析」にも掲載されているため、出典としては「労働経済の分析」からの出題も十分ありえます。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P121~ 合格問題集(第2版)P124、P128
【楽習ノートプラス】
≪会員限定≫2023年(度)までの完全失業率と有効求人倍率【問題編】
【ミニ動画】
5分で確認、雇用指標チェック!(YouTube)
【最近の過去問】
第8位:事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(36)
最近の試験で特に出題が多く、特にP3以降の「留意事項」からの出題が多いです。
第9位:年次経済財政報告(33)
年次経済財政報告(経済財政白書)は、経済・財政の1年間の動きを総合的に分析し、問題点や今後の展望、政策の方向などについて、内閣府が毎年公表しています。
令和6年版は8月に公表されているため、時期的には7月試験での出題可能性があり、特に第2章に目を通しておくと安心です。
ここまでが頻出Aランクに位置づけられる資料です。
第10位以降は、資料名から資料のPDFへ直接リンクしています。
第10位:職場における心の健康づくり 労働者の心の健康の保持増進のための指針(26)
かつては出題が非常に多かったものの、第16回・第17回以来、しばらく出題がありませんでしたが、第28回で選択肢レベルでの出題がありました(問31)。
出題のポイントは、セルフケア/ラインによるケア/事業場内産業保健スタッフ等によるケア/事業場外資源によるケアの「4つのケア」です。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P170~ 合格問題集(第2版)P156
第11位:職場における学び・学び直し促進ガイドライン(25)
最近特に出題が多い資料で、第23回、第24回、第26回、第27回で出題があり、定番資料化しています。リスキリング関連の主要な資料として、今後も出題が続くと予想しています。要注意です。
第12位:健康づくりのための睡眠指針2014 健康づくりのための睡眠ガイド2023(24)
改訂以前は、正解選択肢が選択しやすい問題、解きやすい問題が出題される傾向がありましたが、2023年改訂版は内容が詳しくなり、出題内容はやや手強くなりそうです。
第12位:(令和6年版)男女共同参画白書(24)
男女共同参画白書は、男女共同参画社会基本法に基づき、内閣府の男女共同参画局が毎年作成、公表しています。
【最近の過去問】
第14位:働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書(20)
キャリアコンサルタントが果たすべき役割、普及のための施策、キャリアコンサルタントに求められることなどがまとめられており、今後のキャリアコンサルタントの方向性を示す資料で、第19回以降によく出題されています。
第15位:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き【19】
最近の試験では出題が少ないものの、かつては頻出で、職場復帰支援の5つのステップの内容や本人への支援の留意事項がよく出題されています。
第16位:ストレスチェック制度導入ガイド(17)
ストレスチェックの実施義務や、実施の際の注意点などが出題される傾向があります。
ここまでを頻出Bランクの資料と位置づけています。S・A・Bのメリハリを付けて対策しましょう。
それ以降のCランクの資料のうち、特に気になる資料、今後の定番になりそうなもの、しばらく出題がなくそろそろ?と思われる5種類を紹介します。
・令和5年賃金構造基本統計調査(13)
主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにすることを目的として厚生労働省が毎年調査、公表しています。
令和6年版は令和7年3月に公表されたため、時期的には11月以降の試験での出題ではないかと予測しています。
【楽習ノートプラス】令和5年賃金構造基本統計調査のまとめ
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P124 合格問題集(第2版)P126、P130、P268
・キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(12)
キャリアコンサルタントの自己研鑽に関する貴重な資料です。
【書籍】テキスト&問題集P261
・キャリア・パスポートの様式例と指導上の留意事項(9)
【書籍】
しばらく出題がありませんでしたが、第28回で大問での出題がありました。3ページ目の内容や4ページ目の留意事項に目を通しておきましょう。
【最近の過去問】第28回問27
・副業・兼業の促進に関するガイドライン(9)
次の過去問で、副業や兼業の基本的な考え方を確認しておきましょう。次の過去問では基本的な考え方、禁止事項を確認できます。
【最近の過去問】第28回問19
・令和6年度学校基本調査(8)
少子化が進んでいるなかでも、新しい学校種である「義務教育学校」や「中等教育学校の生徒数は過去最高を更新し続けている点には注意しましょう。
【書籍】テキスト&問題集(第3版)P160※令和4年度 合格問題集(第2版)P276※令和5年度
・外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
国別労働者数の1位は「ベトナム」。産業別労働者数では「製造業」また、在留資格別労働者数についてはこれまでは「身分に基づく在留資格」が1位でしたが、令和6年のデータでは「専門的・技術的分野の在留資格」が1位になりました。
【楽習ノートプラス】
≪会員限定≫【令和6年】「外国人雇用状況」の届出状況まとめのまとめと問題
資料対策の勘どころ
以上の22種類の資料が、定期的に出題のある要注意資料プラスαと捉えています。
他にも、高齢者雇用、女性活躍などに関する資料も気になるところですが、それらは「労働経済の分析」などの資料に包含されている内容も多い特徴があります。
その他のものは、テキスト&問題集+合格問題集や最近の過去問を利用して、登場した際に内容理解を深めましょう。
その際に大切なことは、ご自身の感覚に照らし合わせて、調査結果などを眺めてみることです。違和感のないものは、おそらく出題されても対応ができるでしょう。
それに対して違和感のある調査結果や知らなかった仕組みなどは、よく内容を確認しましょう。
調査結果や制度の導入状況などは、自らやご家族の勤務先での状況と照らし合わせてみてください。
その視点は、キャリアコンサルタントになった後も役立つことでしょう。うちの会社ではまだないな、とか、この資料を参考に社内の制度を作ってみよう、などと、自分ごとに落とし込むことが大切です。
ランキング番外編
官公庁資料と位置づけてよいものか?と思い、ランキングには盛り込んでいないのですが、実は出題数3位(109選択肢分)に該当するのが、「キャリアコンサルタント倫理綱領」です。
キャリアコンサルタントの行動、実務の指針となるもので、当然、試験においても、その内容を背景とした出題があります。
以上、22種類プラス1の資料対策についてお伝えしました。
会員限定教材を活用する場合には、みん合☆プラス会員をご検討ください。
合格目指して、一緒に頑張っていきましょう。
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